カテゴリ「第27期竜王戦挑決第2局」の記事 Feed

2014年9月 2日 (火)

20140902_163050(館内の天井カメラが両対局者を映しだす。控室を訪れ、モニターを見た千葉幸生六段は「両者1分将棋みたいですね」と呟く。実際は両対局者とも3時間も使っていない。まだ2時間以上残している)

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控室では「終盤の入口だね」の声も聞こえる。▲4八銀に△5六銀▲同金△4七歩成の突進が調べられる。以下▲同銀△同飛成▲4六金(変化図)がうまい手で、後手の竜が捕まっている。飛車を持たれては後手陣はひとたまりもない。この順は先手よしとの評判だ。

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図は△3四金と糸谷六段が力強く金を立った局面。以下▲2四角△同金▲同飛△2二歩(変化図)と受けられてみると難しいようだ。変化図の△2二歩に▲4八金と角を捕獲にいくのは△6七角成▲同金(変化2図)で△8五桂や△3三角が厳しい。角と金の交換で後手が駒損ながら難解という控室。金立ちは糸谷流の勝負術だった。

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Dsc_0013(パワフルな金立ちを見せた糸谷六段)

Dsc_0118(手前の継ぎ盤は中川八段、奥は対局立会人の富岡英作八段(左)と大盤で解説を務める勝又清和六段)

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1txt57富岡八段が指摘していた▲3五角が着手された。富岡八段は「次に▲3七桂が絶品だよ」と口にしている。△4五銀直と突進してきたところに軽い角のかわし。かわした角が後手玉を射程圏に入れている。控室では先手の羽生名人がペースを握ったと見られている。

こんにちは、関西中継記者の潤です。現在挑戦者決定三番勝負第2局は中盤の勝負所を迎えていますが、関西将棋会館でも本局が検討されています。その様子を少しばかりですが紹介させていただきます。

Photo 図は50手目、糸谷六段が△5四銀と上がったところ。この手では△6四銀と桂頭を守りながら四段目に立つ手もありそうでしたが、「それは▲2四歩△同歩▲同角△同金▲同飛△2二歩▲3二金△同飛▲4四飛が6四の銀取りになるので指しにくかったのでしょう」と稲葉陽七段が解説して下さいました。

53_2 △5四銀以下▲2四歩△同歩▲4八銀としたのが14時45分頃の局面。棋士室では「△2二飛くらいかな」と言われています。ただその後特別対局室の映るモニターを見ると、両対局者の姿はありませんでした。

Photo_2 (棋士室で中継サイトを見ながら口答で検討する(右から順に)小林裕士七段、船江恒平五段 、稲葉陽七段、宮本広志四段。稲葉七段と船江五段は17時から開始される本局の大盤解説会で、解説役を務める)

Photo_3 (その後船江五段と宮本四段は10秒将棋へと流れた。また奥では北浜健介八段と村田顕弘五段による練習対局が行われていた)
(潤)

Dsc_0095(8月26日に発売された対局日誌傑作選『羽生世代の衝撃』。著者は河口俊彦七段。表紙は若き日の羽生名人、森内俊之竜王、佐藤康光九段)

Dsc_0099(糸谷六段著の『現代将棋の思想』)

どちらも株式会社マイナビから発売されている。

Dsc_0106(森内竜王の竜王位扇子。「我忘吾」無念無想の境地を記している)

日本将棋連盟デジタルショップ 竜王位扇子


本局は東西の将棋会館で大盤解説会が行われる。

東京・将棋会館での解説は勝又清和六段と飯野愛女流1級。若手棋士の飛び入り解説も予定されている。

関西将棋会館の解説は稲葉陽七段、船江恒平五段、長谷川優貴女流二段。

お近くの方はぜひ足をお運び頂きたい。

詳細は下記リンクにてご確認下さい。

東京・将棋会館 大盤解説会

関西将棋会館 大盤解説会

Dsc_0074(12時58分に対局室へ戻った羽生名人)

Dsc_0078(羽生名人は体を左右に揺らし考え込んでいた)

Dsc_0083(糸谷六段が席へ戻ったのは12時59分)

Dsc_0085(羽生名人がしばらく指さないと見たのか、糸谷六段は席を外した)