両者はYouTube動画でファンに挨拶してから、対局室に戻って感想戦が始まった。
以上で第49期五番勝負の中継を終わります。
ご観戦誠にありがとうございました。
(八雲)
終局直後の様子。
【西山新女流名人の談話】
――本局を振り返って、どのような対局だったでしょうか。
「こちらから玉頭での戦いに挑みまして。細い攻めだと思ったのですが、途中難しいかなと思っていました」
――序盤の作戦はいかがだったでしょうか。
「1歩得になったところは自信があるのかなと思っていたのですけど。考えてみると結構、(56手目の局面などで)△8七金とかもあって、手の組み合わせが難しいかなと思っていました」
――昼食休憩後、▲2五金(51手目)と金で攻めて行ったあたりはいかがだったでしょうか。
「攻めていくとしたらこういう感じなのかなと思っていました。ただ、自分の方の玉が結構薄いので、反動が厳しいかなと思っていました」
――2筋の攻防で強気な攻めが見られましたが、あのあたりはどういう考えで指されていましたか。
「△2二角(56手目)と引かれたところで、△8七金が結構厳しいことに気づいて。ちょっとまっとうに攻めたのでは厳しいかなと思って▲1五歩としました。予定変更ではあったので、その辺りはギリギリかなと思っていました」
――終盤は一進一退の攻防だったと思いますが、難しいと思った局面はありますか。
「△5五歩(108手目)と止められたあたりは結構難解なのかなと。形勢がちょっとわかっていなかったです」
――よくなったと思ったのはどのあたりでしょうか。
「▲3二歩成(131手目)と守りの金を外したところで、手になっていそうかなと思っていました」
――最終盤はどのような想いで指されていましたか。
「結構苦しいなと思っていた局面もあったので……でも、大きなミスをするとすぐ負けになってしまうので、そこは気を付けてやりました」
――初の挑戦で女流名人となられました。いまのお気持ちを聞かせてください。
「結果はなんとか幸いしましたが、内容はよくないところもあったかなと思いますので、そこは反省して、今後も頑張りたいなと思います」
――女流三冠に返り咲いて、今後の抱負を聞かせてください。
「目の前の1局1局を大事に今後もやっていきたいなと思っています」
【伊藤前女流名人の談話】
――本局を振り返っていかがでしたか。
「先手から仕掛けられたので、それに対応していくような展開になったかなと思います」
――序盤戦はどのように感じていましたか。
「難しいかなと感じていました」
――▲8六同歩(45手目)で昼食休憩に入りましたが、このあたりはいかがでしたか。
「駒がぶつかったところなので、慎重に読みを入れていたという感じです」
――終盤、▲4一馬(123手目)に△2一銀と引いたあたりの形勢判断はいかがでしたか。
「しっかりと指せれば難しいかな、ぐらいはあるんじゃないかなとも思ったのですけど。やっぱりちょっと上が開けるまで時間がかかるので。なかなか先手玉のほうに迫る手も難しそうかなという感じで。本譜はうまく指されたなという感じです」
――最終盤はどのような思いで指されていましたか。
「どこかでこちらが間違えてしまったような感じがしていたので。もうちょっとこう、自玉が見えなくなる手を探したかったですけど、ちょっと私には見えなかったです」
――今シリーズを振り返っていかがでしたか。
「全部対抗形の将棋になって。自分なりにいろいろと頑張ってきたつもりではあるのですけど。中盤以降に課題が残る将棋が多くなってしまって。その辺りが反省です。西山さんと4局指せたので、それはとても、自分にとっては大きい経験になったかなと思います」
――女流名人というものを背負っての1年間はどのような1年でしたか。
「獲ってみないとなかなか味わえない経験を1年間させていただいたので、とても感謝しています。1年で失ってしまうのは悔しいといえば悔しいのですけど、自分なりに一生懸命やった結果ですので、しっかりと受け止めて、また前を向いて歩いていきたいかなと思います」
――来期はリーグから挑戦となりますが、来期に向けての想いを聞かせてください。
「リーグ戦なので、1局1局の積み重ねですので。自分の力を出し切れるような将棋を指せたらなと思っています」
(八雲)
この局面で伊藤女流名人が投了し、西山女王・女流王将の勝ちとなりました。終局時刻は18時6分。消費時間は、▲西山2時間45分、△伊藤2時間56分。この結果、シリーズ成績を3勝1敗とし、西山女王・女流王将が初の女流名人を獲得しました。
(生姜)
]]>時刻は17時を回りました。
局面は激戦が続いています。一時は互いの玉が上部脱出を目指すような展開も見えましたが、ここにきて寄せ合いでの決着に向かって動き出しました。どちらが勝っているのか。検討陣もまだ結論を出していません。
時刻は16時を回りました。
盤上は西山女王・女流王将の攻め、伊藤女流名人の受けの図式で進んでいます。お互いの持ち味が存分に発揮される展開で、優劣不明の戦いが続いています。
時刻は15時を回りました。
西山女王・女流王将は自陣のキズを恐れず1筋を絡めて激しく攻め込みました。ただし、相手に歩を渡したため、図の△3六歩が厳しい反撃で、優劣不明の攻め合いに進んでいます。肉を切らせて骨を断つ、を実践するのは果たしてどちらでしょうか。
時刻は14時を回りました。先手が調子よく攻めていますが、この局面で西山女王・女流王将が手を止めています。図から、勢いとしては▲3五銀と出たいところですが、△8七金から角を取られると△5七角の狙いが生じるため怖いところです。検討陣は「△2二角と引かされて後手がつらいように見えたが意外に難しい」と現局面を評しています。指し手としては▲3五銀に代えて▲3五銀打や▲3六銀、▲2七銀打のような手も候補に挙げています。単純に攻め込むだけではよくならない局面。攻防のセンスが問われます。
]]>将棋会館隣の鳩森八幡神社を散策しました。
]]>対局再開時に両者に飲み物が出されています。注文は西山女王・女流王将が「桜オレ~わらび餅~、ホットカフェラテ」、伊藤女流名人が「ホットカフェラテ、ホット宇治抹茶ラテ」。
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