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第20回富士通杯達人戦2回戦の▲羽生善治二冠-△桐山清澄九段戦は17時23分、85手で羽生二冠の勝ちとなりました。消費時間は羽生2時間47分、桐山2時間59分。羽生二冠は準決勝で谷川浩司九段と対戦します。
羽生二冠が着実に歩みを進めている。攻めを受け切る将棋ではないので後手もどこかで反撃に出なければいけないのだが、その手段が難しい。後手は貴重な大砲が5一で眠ったままだ。形勢は先手よし。
図は16時50分頃の局面。羽生二冠の▲6五桂(図)に対し、桐山九段が時間を使っている。持ち時間の残りは20分を切った。局面は終盤に入りつつある。ここからは指し手のペースが早くなってくるだろう。
(棋譜用紙。中盤で両者少考の応酬があった)
16時を過ぎ、晴れ間がのぞいてきた。明るい日差しのなか雨が降っているが、徐々に弱まってきている。
羽生二冠は手筋を使って後手陣の形を崩していく。▲2二歩(図)は△同金と取らせることで、金を玉から引き離しつつ壁形にさせる狙いだ。先手好調のようだが、△5五角が残っているので忙しい面もある。いかにうまく手をつなげられるかがポイントになるだろう。
羽生二冠が中段で大駒をさばくと、桐山九段は△8六歩(図)の手筋で応戦した。▲8六同歩と取らせることで、いつでも△8六飛~△3六飛のさばきが利くようになる。歩が潤滑剤の役割を果たしていることがよくわかる場面だ。 互いに歩が低い位置にあるので、歩をぶつけて駒を押し上げていくような、力の入った攻めは期待できない。技を駆使する必要がある。
富士通杯達人戦では、スタッフによるTwitterでの情報発信も行っている。ツイートでは羽生二冠の飲み物の話題など、将棋に詳しくなくても楽しめる情報が盛りだくさんだ。
羽生二冠は▲2四飛(図)と浮いた。羽生二冠らしいやわらかい感触の手だ。次に▲7四飛~▲7三角成を狙っているが、後手はこの防ぎ方が悩ましい。考えられるのは△6四角か△6四歩だが、後手にとっては玉のコビンを開ける味の悪い手になる。
東京では上空に暗い雲が垂れ込めてきた。遠くには小さな光も見える。雷が落ちているようだ。