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2011年5月

2011年5月12日 (木)

雨の千駄ヶ谷

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羽生名人と森九段に学ぶ

東京・将棋会館1階では、盤駒や扇子、上達のための書籍が販売されている。

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(『羽生の頭脳』。スタンダードな定跡がコンパクトにまとめられている。定跡書のひとつの基準)

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(終盤力を磨くための本。羽生名人の『羽生善治の終盤術』、森九段の『寄せが見える本』)

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羽生名人、仕掛ける

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図は13時50分頃の局面。角を手持ちにしてからじりじりと間合いの計り合いが続いていたが、羽生名人が△3五歩(図)と仕掛けた。間接的に飛車を攻める手で、▲3五同歩には△7三角と据えて次の△3六歩を狙うのだろうか。先手は現状で駒の配置があまりよくないので、後手の攻めに対応して局面を収めていく必要がありそうだ。

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(羽生名人と対峙する森九段。写真は昼の再開時のもの)

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対局再開

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休憩時の特別対局室

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(森九段の玉将。「玉龍作」と駒師の名が彫られている)

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(羽生名人の王将。「錦旗(きんき)」は駒の書体)

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昼食休憩に入る。再開は13時より

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12時10分、図の局面で森九段が25分使って昼食休憩に入った。ここまでの消費時間は▲森55分、△羽生55分とまったく同じ。昼食の注文は羽生名人がとろろせいろそば(ほそ島や)、森九段は注文なし。再開は13時から。

「形勢は別として、後手を持って指してみたいです」(野月浩貴七段)
「現局面は銀の逃げ方が悩ましいですね。▲5七銀だと飛車のこびんが空いているので角をラインに置かれるのが気になります。なので▲3七銀と逃げるのですかね」(阪口悟五段)
「最新形ながら既に前例のない力将棋ですね。余談ですがこの戦型、先日一門の研究会で室田女流初段に新手を教わって、有力なので感心しました」(杉本昌隆七段)

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(羽生名人の注文はとろろせいろそば)

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台風は消えて

今年初めて姿を現した台風1号は、12日3時頃に温帯低気圧へと変化した。まだその影響は残っているのだろうか、今日の千駄ヶ谷にはしとしとと雨が降っている。

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(新宿上空には厚い雲が立ち込めている)

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(鳩森神社の木々)

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(5月の指導対局ポスター。本局の解説に顔を出している片上六段のイラストも)

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戦型は中飛車、定跡の最前線へ

本局は初手から▲2六歩△3四歩▲7六歩△5四歩▲2五歩△5二飛と進み、戦型は「ゴキゲン中飛車」になった。

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羽生名人は△3二銀と、銀で3筋~2筋を支える。△3二金と比べると新しい指し方だ。さらに▲7八玉の瞬間に△5六歩と仕掛けて、本局は最先端の形へ進んだ。図では馬と角の取り合いに進んでいて、序盤から激しい展開になっている。最新形に挑戦しようという羽生名人の意志はもちろん、それを堂々と受けて立つ森九段の姿勢にも気迫が感じられる。「達人戦が『最新形』に進んでいるとは、驚きですね』と片上大輔六段。

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(頬に手を当てうつむく羽生名人。写真は対局開始前のもの)

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対局開始

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振り駒

記録係の菊地裕太三段(27歳、大島映二七段門下)が羽生名人の振り歩先(注・歩の枚数が多い場合羽生名人の先手となること)で振り駒を行う。結果はと金が3枚。森九段の先手となった。

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