最初に出演者それぞれが【対局を終えた感想】を述べました。
◆PONANZA開発者・下山晃さん
「本局は後手ということもあって、序盤のほうは評価値もマイナスの値が出ていましたけど、そのあとは着実に指していけたのでよかったと思います」
◆PONANZA開発者・山本一成さん
「コンピュータが名人に勝つという、ひと昔前では信じられないことを達成できました。人工知能はこんなことができる、あるいはまだまだいろんなことができる、というところが見せられたのではないかと思います」
◆佐藤天彦叡王
序盤は対PONANZA戦ということを考えるとよい部類だった、よい面もあったかなと思いますけど、それからPONANZAの力強い指し方に徐々に押されていってしまって、最後は負けという結果になってしまいまして残念です。
◆立会人・東和男八段
「この第2局は佐藤叡王が序盤から指しやすいという、ほかの検討している棋士も同じ感覚でしたけど、現代将棋の最先端の感覚であります穴熊に組みまして、十分な態勢であったと思いますけど、そこからなかなか勝たせてもらえなかったというところです。また序盤の△5一銀という人間にとって抵抗のある指し手から、さらに△1五歩と端歩を伸ばして。今回の対局はコンピュータのほうに懐の広さを感じた一局ではないかと思います」
◆日本将棋連盟会長・佐藤康光九段
「先手の佐藤叡王がうまく主導権を握っている展開に見えました。コンピュータ将棋は終盤が正確で間違えないという印象が強いと思います。ただ本局に関しまして私が強く印象に残りましたのは、駒のぶつかるまでのバランスの取り方です。具体例ですと「角交換に5筋は突くな」に反した△5四歩、また大駒は遠くから利いたほうがよいケースが多い中での△6二飛、ところがその2手を指すことによって戦機をつかんで優勢に持っていったということで。そのあたりの、戦いが始まるまでの間合いが非常に素晴らしかったのかなという印象を持ちました。佐藤叡王も力を出せる展開だったと思いますが、そこを封じたPONANZAの強さを目の当たりにしたのかなという気が致します」
(書き起こし:虹記者/写真:夏芽)