対局から一夜明け、改めて藤井聡太新竜王は会見に臨みました。
(まずは篠﨑圭二・宇部市長から花束が渡され、記念撮影に応じる)
(現地では入手困難となった読売新聞の号外を手に)(カメラサービスのあとに一夜明け会見)
―昨夜は実感がないとのことだったが、一夜明けてみて
藤井 そんなに実感はありませんが、先ほど初めて竜王の肩書で色紙を書いて、そういったことで実感が徐々に出てくるかなという気がしています。
―昨夜はどのようなお祝いのメッセージが届いたか、いつ寝ていつ起きたか
藤井 家族と電話で話をして「おめでとう」と言ってもらいました。また、師匠とも少しお会いして声をおかけいただきました。寝たのは結構遅くなってしまって午前2時頃に寝て、8時頃に起きました。
―竜王になって何か変わった景色が見えたか
藤井 肩書など環境とは別に、まだ局面に対する理解力をつけることもあると思うので、その意味でそういう景色を目指していきたいと思っています。
―シリーズを戦って
藤井 構想のあたりで上回られてしまう対局が多かったので、勉強になりました。これからもそこを自分の課題と捉えていきたいと思っています。
藤井 昇龍はもちろん、竜王戦だからでもあるのですが、竜が空に勢いよく昇っていくさまを示すので、そのように上を向いて志していけるようにという意味を籠めました。
―宇部ラーメンは食べたか
藤井 おとといの夕食でいただくことができました。まことにおいしかったです。
―どんな味だったか
藤井 食べる前からとんこつの匂いが漂ってくるようなものでしたが、食べてみると思ったよりも食べやすく、ぺろりと完食しました。
以上で第34期竜王戦の中継を終了します。ご観戦ありがとうございました。
]]>感想戦終了後、藤井聡太新竜王の記者会見が行われました。
(会見に先立ち、対局場のANAクラウンプラザホテル宇部から花束贈呈)
(マスクを取っての記念撮影。記者会見は常時マスク着用で答える)
―竜王を獲得した感想を改めて
藤井 まだ実感が湧かないところがありますが、最高峰のタイトルですので、とても光栄に思っています。
―今年、豊島前竜王と王位、叡王、竜王と3つのタイトルを争い、すべて勝った
藤井 全体を通して対局が多かったので、結果がよかったことはとても幸運に感じています。
―序列1位になり、これからの目標について
藤井 竜王を獲得できて重みを感じますし、それにふさわしい精進をしていければと思っています。これまでと変わりなく、強くなることを目標に据えて取り組んでいければと思います。
―自身の節目となる序列トップの印象は
藤井 それについては意識したことはなかったのですが、身の引き締まる思いです。
―お~いお茶杯王位戦、叡王戦と豊島前竜王との連戦で得られたものがあれば
藤井 豊島さんはこちらが気づいていない好手を指されることが結構多かったので、自分の課題を突きつけられたと同時にとても勉強になったと感じています。
―本日は師匠である杉本昌隆八段の誕生日。気づいていたか
藤井 知らなかったのですが、初めてプレゼントらしいことができたかと思います。
―四冠獲得で一強の声もあるが
藤井 よい結果になっていますが、内容的に課題が多いですし、自分としてはそういう印象はないうえに常に危機感を持ってやっています。
―賞金4,400万円の使い方について
藤井 それはまったく。ゆっくり考えられれば。
―昨年と比べて強くなった実感はあるか、あれば具体的な点は?
藤井 今年は特に序盤について重点的に取り組んでいるので、そのあたりで成長できたかと感じています。
―104手目△8七飛成に対し、豊島前竜王が長考している間に考えたことは?
藤井 飛車を成ったところは自分が勝つのは厳しいと見ていたのですが、自玉が詰むのか詰まないか、そういった希望もあるので、負けを読みきっていたわけではありません。
―分からなかった?
藤井 こちらが負ける変化が多いとは思ったのですが、先手はどの変化がいいのかまでは分かっていませんでした。
―実力が足りないと思う点?
