図の局面で森内名人が投了した。▲8七飛と逃げるしかないが、△7八角▲9九玉△8七角成▲同金△7八桂成で一手一手の寄り。
終局は18時32分、消費時間は▲森内名人2時間59分、△谷川九段2時間58分。勝った谷川九段は第18回以来の決勝進出となった。
▲5五馬と森内名人が待望の反撃をした局面。
ここから△6四角▲6五馬△8六香▲8二銀と技の掛け合いに。
以下△同玉▲6四馬△同歩▲8六飛と進んだ。
谷川九段が上から押さえ、△5七金とばらしにかかった局面。ここで▲同桂△同銀右成に森内名人は▲6九玉と引いた。
▲5七同金△同銀成▲同飛△同桂成と清算しては先手玉は持たないという判断だ。しかし△4七銀不成と金を取られるのもつらい。谷川九段ペースとなったようだ。
ただ先手も持ち駒は豊富。寄せ切れなければ危ない。
(後手の桂と成銀が押し寄せる)
△9五角と谷川九段が王手をした局面で片上大輔六段が中継室へ。
この局面を見て、
「▲8六銀には△同角▲同飛△6六銀▲同桂△同角▲同金でばらして△7四桂ですか。これは谷川ペースじゃないですか。森内さんなら▲7七銀と受けるのでしょう」
実戦は▲8六銀△同角▲同飛△6六銀▲同桂△同角に森内名人から先に▲7四桂と打った。△同歩と取らせてから▲6六金と取れば後手は△7四桂とは打てない。敵の打ちたいところに打ての桂の捨て駒だ。
(中継室のモニターを見る片上大輔六段)
ぎりぎりの攻防が続いている。王手飛車の図から△6二角▲4四角△同角▲6六桂△5五銀▲7八桂と進んだ。
上の△6二角、▲6六桂、▲7八桂の3手はどれも直接は相手の攻めを受けているのだが、どれもいずれの攻めを狙っている。例えば▲7八桂と打った手は△6六銀に▲同桂と取れるようにして、▲7四桂打一発で寄り倒す筋を残している。