第50期決勝三番勝負第3局 Feed

2019年10月28日 (月)

感想戦の様子

Img_7992 インタビューのあと、感想戦が始まりました。

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以上で第50期新人王戦決勝三番勝負の中継を終わります。
ご観戦誠にありがとうございました。

(八雲)

終局直後の様子

Img_7967 終局直後、両者にインタビューが行われました。

Img_7923 新人王戦に初優勝した高野智史四段。

【高野智四段の談話】
――対局を振り返っていかがでしたか。
「ちょっと自信がないのかと思っていたのですが、具体的にどう悪くなるかはわからなかったので。でも受ける展開になって、自分らしさみたいなものが出せたのかなと思います」

――△2二歩(62手目)で、いったん局面が収まりましたが、その辺りでは形勢をどう見ていましたか。
「できればあの変化は選びたくなかったので、何か(別の手段は)ないかと探したのですが、見つからなかったのでしょうがないかなという感じでした。ただ、形は凄く悪いのですが、一周して読んで見ると、こちらがすぐ悪くなる変化は見えなかったので」

――形勢が良くなったと思ったのは、どのあたりですか。
「最後の方の△5六歩(82手目)と合わせたところは、やっと攻めのターンが回ってきて、ちょっとやれるのかなと思いました」

――師匠の木村一基九段が王位を獲得された直後でしたが、そのあたりは何かいい影響がありましたか。
「師匠も新人王を獲られていますので、今年こそはという思いがあったのですが、(師匠が)王位を獲られて、自分も頑張らなければいけないという思いが常にありました。その中で、一つ結果を出すことができて、大変嬉しく思います」

Img_7951 増田康宏六段は3度目の優勝を果たせず。

【増田康六段の談話】
――今日の将棋はいかがでしたか。
「序盤はちょっとうまく行っているのかなと思ったのですが、第2局目と同じで優勢になる変化が見つけられなくて、負けてしまったという感じでした」

――工夫した指し回しだったと思いますが、そのあたりは研究した作戦でしたか。
「そうですね。雁木が予定の作戦だったのですが、本譜は▲5六銀左(35手目)が珍しい形なのですが有力かなと思っていて。作戦としてはうまくいっていたのかなと思います」

――どのあたりが想定外でしたか。
「△2二歩(62手目)と打たれた局面で。あそこは角が5五でいい位置にいるので、悪くないのかなと思っていたのですが、むしろかなり大変で。そこから厚みを作られて負けてしまいました。あそこでもっといい手順があったのかどうか、という感じですね」

――3度目の優勝を逃したという点はいかがですか。
「優勝はしたかったのですが、相手にうまくやられてしまったのかなという感じがします」

(八雲)

高野智史四段が初優勝

Shinjin20191028010198この局面で増田康六段が投了しました。終局時刻は17時35分。消費時間は、▲増田2時間59分、△高野2時間56分。高野智四段が初優勝を決めました。

(紋蛇)

後手勝勢に

91時刻は17時30分を回りました。一手違いの終盤戦が続いていますが、プロの見立てでは、後手の勝ち筋が見えてきたと言われています。高野四段が初優勝に近づいています。

(八雲)

後手有利の終盤戦

77時刻は17時を回りました。▲3三銀まで、残り時間は▲増田7分、△高野12分。
局面はいよいよ寄せ合いに突入しています。控室の検討では、ギリギリの一手違いながら後手勝ちとなる結論が多くなっています。変化が多岐に亘るため結論が出たわけではありませんが、後手が勝ちやすい将棋になっていることは間違いないようです。

Img_7905 控室には勝又清和六段が加わり、鈴木九段も戻って終盤の検討が行われている。

(八雲)

予断を許さない勝負

62図は16時頃の局面。控室では当初▲7二銀が予想されていました。対して(1)△9三飛なら▲6六角△6五桂▲8五桂△9二飛▲8三銀不成(下図)で先手好調と見られていました。

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しかし、飛車を見捨てて(2)△5四銀の強手がありました。以下▲8三銀成△5五銀▲7三成銀に△4六銀(下図)で後手優勢と結論。従って▲7二銀は成立しないとされました。

262手目の図に戻って、増田六段が選んだのは▲2九飛と引く手。この手も控室で検討されていましたが、△5四銀で後手好調と見られていました。実戦も△5四銀と進み、以下▲4六角のぶつけに△2三歩が味のいい手です。先手は▲3五歩と突きましたが、△4五銀▲5五角△4四銀(下図)で後手好調というのが控室の見解でした。

70ただ、実際にそこまで進んでみると、△4四銀に▲6六角や▲8八角と引いておけば、次に▲4六歩と修復する手を見て、後手も忙しいと見解が変わっています。指し手が進むごとに検討陣の見解も変わる難解な将棋。両者ともに力を出しており、形勢は予断を許しません。

(八雲)

勝負どころが続く

51図は15時頃の局面。
ここで△8三飛は▲4五歩△5五銀▲同銀△同歩▲同角△2二歩の局面で「先手に手段が多い」と阿部光六段。そのため、後手としては△7六飛と踏み込んでみたい局面だといいます。そこで先手の応手も広いのですが、(1)▲6七銀△7五飛▲7七桂△6五桂▲同桂△同飛▲7六銀に△2八歩はやや先手自信なし。(2)少しひねって▲6八金右(次に▲7七金直△7五飛▲8六金で飛車を取る狙い)△7五飛(飛車を取られないようにする手)▲6六角△8五飛▲4五歩は先手やれるかもしれないといいます。いずれにしろ、ここは勝負どころです。
「△7六飛に▲6八金右は先手玉が広くなる意味もあるので好感触ですね。(2)の順は有力かもしれません」(阿部光六段)

Img_7900 15時20分過ぎ、控室に千葉幸生七段が来訪し、検討に参加している。

Img_7902 同じころ渡辺弥生女流初段も来訪し、継ぎ盤が賑やかになっている。

(八雲)

おやつ

14時30分頃、対局者に「かぼちゃのタルトと紅茶」が運ばれました。

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(八雲)

勝負どころ

4413時45分頃、後手が8筋の歩交換に出ました。「▲8七歩と打てば穏やかですが、先手としては少し面白くない感じがします」と阿部光六段。先手が動く順としては▲2四歩が考えられるとのこと。以下△同歩は▲2五歩の継ぎ歩で先手不満なし。△2四同角には▲4五歩△3三銀と銀を追い返してどうか。他にも▲7五歩や▲4五銀△同銀▲9七角と動く順も考えられるといいます。
「ここは先手にとって勝負どころだと思います。いろいろな手の組み合わせが考えられるので、じっくり読んでみたいですね」(阿部光六段)

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高野四段に縁のある将棋連盟埼玉支部からの差し入れ。北浦和の人気店「アカシエ」の洋菓子だ。

(八雲)

秋晴れの千駄ヶ谷

Img_7802 本日の千駄ヶ谷は秋晴れの上天気。将棋会館隣の鳩森八幡神社には、参拝がてらに散歩やひなたぼっこを楽しむ人がいた。

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Img_7810 今週は「東京文化財ウィーク」の開催週。鳩森八幡神社の「千駄ヶ谷の富士塚」は都指定の有形民俗文化財で、文化財ウィークの公開文化財として紹介されている。

(八雲)