第41期決勝三番勝負第1局 Feed

2010年10月 7日 (木)

第2局は10月12日(火)、東京・将棋会館にて対局

第1局は阿部四段の勝利で、新人王まであと1勝と迫った。本局を振り返って、佐藤五段は次のようにコメントしている。

「終盤は加來アマも勝負手を放ちきわどくなったかと思いましたが、終始阿部四段の落ち着いた指し手が光りました。序盤の▲4六銀~▲3七桂の攻めの形から▲5五歩(43手目)と動くシンプルな攻めがよかったと思います。 加來アマとしては中盤で悪くなって少し力の出ない展開になりましたが、それでも終盤追い込んだのはさすがだと思います。次局以降も熱戦が期待できると思います」

第2局は10月12日(火)、東京・将棋会館にて10時より行われる。

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(ご観戦いただき、ありがとうございました)

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感想戦 (2)

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感想戦 (1)

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インタビュー

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【阿部健治郎四段】
「加來さんは決勝に来るだけあって、さすがに強かった。(一局を振り返って)中終盤はずっと際どかった。勝ちを意識したのは、△9六歩が詰めろでないことがわかったとき。勝ちが見えてからも、決断するまでに時間がかかった」

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【加來博洋アマ】
「(一局を振り返って)ちょっと突っ張りすぎたかな。(2局目について)気持ちを整理して臨みたい」

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終局直後

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(勝利した阿部四段)

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(敗れた加來アマ)

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(終局後、阿部四段がインタビューを受ける。加來アマはインタビューに配慮してか、席を外した)

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阿部四段、完勝。新人王まであと1勝に迫る

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図の▲3四竜を見て加來アマが投了を告げた。終局時刻は17時36分、消費時間は▲阿部2時間52分、△加來2時間59分。投了図以下、後手玉は△4四金▲4三銀不成までの即詰み。阿部四段は貫禄の勝利で第1局を制し、新人王まであと1勝と迫った。

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(投了の瞬間)

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終局が近づく

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図は17時頃の局面。加來アマが△9六歩と端を取り込んだところだ。しかしこれが詰めろではなく、先手は後手玉に詰めろで迫っていけば問題ない、というのが控え室の見解。図から▲5三歩成△同金▲5一銀△5二玉▲5四桂△6三玉▲6二桂成△5四玉▲3五竜(参考図)は寄り。継ぎ盤では手順中▲5一銀に△7二玉と逃げる手を検討している。しかしどうやら逆転の余地は相当になさそうで、控え室では「終局が近いか」とささやかれている。
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阿部四段、寄せに出る

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図は16時35分頃の局面。▲4四桂~▲5四香と、阿部四段が桂香を使って後手玉攻略を目指したところだ。阿部四段は▲4四桂に50分以上の時間を費やした。以下はパタパタと進み、△5二歩▲同桂成△同銀▲同香成△同金▲5四歩。阿部四段は△9六歩の隙を与えず、先手先手で厳しく迫っていく。別の視点を持てば、加來アマが△9六歩を見せて阿部四段を焦らせている、と見ることもできる。しかし阿部四段は▲4四桂以降スラスラと指し進め、迷いはない様子。すでに全てを読み切っているのだろうか。

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(カメラによる対局室の様子。加來アマが△5二歩を着手する)

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阿部四段、腰を落として考える

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図は16時すぎの局面。加來アマが△9五歩と勝負手を放ったところだ。この手に対し、阿部四段は腰を落としてじっくりと考えている。絶対に間違えない、という意志が伝わってくるようだ。阿部四段にとっては、ここが決め所。佐藤五段は▲5四香△9六歩▲5二香成△同銀▲5四桂△7二玉▲4二竜という寄せを一例として挙げたが、「やや不安」という見解。田中九段は▲5四香△9六歩▲5二香成△同銀▲8三金という寄せを挙げ、先手の勝ち筋と見ている。

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「これは大差なんじゃないですか」

控え室に現れたのは、対局中の飯島六段。継ぎ盤を一瞥して「これは大差なんじゃないですか」と一言。田中九段と口頭でしばらく検討をしたのち、対局に戻っていった。

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