カテゴリ「第30期竜王戦七番勝負第3局」の記事 Feed

2017年11月 5日 (日)

71図は14時頃の局面。先手は飛車を成りながら自陣に引きつけました。控室の検討陣は「これは確実に長くなるね」と長期戦を予想しています。

Img_0384 大盤解説会には藤井九段がゲスト出演中。

Img_0331 昼食休憩までの棋譜。

Img_0330 控室では、撮影用の対局者と同じメニューを両立会人が食べていた。2人とも他人が食べているものがよく見えるたちだそうで、「そっちのほうがおいしそう?」(阿久津)、「関係者用のお弁当も捨てがたいか」(藤井)、とのことだ。

Img_0353 実は休憩中に、対局室に鳥(シジュウカラと思われる)が2羽入り込むトラブルが発生していた。関係者の必死の尽力で、対局再開前までに外にお帰りいただいて事なきを得た。

6712時30分、図の局面で渡辺竜王が27分使って昼食休憩に入りました。消費時間は▲羽生5時間50分、△渡辺5時間6分。昼食の注文は、羽生棋聖が「上州黒毛和牛幕の内弁当」、渡辺竜王が「鴨せいろ」。対局は13時30分に再開します。

Img_0315 上州黒毛和牛幕の内弁当(牛や清)。

Img_0317 鴨せいろ(そばひろ)。

66時刻はまもなく12時を回ります。現局面で現地検討陣の見解は「形勢互角」です。
「先手の持ち駒に歩があれば▲3四歩とたたいて攻めが続くところですが、その歩を与えていないのが後手の主張です。△9二角(62手目)も感触のいい手ですが、対する先手の▲4七銀も味のある手で、形勢はやはり互角というしかありません。互いに秘術を尽くしている感じで、さすがの攻防ですね」(阿久津八段)

Img_0306 12時頃の控室の様子。

臨江閣の周辺は公園として緑豊かな景色が広がっています。

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Img_9998 日本庭園側の塀越しに見た臨江閣。

Img_9979 利根川。

Img_9993_2 噴水のある公園。

Img_9989臨江閣の付近にあるヤマダグリーンドーム前橋は、前橋市が所有する多目的ホール。各種イベントが開催されるほか、前橋競輪の競技場でもある。2014年に株式会社ヤマダ電機がネーミングライツ権を獲得し、ヤマダグリーンドームと呼ばれるようになった。

11時頃、午後から指導対局を担当する佐々木慎六段(左)と田中悠一五段(右)が控室に来訪しました。2人とも筋金入りの振り飛車党で、検討が熱を帯びてきました。

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対局が行われている臨江閣は、明治時代に建造された近代和風の木造建築物。本館と茶室は群馬県の重要文化財で、別館は前橋市の重要文化財に指定されています。

Img_9944_2 臨江閣。

Img_9943 右手の建物が本館(群馬県指定重要文化財)

Img_9942 左手が別館(前橋市指定重要文化財)。

Img_0002 臨江閣に隣接する日本庭園の入り口。竜王戦第3局の期間中は、対局環境を守るために閉園されている。

Img_0085 臨江閣の2階から臨む利根川。

臨江閣に使われている「江」の字は中国の長江や揚子江などに見られるように、大きな川を意味しています。そして、臨江閣における江は、付近を流れる日本最大の流域面積を誇る利根川のこと。利根川を目前に臨む閣(2階建など高く構えた御殿)ということで、臨江閣の名が付けられたそうです。

Img_0006_2公園側から見た臨江閣。

前橋を象徴する建造物の臨江閣ですが、実は近年まで前橋市民や群馬県民の間でも認知度は高くなかったといいます。せっかくの素晴らしい文化財がもったいない、ということで、昨年の2月から今年9月まで建物の修繕工事を行い、周囲の伸びすぎた樹木なども適度に処分して、伝統を残しながらも、近代的なトイレなども整備されて、人気の観光スポットとして生まれ変わったとのことです。