両者は第24期(1983年)王位戦でもぶつかっており、内藤王位に高橋五段が挑むという構図。この時は高橋五段が4勝2敗で初タイトルを掴み取った。
内藤九段は「自在流」の異名を持ち、空中戦を得意とする。CM出演や歌手としての顔を持つ人気棋士。
高橋九段は2001年に将棋栄誉賞(通算六百勝達成)を受賞、内藤九段は2000年に特別将棋栄誉賞(通算千勝達成)を受賞している。どちらも達人と呼ぶにふさわしい実績を誇っている。(写真は両対局者の今朝の様子)
(吟)
▲7六歩△8四歩▲6八銀から上図の局面へ。矢倉戦かと思いきや…
10時35分の局面。内藤九段の飛車は3筋へ。内藤九段は陽動振り飛車を用いた。序盤早々達人ならではの駆け引きが繰り広げられている。
駒を並べ終え、振り駒も終わり、開始まで気息を整える両対局者。
初手▲7六歩を着手する高橋九段。
△8四歩を着手する内藤九段。ピンと伸びた指先が美しい。
高橋九段の3手目は▲6八銀。▲7六歩△8四歩▲6八銀とくれば矢倉戦を思わせる出だし。
内藤九段の入室を待つ高橋九段。
内藤九段が入室し、すぐに駒袋が開けられる。先輩の内藤九段が入室すると高橋九段はジャケットに袖を通した。
ピシッと小気味よい音を響かせ駒を並べる内藤九段。
記録係の伊藤和夫三段(剱持松二八段門下・22歳)が内藤九段の振り歩先で振り駒を行い、と金が3枚出て高橋九段の先手に決まった。
(開始前の高雄の間)
第19回富士通杯達人戦、内藤國雄九段-高橋道雄九段戦(非公式戦)は東京・将棋会館「高雄」の間にて10時より対局が開始されます。
本局は棋譜・コメント入力が文記者、本ブログを吟が担当致します。最後までお付き合いのほどよろしくお願い致します。
本局の模様は『週刊朝日』7月8日号・15日号に掲載される予定です。是非ご覧ください。
次回の対局中継は5月25日(水)、内藤國雄九段-高橋道雄九段戦をお送りします。こちらもご期待ください。
「△7五金(76手目)が入り、先手の飛車角が押さえられたのが大きかったと思います。▲4五歩(79手目)でなく▲4七同銀も△5六歩で困ります。序盤から乱戦で読みと読み、才能と才能がぶつかり合う面白い将棋でした」(杉本七段)
(ご観戦いただき、ありがとうございました)
(文)