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2013年8月

2013年8月 1日 (木)

王手飛車

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16時頃の局面。この▲3五角で後手に王手飛車がかかっている。といっても実戦は谷川九段が△6二角と受け▲4四角△同角と進み、飛車角交換になっているのでただで取られたわけではない。しかし後手の飛車は受けにもよく利いていたので、先手も反撃の楽しみができてきた。

消費時間は▲森内名人2時間18分、△谷川九段2時間6分。互いに残り1時間を切った。

午後の千駄ヶ谷

昼過ぎから空が明るくなり14時頃には青空も見えセミの声もうるさいほど。ほんの数時間ですっかり夏らしくなった。

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(雲はあるものの太陽が顔を見せる)

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(わずかに朝の雨の名残)

先手の受けVS後手の攻め

△8七桂より、▲9八香△9九桂成▲3五歩△4四銀▲2六銀△8九成桂▲同飛△3四桂と進んだ。

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森内名人の自陣には駒が11枚、特に二段目は9八香の1枚しかない。ここで△5五桂もありそうだったが、谷川は厳しく△3四桂と捨てた。▲同歩には△4六角▲同金△7八銀がある。よって▲6八玉△2六桂と玉を左に囲った。

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谷川陣は堅いので、名人が後手の攻めを受け止めきるかが焦点となる展開だろう。

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(将棋会館1階で売られている森内名人の扇子)

谷川九段、桂の放りこみ

谷川九段が△8七桂とただ捨ての桂を打ったところ、所司和晴七段も驚いた手だ。

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▲同飛と取ると△4六角▲同金△7八銀の飛車金両取りが狙いだ。▲8八飛△6七銀成は先手の居玉がとがめられた格好となる。

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観戦記は『週刊朝日』に掲載

富士通杯達人戦の対局の模様は週刊朝日に掲載されます。本局の模様は9月6日号と13日号に掲載される予定です。是非ご覧ください。

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(今週号の『週刊朝日』)

先手厚みVS後手堅さ

14時頃、48手目までの局面。森内名人の金銀が前へ進んでいった結果、4枚で囲っていたように見えた矢倉の構えは跡形もなくなった。

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少し戻って44手目まで、森内名人の手番。

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ここから名人は▲6七金△3三桂▲4七金と2枚の金を持ち上げた。意外な動きのようだが、前の記事の▲5五銀と出てからはお互いに妥当な進行だったようだ。以下は▲3五歩に後手の谷川九段がどう手を作っていくか。

厚みVS堅さの勝負になった。

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(所司和晴七段が中継室に来ている)

左銀で歩得

対局再開後、△1三角▲5五銀と進んだ。

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先手は左銀に8手費やし、ついに歩得の戦果をあげた。しかし5五銀は不安定な駒でもあり、例えば▲4六銀と引くと△3六歩▲2八銀△4六角と取られる。ということは後手に歩があれば△5四歩▲4六銀△3六歩で後手よしになるということ。後手からすれば攻める構想を立てたい局面だろうか。

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(△3三桂▲4六銀△3六歩となった参考図。後手の飛車角の利きが通り、どちらかの銀は取られてしまう)

昼食休憩中の対局者

昼食休憩中、12時50分には谷川九段が先に戻っていた。

12時53分頃、森内名人も着座し対局再開を待つ。

(対局再開直前の両対局者)

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(静かに盤を見る森内名人)

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(スーツの乱れを直す谷川九段。目線は盤に)

対局再開 △1三角

13時対局再開から、10分ほど考えて谷川九段は△1三角と上がった。

(考慮中の谷川九段)

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昼食休憩中の特別対局室

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(駒箱は盤の下)

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