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2012年10月28日 (日)

感想戦

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(文)

表彰式

両対局者は解説会場に移動し、一言ずつ感想を話した。続いて表彰式が行われ、常務理事の東七段から表彰状が、樽本市長から記念カップが渡された。

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――千日手を打開するなら永瀬五段と言われていましたが。
永瀬「私は『千日手はいかん、いかん』と思っていて打開はしたかったのですが、打開したときの局面を五分にする自信がなかったので、申し訳ないのですが千日手にしてしまいました」
伊藤「打開されてもあまり自信がなかったです。仕掛けていったのですが、相手が受けの達人とあっては攻めが切れてしまいそうな局面になってしまい、千日手も仕方がないかなと思いました」

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――指し直し局がすぐに始まりました。初手から1分将棋でした。
伊藤「公式戦で1分将棋で始まるというのはあまりないですから、ちょっと戸惑った部分はありました。お互い様ですからね。気持ちはあまり切り替えられませんでした」
永瀬「千日手は打開したかったのですが、できなかったので少し引きずっていましたね」
――指し直し局を振り返って。
永瀬「千日手にはしてしまったのですが先手番を得ることはできたので、ひたすら攻めようかなとは思っていました」
伊藤「いや、受けてくると聞いていたので予想外でしたね(会場笑)。話が違うなと指しながら思っていました」

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――ファンの皆様に一言。
伊藤「残念です。加古川自体はいい所なんですが……これは実力ですからね。たくさんの方に応援していただいて嬉しかったです。また来年頑張ります。ありがとうございました」
永瀬「休憩を挟まないで観戦していただいた方にもご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。千日手にはどうしてもしたくなかったのですが、結果的には勝つことができてよかったです。来年は出られない棋戦で、対局者として来ることはもうないので、勝つことができてよかったです。他棋戦で活躍して、加古川青流戦のときに呼んでいただけるような棋士になりたいと思います。ありがとうございました」

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(書き起こし=翔、写真=文)

終局直後

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■永瀬拓矢五段
――今の率直な感想を教えてください。
「よく分からない将棋だったのですが最後寄せが見えて勝ちになったかなと思いました」
――千日手指し直しはかなり攻めている様子が伺えました。
「先手番になって先攻しやすいので、先攻を目指していました」
――加古川青流戦、第2期の王者となりました。
「率直に嬉しいなと思います」
――相手の印象はいかがでしたか。
「終始、粘り強く指されました」

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■伊藤真吾四段
――今の率直な感想を教えてください。
「実力なので仕方がないです」
――千日手もありましたが、振り返ってみていかがですか。
「1局目もそうですが、指し直し局もまあまあ上出来な序盤だったので、ちょっと悔い
が残るというか、もう少しうまくできたのではないかと思います」
――どのあたりが分かれ目でしたか。
「細かいことなのですが、銀を動かしたりするようなところがもう少しうまくできたかと思います。残念です」

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(書き起こし=翔、写真=文)

第2局指し直し局は永瀬が勝利。永瀬、初優勝

Seiryu201210280102_89第2期加古川青流戦決勝三番勝負第2局指し直し局は、89手で永瀬五段の勝ちとなりました。終局時刻は13時47分。消費時間は両者1時間0分(持ち時間各1時間、チェスクロック使用)。この結果、永瀬五段が第2期加古川青流戦の優勝者に決まりました。永瀬五段は公式戦初優勝となります。
(翔)

永瀬五段、鋭い寄せ

_77永瀬五段が後手玉を確実に追い詰めている。▲7一金(図)は一段金で効率が悪いようだが、△同金▲同竜と進めば竜が近づいて受けが難しい形になる。伊藤四段は△4五角打の勝負手を放ったが、永瀬五段は▲6一金と冷静に駒を取った。いよいよ最終盤だ。

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(大盤解説は菅井五段と船江五段の兄弟弟子が担当)

(文)

先手優勢

_62永瀬五段がコビン攻めから手番をとって好調に進めている。△7二角(図)は銀取りにはなっているが、金取りを受けた手でもあるので、すぐには動けない。受け一方になりそうでつらい手だ。先手は堅陣のうえ駒得で、悪いところがない。形勢は先手に傾いてきたようだ。伊藤四段は耐えて逆転のチャンスをつかみたい。
(文)

小さな事件

大盤解説会では井上九段と村田女流二段が担当中。井上九段の解説に熱が入る。

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と、ここで事件が。なんと永瀬五段のボードが落ちてしまったのだ。写真を見ていただければ、落ちる予兆があるのがわかると思う。井上九段は「不吉ですね」と苦笑い。しかしその直後に永瀬五段の千日手指し直し局のデータが届けられ、永瀬五段の千日手にまつわるすごさで場が盛り上がった。

【永瀬五段の千日手指し直し局のデータ】
○○○○千○○○○●●○○○○●○○○○○●(右が新しいもの)
17勝4敗1千日手(勝率0.809)

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(文)

銀のドリブル

_35指し直し局は第1局と同じく、永瀬五段が居飛車にして対抗形を受けて立った。伊藤四段の作戦は角交換四間飛車。こちらはダイレクト向かい飛車とは違い、序盤は穏やかな駒組みになる。本局は初手から1分将棋ということもあり、進行は当然ながら早い。永瀬五段は▲6五銀~▲5四銀(図)と銀を単身で斬り込ませた。歩の裏側にもぐりこんだことで、この銀はなかなか追われない。居座ることができれば、攻めに働いて大きな戦力になりそうだ。

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(控え室では稲葉六段と菅井五段が継ぎ盤の駒を動かしている)

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(解説会場では神吉七段と室谷女流初段が解説中。1分将棋の解説は忙しい)

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指し直し局、対局開始

永瀬五段が駒袋を開ける。さすがに両者とも疲労の色は見て取れたが、永瀬五段は駒をひとつひとつ、力を込めて盤にたたきつけるように並べていた。気合十分だ。伊藤四段もぐっと背筋を伸ばして永瀬五段の初手を待ち受ける。千日手局で二人とも持ち時間を使い切っていたため、初手から1分将棋だ。慶田三段の秒読みの声が響き、永瀬五段が盤上に手を伸ばす。指し直し局が始まった。

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千日手成立

千日手が成立した。指し直し局は約5分の休憩を挟み、12時20分から行われる。

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(文)