―― PONANZAの初手▲3八金は想定されていたのでしょうか。
佐藤 数ある初手の中のひとつとして、1手目はランダムですので、把握はしていました。
―― 中盤以降、徐々に苦しくなっていくような展開だったと思うのですが、一局を振り返ってどうでしたか。
佐藤 序盤から駒組みが難しい将棋で、中盤に入って、こちらにも手段があってもおかしくないと思っていました。具体的な攻めがうまくいかなかった感じです。
―― PONANZAと初めて戦ってみた印象はどうでしたか。
佐藤 もの凄く正確といいますか、実際にあい対して、読みが入っているなと。こちらからPONANZAの手を予想できることもあるのですが、そうでないこともありました。そういった手もなるほどなと思わされる手がありました。
―― タイトル保持者として、初めてソフトに負けてしまったわけですが。
佐藤 タイトルホルダーとして戦うということで、ファンのみなさまに応援や期待をいただいていたのですが、結果が出せなくて残念です。
―― 5月に第2局があります。抱負をお願いします。
佐藤 第2局はこちらが先手番になるということですが、今回同様、PONANZAは強いソフトなので、また大変な戦いが予想されますが、自分の中では勝算があると思っています。しっかり頑張って戦っていきたいと思います。
―― 一局を振り返ってPONANZAの戦いぶりはいかがでしたか。
山本 初手はランダムに設定していて、およそ20程度用意していました。今回はたまたま▲3八金でした。ちょっと普通の将棋と違うことを勉強している効果が出たのかなと思います。
―― ソフトが初めてタイトル保持者に勝ったご感想を。
山本 二番勝負なので、これで勝ったというのはちょっと、いまの段階では。叡王・名人に勝てたのは、日本の情報科学において長年の目標だったので、非常に光栄なことです。
(吟)