第22回1回戦

2014年6月 5日 (木)

終局直後の様子

Img_2130終局後は、すぐに感想戦が始まっている。

Img_2136勝った森内竜王は準決勝に進出した。

Img_2137敗れた加藤九段。

Img_2149感想戦は終始なごやかに行われている。

森内竜王が準決勝へ

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77手で森内竜王が制して準決勝進出を決めた。終局は16時38分、消費時間は▲森内2時間9分、△加藤2時間59分。

先手優勢

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再度の攻めに転じた後手でしたが、森内竜王の手厚い受けの前に飛車を撤退。図の飛金両取りの桂が厳しく、形勢ははっきり先手が良くなったようです。

加藤九段、再び攻めに転じる

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図の2手前に後手が放った△4三銀打が「鍛えの入った受け」と関六段。対して森内竜王は▲8八馬と手厚く引いて受けに回りました。瞬間的に自玉を堅くして手番を握った加藤九段は、△5九角と反撃に転じています。次に△7七歩が入れば後手の攻めも相当な迫力。先手もここは重要な局面になりそうです。

強く受けるなら▲7六銀が考えられます。以下△6九飛成には▲6八金打と強い受けを続けて後手の攻めを切らせる方針です。

森内竜王、反撃に出る

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15時40分過ぎの局面。
森内竜王の▲8八角に対して、加藤九段は△4四歩▲同角と手筋で近づけてから△3三金と強く受けました。対して森内竜王は角を逃げずに▲2四歩。互いに強い手の応酬で、局面は一気に激しくなっています。

「森内竜王の鋭い反撃で、完全に攻守逆転しました。もう後手に攻める番が回ってこない恐れもありそうです。手の調子がはっきり良く、先手有望と思います。変化例としては、△2三同金は▲1一角成、△4四金は▲2二角~▲4四角成が絶好です」(関浩六段)

加藤九段、長考

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前図▲6七銀の局面で、加藤九段の長考が続いています。中継室で予想されている次の一手は△6五飛。対して▲6六歩なら△7五飛と飛車を活用します。△6五飛に▲8三角が気になります。以下△6二飛には▲5五角が厳しい狙い。しかし▲8三角には飛車を逃げずに△6六歩(参考1図)の攻め合いが成立します。以下▲7六銀には△6七銀▲6五銀△7八銀成▲同飛△6七歩成(参考2図)で、食いつけます。このような展開になると後手玉の堅さが生きてきます。

15時5分頃、加藤九段は1時間5分の長考で△6五飛と引きました。加藤九段の残り時間は22分です。

将棋会館・売店

Img_2118将棋会館1階の売店。盤・駒や棋書が販売されている。

Img_2116森内竜王を特集したマイナビムック。

Img_2121こちらは加藤九段の特集号。

Img_2124森内竜王の扇子。

Img_2126加藤九段の扇子。

加藤九段、猛攻

47図は14時頃の局面。
加藤九段は角金交換の強襲を仕掛けました。対して森内竜王はガッチリと銀を受けています。本日東京の対局立会人を務める関浩六段は、「後手の攻めがうまくいく感じがしないですが、加藤九段は何を用意しているんでしょうかね」と言っています。早くも勝負どころを迎えているようです。

Img_2102強襲を仕掛けた加藤九段。攻めを続ける秘策はあるか。

7筋の突き捨て

3813時20分過ぎ、森内竜王は再開の一手に▲7五同歩を着手。以下△8八角成▲同玉△3三角と進んでいます。突き捨てを入れずに単に角交換から△3三角の前例はいくつか存在します。7筋の突き捨てが入ったことで、後手は攻め幅が広がりましたが、指し過ぎになる恐れもあり、一概に有利ともいえません。今後の進行で、突き捨てが生きるかどうかがポイントになりそうです。

Img_2047森内竜王は、しっかり時間を使って堂々と▲7五同歩と応じた。

本局の使用駒

本局で使用されている駒は「美水作・水無瀬書」。
美水は、駒師・宮松影水の妻で、加藤九段が特に気に入っている駒とのことです。

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