2012年5月 7日 (月)

谷川浩司九段-内藤國雄九段戦、本日10時対局開始

Tanigawa Naitou

第20回富士通杯達人戦(非公式戦)。2回戦第2局は谷川浩司九段-内藤國雄九段戦をお送りいたします。
対局は5月7日(月)、関西将棋会館にて10時開始です。
本局は棋譜・コメント入力を淡記者、ブログを夏芽が担当いたします。
本日もよろしくお願いいたします。

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2012年5月 1日 (火)

感想戦

A級棋士を破り、「加藤一二三健在」をアピール。準決勝では、森内俊之名人-佐藤康光王将戦の勝者と戦う。

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終局直後

終局直後、加藤九段が席を立つ。一人残された高橋九段は厳しい表情。加藤九段が戻ってくると、一礼して静かに対局室を後にした。一人になった加藤九段は「ちょっとだけ、じゃあ、やりましょうか」と、盤側に声をかける。ほどなく立会人の高田六段がやってきて、「並べましょうか」と申し出る。「はい、じゃあ、ちょっとお願い」と加藤九段。高田六段が向かいに座り、感想戦の相手を務めることになった。

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加藤九段が熱戦制す

Tatsujin201205010101151

151手まで加藤九段が熱戦を制した。終局は17時41分、消費時間は▲加藤2時間58分、△高橋2時間36分。
△6四同歩は▲同竜で▲3二歩成で受けがない。両王手を受けるには△5一玉だが、▲3二歩成△4二金引なら▲同と以下の即詰み。▲3二歩成に△4二銀は▲4一と以下の即詰み。

迫力満点の攻め、先手盛り返す

1_127後手がリードを奪ったかに見えたが、加藤九段の怒涛の反撃が始まった。▲2五桂(図)がその第一弾で、玉頭の金に狙いをつけて厳しい。△4三金寄とよろけたが、続く▲3三飛が重戦車の主砲の如く強烈な打ち込みだ。以下△3二銀打▲3五飛成(下図)と進んだ。飛車を成り返った手が6筋の銀に当たっている。

1_1313筋をよく見ると、下段に今か今かと待ち構えていた香の姿が。次の▲2四桂が竜、馬、香をいっぺんに働かせて詰めろになり、これがおそろしく厳しい。後手はこの狙いが見えているにもかかわらず、受けが難しい。たとえば歩を補充する△5六銀は、▲2四桂ならそこで△3四歩と遮断できるが、バッサリ▲3二竜と切られるとそのまま寄せられてしまいそうだ。下段玉、歩切れといった条件が受けにくさに拍車をかけている。

最強の駒を攻めよ

1_11016時50分頃、局面が慌ただしく動き始めた。高橋九段は竜を中段に展開し、△6五銀(図)と中央一帯を制圧。盤上で最も働いている駒を攻めよ、は中終盤で間違いの少ない指針だ。ここから▲7七馬△7六歩▲9九馬△7七銀と進み、後手は前へ前へぐいぐいと押し込んでいく。馬の力が消えると、先手は急に心細くなった感がある。形勢は後手に傾いてきたようだ。

第2ラウンド

1_91加藤九段は▲3九香(図)と防壁を築き、後手の竜をシャットアウトした。互いの玉に寄り筋がなくなり、ここから再度作戦を練り直すことになりそうだ。第2ラウンドの開始である。駒割は後手の銀香得だが、歩切れであること、8筋の飛車が働いていないため、形勢は難しい。この局面で、加藤九段は持ち時間が残り6分。対する高橋九段は58分残していて、時間では後手有利だろうか。しかし加藤九段は「1分将棋の神様」の異名を持つ、早見え早指しで鳴らす棋士。今後の展開がどうなるのか、まだまだ予想がつかない。

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