2016年4月10日 (日)

記者会見

Dsc_0700(18時から記者会見が行われた。左からPONANZA開発者の下山さんと山本さん。山崎叡王、日本将棋連盟専務理事・青野九段、立会人の佐藤秀司七段)

■記者会見

山本 勝ててすごくうれしいです。

下山 今回のPONANZAは序盤が怪しいという噂を聞いていたのですが、本局は無難に指してくれたのかなと思います。安心しました。

山崎 途中の選択で苦しくしてしまい、その後チャンスを得られなかったということで、完敗だったと思います。

佐藤秀 2日間精いっぱい戦われました山崎叡王、開発者の山本さま、下山さまに敬意を表したいと思います。今回、山崎叡王は2日制の対局は初めてで、不安もあったと思いますが、しっかりと準備をされました。内容は不満があるとのことですが、次は修正して臨んでいただけるのではないかと思います。

青野 ニコニコ生放送をご覧になった全国の皆さま、解説会場に足を運んでくださった皆さまに御礼を申し上げます。今日、コンピュータにプロ棋士が勝つのは容易ではないレベルで、注目していたのですが、今回は山崎叡王のあまりいいところのない将棋になりました。我々はこの電王戦を通じて、人間の持つ大局観、創造力がいかに素晴らしいものか宣伝しながら将棋を広めていきたいという思いがあります。第2局は勝敗を度外視して、プロ棋士の素晴らしさを見せてほしい。両者の健闘を期待して、第2局に注目していきたいと思っています。

山崎 選びたくなかった戦型で、ひとつ違うと経験が生きない形でした。飛車を打つ(△2五飛)か戦いを収める(△4四歩)か、という重要な局面で、第一感は後者でしたが、迷っているうちに「強い手で戦わなければ」という考えになってしまい、人間の得意分野である大局観が生かせませんでした。PONANZAが強いという意識、弱気ではダメだという意識があり、自分の判断を信じることができなかった。それが敗因になったと思います。

Dsc_0731 (質疑応答で答える山崎叡王)

Dsc_0741 (記者会見のあとは、3日間夕食会会場になった食事処に移動。電王戦で中尊寺を訪れた棋士が色紙にサインをしてお店にプレゼント)

本日はご観戦ありがとうございました。第2局をお楽しみに。

(書き起こし・文、写真・吟)