第42期決勝三番勝負第1局 Feed

2011年10月 5日 (水)

14時頃の局面

20111005st62zu
35分考えた豊島六段は△5五桂は打たずに単に△4五桂と取りました。以下▲同歩△9五桂▲7七金△6四角までパタパタと進んでいます。図の一手前▲7七金の局面までの消費時間は▲佐藤1時間41分、△豊島1時間2分。△6四角の一手も1分前後で指されています。

「現局面から▲9六歩は△3七歩成▲同歩△同飛成(参考図)が厳しいですね。ここまで進むと先手が相当苦しいでしょう。どうするのでしょうか、ここでうまい手がないと後手がよくなりそうです」(鈴木八段)

20111005sankou1410

(八雲)

本局の使用駒

本局の使用駒は「秀峰作・錦旗書」。

081_2
(佐藤六段側の王将。「錦旗」と書かれている)

083_3
(豊島六段側の玉将。「秀峰作」と書かれている)

(八雲)

先手が気をつかう展開

20111005st57zu
図は13時30分頃の局面。豊島六段が考えています。

鈴木八段の予想は△5五桂。以下検討の一例は▲5八玉△4五桂▲同歩に△5三角(参考図)。「(参考図から)▲2八飛とかわすと△6四角と出て受け方が難しいですね。(▲2八飛に代えて)▲2七飛で耐えているのでしょうか。しばらくは先手が怖い局面が続きそうです。ただ(参考図は)先手も▲4六桂と打つ狙いがあるので後手も忙しいです」(鈴木八段)

20111005sankou1330

20111005mo1330
(13時30分頃の対局室)

(八雲)

対局再開

090
(12時59分頃、佐藤六段が先に戻ってきた)

092
(鈴木八段が対局再開を告げるのとほぼ同時に豊島六段が入室。慌てず騒がず、まずはお茶を一口)

095
(そしてすぐに△5四歩を着手。これは鈴木八段予想の一手)

097
(再開の一手を見た佐藤六段は前傾姿勢をぐっと強くして考え出しました)

「次の一手を当てるのは難しいですね。天彦流は(▲9一とと)香を取るのでしょうか。一目30分は考えたい局面です」(鈴木八段)

(八雲)

休憩中の対局室

077
(昼食休憩中の特別対局室)

075
(朝のうちは小雨だったが、お昼頃は強い雨になった)

080
(休憩中の盤面。手前が先手側)

086
(休憩までの棋譜)

(八雲)

昼食休憩に入る

20111005st55zu
12時10分、図の局面で昼食休憩に入りました。消費時間は▲佐藤1時間21分、△豊島27分。昼食の注文は豊島六段が親子丼(みろく庵)、佐藤六段は注文しませんでした。対局は13時に再開します。

棋譜コメントより抜粋。
「ここで△4五桂▲同歩△3三角は▲5五桂(参考1図)で先手がいいでしょうね」と鈴木八段は話す。「やっぱり先手がよさそうに見えるけどなあ。あ、ひょっとすると△5四歩ですか。いい手かもしれないです」。△5四歩に▲3三桂成△同角▲同角成△同飛(参考2図)と進めると、次に△6六歩という厳しい手が残る。▲同歩は△6七桂だ。自陣の整備が遅れている先手の泣き所をついている。

20111005sankou1200_220111005sankou1202

(八雲)

鈴木八段の見解

20111005st46zu
図は11時10分頃の局面。消費時間は▲佐藤29分、△豊島2分。豊島六段はここまでほとんど時間を使わずに進めています。

立会人の鈴木大介八段の見解。
「この形は関東では先手よしという結論で最近は研究されていないと思います。豊島さんがこの形に誘導したということは、関西では新手が発見されて研究が進んでいる可能性がありますね。佐藤さんとしては怖いところでしょう」

062
(控室で検討する鈴木八段)

20111005st50zu
46手目から▲2六飛△3六歩▲3八歩△6四歩と進んで図の局面。
「あっ、羽生流だ」(鈴木八段)

前例は今年6月に行われた名人戦七番勝負第7局の1局のみ。▲森内俊之九段-△羽生善治名人戦(肩書は当時)で後手の羽生名人が敗れています。

「もちろん豊島さんには、研究手があるのは間違いありません。もうすでに勝負所ですね」(鈴木八段)

(八雲)

早い進行、研究勝負か

20111005st45zu
短手数で終わることが多い横歩取りですが、開始からおよそ45分で45手まで、非常に早いペースで進んでいます。先手は両桂を中央に跳んですでに激しい局面。まだ前例があり、両者ともに十分に研究していると思われます。どちらが新手を繰り出すか、どちらの研究が上回るか午前中から目が離せない展開です。

050
(初手▲7六歩を着手する佐藤六段)

056
(△3四歩を着手する豊島将之六段)

(八雲)

対局開始前の様子

013
(9時50分頃、豊島六段が下座に着いていた)

015
(10時、立会人の鈴木大介八段から定刻が告げられる。佐藤六段はまだ到着しておらず、対局室に緊張感が漂った)

016
(10時5分、佐藤六段が駆け込むように対局室に入室)

020
(無事に対局が開始されて関係者一同ほっとする)

024
(上座に着いた佐藤六段が駒を取り出す)

030
(テンポよく駒が並べられた)

042
(振り駒は歩が3枚、と金1枚、無効(駒が立ったため)1枚)

(八雲)

佐藤先手で対局開始 戦型は横歩取りへ

20111005st17zu
佐藤天彦六段が5分の遅刻で波乱の開始となりました。遅れた時間の3倍、15分が持ち時間から差し引かれます。振り駒の結果は「歩」が3枚で佐藤六段の先手に決まりました。図は10時20分頃の局面。戦型は横歩取りに進んでいます。

(八雲)