△7六桂の両取りにかまわず先手が▲9七香と歩を
取り払った局面。ここでは駒得も大きく▲7四歩のた
たきもキツイ。先手優勢と言えるだろう。
(吟)
6筋には先手の金・銀の鉄壁の防御壁が築かれている。
ならばと△9五歩▲同歩△9六歩と9筋から攻める後手。
なるほど、わざわざ6筋の固いところから迫る必要はない。
薄い端からこじ開けにいった。
先手は角と桂の交換で駒得だが、イヤミをつかれて、気
持ちの悪いことだろう。
(吟)
15時40分の局面、後手が△6一同銀と成桂を
払ったところ。先手が金・桂交換の駒得を果た
した。先手は▲1六歩と突いて後手に角の動き
を打診するか。
先手玉は堅く、桂をうまく捌(さば)いた印象を
受ける。
(吟)
△3三桂に▲4七飛と回った局面。▲3三桂成
△同金▲4四飛と切り込む手が生じている。以下
△同金▲3三角が先手の狙い。受けるなら△4二
飛か△4二歩だが、どちらも少し悔しい。「先手ペ
ースか」の声が聞こえる。
(吟)
△1二香に▲6七銀引と渋い応酬。▲6七銀引は
高橋九段好みの一着ではないかと控室。戦いな
がら金・銀を引き付け自陣を整えていく。
(吟)