15時10分頃の局面。谷川九段は飛車先の歩を突き捨てた後、△7四歩~△7三桂と着々と攻めの準備を整えています。後手の駒組みは飽和に達しており、ゆっくりしていると▲7五歩から桂頭を狙われる可能性があります。谷川九段はここで考えていますが、羽生二冠の金が4九で離れているうちに仕掛ける手を探っているのかもしれません。
谷川九段は銀冠を組み上げ、羽生二冠は金を玉に寄せていけば穴熊が完成します。囲い切ればお互い強い戦いができるようになります。そろそろ局面が打開されるのか、緊張の局面となっています。消費時間は▲羽生1時間21分、△谷川1時間42分(持ち時間各3時間)。
7月3日発売の将棋世界8月号が関西将棋会館では早くも販売2012年5月から発売されている『羽生流終盤の技法』森けい二(著) 羽生善治(監修)谷川九段の棋書『月下推敲』や『光速の寄せ』シリーズはサイン入り
対局再開後、羽生二冠は穴熊へ、谷川九段は美濃囲いから銀冠へ組みかえを狙ったところで、13時40分、羽生二冠が▲5五歩と仕掛けていきました。谷川九段の金銀の連結が離れた一瞬を狙った機敏な一着です。狙い筋として、△5五同歩なら▲4五歩△同歩▲5五銀△5四歩▲4四歩と銀をさばく攻めがあります。谷川九段が穴熊ではなく銀冠を目指したのは▲1五歩に呼応した動きで、後に△1四歩▲同歩△同銀と端の突き越しを逆用する狙いをみせています。
本局の観戦記は、『週刊朝日』8月10日号・8月24日合併号に掲載される予定です。是非ご覧ください。
発売中の『週刊朝日』7月6日号
13時となり、対局が再開されました。対局再開直前の対局室対局再開後、すぐに羽生二冠は▲5七銀を着手
昼食の注文は羽生二冠、谷川九段ともにロースかつのサービスランチ(イレブン)でした。
写真はロースかつのサービスランチ(対局者と同じメニュー)