藤井 実力が足りないというのは1局指すごとに感じることで、1局指すごとにまったく分からない局面があるので、そういうところを減らしていかないといけないと感じています。
―藤井竜王にとって将棋とは一言で
藤井 どれだけ考えても分からず、指すごとに新しい発見を与えてくれるものかと思います。
―カメラに向けて一言
藤井 観戦していただいてありがとうございます。終盤、苦しい局面が多かったので、まだ実感が湧かないのですが、今後、竜王としてこれまで以上に精進して、より精度の高い将棋をお見せできるようにしたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。
]]>以下は終局後インタビューの質疑応答です。
―本局を振り返って
藤井 中盤はずっと難しいと思って指していたのですが、▲3九飛(81手目)から角交換になったあとに△4四角(84手目)としたのがよくなくて、それからは苦しいかと思って指していました。
―終盤に入ったあたりの形勢は?
藤井 先手からの攻めが多いので、どう指されるか怖かったです。相手の玉を薄くして嫌みをつけるしかないと思っていました。
―100手目△7七桂成の考慮中に何か誤算があった?
藤井 △4四角と打ってからは自信がないかと思っています。
―勝ちになったところは?
藤井 最後、△3四桂(118手目)と打って、恐れずに攻められる形なのかと思いました。(あくまでも控えめにインタビューに答える藤井新竜王)
―竜王戴冠について
藤井 まだまったく実感はありませんが、最高峰のタイトルなので光栄に思いますし、それに見合う実力をつけたいと思います。
―竜王獲得で席次1位ならびに四冠について
藤井 今期はここまで結果をよく出せていますが、内容的にはうまくないように思うので、そのあたりを今後、改善していけたらと思います。
―四冠の最年少記録について
藤井 それについてはまったく実感がないというのが正直なところですね。
―今シリーズ、豊島前竜王と戦って
藤井 中盤でこちらが浮かばない手を指される方で、自分のそうした足りないところを感じたシリーズでした。
―本局を振り返って
豊島 1日目の▲2九飛(63手目)と引くあたりまでは互角なのかと思ったのですが、封じ手のあたりは自信がなくなってしまいました。そのあとは結構際どいのですが、自信がある順が見つかりませんでした。
―形勢がよくなった瞬間はあった?
豊島 よくなっていたのですか? いや、あまりなかったのですが。確かに、どこかで読み抜けているのかもしれませんが、基本的に自信がないような気がしていました。(豊島前竜王は気持ちに整理をつけたか、しっかりと答えていた)
―シリーズを振り返って
豊島 先手番で作戦がうまくいかなかったのと、後手番のときはまずまずの局面は作れたと思うのですが、中盤から終盤のあたりで力負けしてしまったかと思います。
―来期は1組からとなるが?
豊島 竜王戦もそうですが、(いずれも藤井戦だった、お~いお茶杯)王位戦や叡王戦もあわせて実力不足を痛感したので、実力をつけていかないといけないと思います。
]]>第34期竜王戦七番勝負第4局は、122手で藤井三冠が勝ちました。終局時刻は18時41分。消費時間は▲豊島竜王7時間30分、△藤井三冠7時間55分。
この結果、七番勝負は藤井三冠が4連勝で竜王を奪取。史上最年少(19歳3ヵ月)で四冠を達成し、序列1位の座に着きました。
先手玉は詰みがありそうと見られ、たとえ詰みがなくても後手玉が安泰になる順があり、一気に後手勝勢になりました。
]]>豊島竜王は1時間39分の長考で▲4三桂成と銀を取りました。△4三同玉▲5五桂△同角で分岐点を迎え、自然な▲5五同銀ではなく▲3五桂と打っています。▲5五同銀も△5六桂から攻められる変化が非常に難解で、控室でも結論は出ていません。
本譜は先手玉が上部に逃げていく際に寄せられづらくなる効果がありますが、飛車の利きを止めて△5二玉と広いほうに逃がす感触で、控室では指しにくいと見られていました。さらに下図までパタパタと進んでいます。
]]>局面が進まないなか、ABEMAのマルチアングル放送(ペイパービュー)に出演の棋士が続々と控室に顔を出しました。
(杉本昌隆八段は本日が53歳の誕生日。言わずと知れた藤井三冠の師匠)
おまけのショットも1枚。昨日、ときわ公園で偶然撮影できたもの。
]]>局面は終盤に入ってきました。豊島竜王は図の局面で1時間に達する長考に沈んでいます。
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