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2012年5月

2012年5月 1日 (火)

花の季節

きょうの千駄ヶ谷は曇り。厚ぼったい雲が空を覆っている。しかし気温は高く、加藤九段が冷房をつけたのもうなずける。将棋会館隣の鳩森神社では、色とりどりの花が咲いていた。

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戦型は横歩取りに

1_30対局開始から30分と経たないうちに、すいすいと指し手が進んで図の局面になった。戦型は横歩取り。後手の高橋九段は横歩を取らせて指す後手番を得意にしていて、横歩を取る権利のある先手番を持ったときもあえて横歩を取らせることが多い。横歩取りでは、先手は歩得という実利を後ろ盾に、陣形を盛り上げていきゆっくりした展開を目指す。4筋または3筋に位を確保するのが序盤の指針だ。対する後手は、歩損の代償に手得している。低くて堅い陣形を頼みに、飛角桂を軽快に使って手を作るのが後手の方針だ。序盤で一方がはっきりと駒損する珍しい戦型だが、後手から主導権を握って動ける点は、他の戦型にない大きな魅力。「空中戦」とも呼ばれる華々しい戦いを堪能していただきたい。

対局開始

定刻の10時になり、記録係が対局開始を告げる。加藤九段はすぐに初手を着手。高橋九段はそれを見届けてからお茶を一口飲むと、気持ちを落ち着けるようにじっと目を閉じた。1、2分だっただろうか。しばらく間を置き、高橋九段が2手目を着手した。

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加藤流

振り駒が終わると、加藤九段は立ち上がって対局室の外に。どうも空調の設定を変えているようだ。戻ってきた加藤九段は記録係に「冷房を22度にしてください」と言って、再び着座した。

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振り駒まで

高橋九段は9時40分頃には対局室に入室していた。いつも早めに会館に来るのが、高橋九段の流儀だ。二人が揃うと、加藤九段が駒袋を開けててきぱきと駒を並べていく。記録係の梶浦宏孝二段(16歳、鈴木大介八段門下)が振り駒を行い、歩が3枚出て加藤九段が先手に決まった。

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加藤一二三九段-高橋道雄九段戦、本日10時より開始

第20回富士通杯達人戦は、本日からベスト4を決める2回戦が始まる。第1局は加藤一二三九段と高橋道雄九段の対戦だ。70歳を超えてなお現役、「神武以来の天才」と謳われた加藤九段と、50歳を超えた今もA級に在籍し第一線で戦う高橋九段の対局は、見応えのある一戦になるだろう。対局は東京・将棋会館にて10時より開始。インターネット中継は、棋譜・コメント入力を吟記者が、ブログを文が担当する。

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