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以上で本局の中継を終了いたします。御観戦いただきましてありがとうございました。
(勝った高橋九段。感想戦では笑みがこぼれていた)
(敗れた内藤九段。「9筋に2手掛けたのが緩かったかなー」と切り出していた)
(感想戦の様子)
▲高橋-△内藤戦は、111手で高橋九段の勝ちとなりました。
終局時刻は16時53分。消費時間は▲高橋2時間32分、△内藤2時間40分。勝った高橋九段は準決勝で羽生善治名人と対戦します。
図は16時35分頃の局面。高橋九段は7六の香を取って決めに出ています。本譜は△7六同銀成▲2三歩△3三銀▲5三馬△4二金打▲4五香(下図)と取った香で詰めろを掛けました。
高橋九段が面倒を見にいった手に対し、内藤九段は逃げ道封鎖とばかりに6九に金を打ちました。この手が△9七銀以下の詰めろになっており、一瞬ハッとさせられます。
しかし高橋九段は、▲7九金と慌てず騒がず応対。以下△同金▲同角△6七銀(下図)と内藤九段は絡みましたが、その手が詰めろになっておらず、先手にターンが回りました。
図は16時15分頃の局面。宮本四段は、「▲8五同銀と取っておく手もありそうですが、▲2三歩で受けがなさそうです」と先手の攻め合い一手勝ちを示唆。以下△3三銀打には▲2四飛が爽快な走りで、△同銀には▲2二金以下長手順の詰みがあります。
しかし本譜は▲8五同銀と高橋九段は面倒を見に行きました。「手堅いですね。もちろんこれでもよさそうです」と宮本四段は引き続き先手よしの見解を示しています。
(16時過ぎの棋士室。既に駒は片付けられていた)
図は16時頃の局面。高橋九段は香を飛車取りに打って時間を稼ぐと、▲5三角と王手金取りに角を打ち込み一転攻め合いを目指しました。宮本四段の見解は、「先手玉が寄りにくく、先手よし」というものです。
図は内藤九段が△9六香と走った局面。図のように7六と9六に香が並ぶ形も珍しいですが、対して7七と9七で桂によるブロックが行われているのも珍しく、この4枚の配置はこれまで公式戦で1局しか現れていない(先後逆で、1四香、3四香と1三桂、3三桂の形)形のようです。