■日本将棋連盟専務理事 谷川浩司九段
「今期は予選で羽生さんに完敗しました。以前優勝したときにノートパソコンをいただいたのですが、これは関西の棋士室に寄贈しまして、研究に役立ててもらっています」
■週刊朝日編集長 河畠大四様
「今回は注目していることが2つありまして、これまでに達人戦で連覇をした人というのは3人います。米長邦雄永世棋聖、中原誠十六世名人、谷川浩司九段です。これに羽生さんが続けるかどうか。2つ目は、現役の名人が達人戦を制覇するかということで、これは第1回の米長邦雄名人(当時)のときにありました。森内名人にそれができるか、これがもうひとつです。二人の対戦は今期の名人戦の再現でもあります。この決勝を『第8局』という位置づけでお楽しみいただければと思います」
(盤側の関係者。左から安食女流初段、黒沢三段、観戦記担当の村瀬記者)
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もう一方の山を勝ち抜いたのは達人戦初出場の森内名人。7月20日に行われた加藤一二三九段との対局は、図の局面で加藤九段が二手指し(△5七馬)をしてしまうという形で終局した。
【第20回富士通杯達人戦準決勝 ▲森内俊之名人-△加藤一二三九段】
http://live.shogi.or.jp/tatsujin/kifu/20/tatsujin201207200101.html
二人の公式戦の今年度成績は、森内名人が8勝6敗(0.571)、羽生二冠が 24勝8敗(0.750)。羽生二冠の成績は対戦相手にトップ棋士が多いなかでのものだけに、驚異的。対する森内名人の勝率は6割を切っており、タイトル保持者としてはやや物足りない感もある。しかし今期の名人戦では、羽生二冠の挑戦を退け堂々の防衛を果たしている。さて、本局はどのような結果になるだろうか?
第20回富士通杯達人戦(非公式戦)はいよいよ決勝戦を迎える。対戦するのは初出場の森内俊之名人と、前回優勝を果たした羽生善治二冠だ。決勝戦はこれまでのトーナメントとはルールを変え、持ち時間15分と早指しの勝負になる。持ち時間を使い切ると1手30秒の秒読みになり、1回1分の考慮時間が10回用意される。対局は有楽町朝日ホールでの公開対局だ。大盤解説は森下卓九段、聞き手は山田久美女流三段。棋譜読み上げは安食総子女流初段が行う。対局の模様は会場の大型スクリーンに映されるほか、「ニコニコ生放送」による中継も行われる。インターネット中継は棋譜・コメント入力を八雲記者が、ブログを文が担当する。