2022年8月 5日 (金)

20220805h

図は16時50分頃の局面です。後手の佐藤九段は、▲2四歩の突き出しに対して△7六歩▲同銀△7七歩▲同桂△2四歩と、7筋で攻め手を決めるだけ決めてから2筋に手を戻しました。次は△7五歩▲同銀△7六歩という筋を見ているものと思われます。先手としても、ここで▲7四歩と打てば桂は取れる形。以下△7五歩▲同銀△7六歩▲7三歩成△7七歩成▲同金の進行は、形勢がどうなっているのか簡単には判断がつきません。しばらくは難しい局面が続きそうです。

Dsc_39041 (広瀬八段。2六の角をどうさばくのかが一つの課題だ)

20220805g図は15時30分頃の局面です。▲2四歩の突き出しに対して、佐藤九段が熟考しています。中盤の勝負どころといえそうです。後手は(1)△2四同歩と(2)△2四同銀のどちらもありそうですが、いずれにしても、先手は2筋の突き捨てを入れてから▲7五歩と受けに手を戻すつもりでしょうか。以下△4九角▲4七金△3八角成▲4六金△2九馬というように飛車の取り合いになったときに、後手が2四歩の形なら先手から▲2三歩のタタキがありますし、2四銀の形なら後手玉は側面の守りが弱くなっています。

Dsc_39222 (佐藤九段。自身で「古色古香」と揮毫した扇子を使用している)

20220805f図は14時15分頃の局面です。▲2六角は49分の考慮で打たれた角で、後手からの△4四角を防いでいます。仮にこれで後手から適当な攻めがなければ、▲7五歩~▲7四歩や▲9三歩成が間に合ってきます。▲2六角に対して、佐藤九段は40分近く考えています。

Dsc_37851 (広瀬八段)

20220805e

対局再開後、後手の佐藤九段が△9四歩▲同歩△7五歩と仕掛けていきました。▲7五同歩なら、△4四角と据えて次の△7六歩を見せるつもりでしょう。持ち歩を生かした動きといえます。△4四角以下(1)▲9八玉は、△9四香▲9七歩△9一飛で後手好調。(2)▲7九玉も、△7六歩▲8八銀△6六歩で後手が攻勢を続けられそうです。広瀬八段はどう応じるでしょうか。

Dsc_38201 (佐藤九段)

Dsc_39001 (広瀬八段は、再開5分前には戻っていた)

Dsc_39061 (フェイシャルペーパーで目の周りを拭きつつ、盤に向かう)

Dsc_39161 (佐藤九段は、再開直後に戻ってきた)

Dsc_39251 (着座後、しばらくして上着を脱ぐ)

Dsc_39311(手番の佐藤九段だが、すぐには指さなかった)