カテゴリ「第27期竜王戦七番勝負第4局」の記事 Feed

2014年11月21日 (金)

2_9075手目▲3五同飛から90手目△5四飛まで、実戦の進行と控室の予想手順は一致しています。「先手順調」と検討陣。ただ、図で次の一手は分岐が多そうです。

飯塚七段の第一感は▲5五銀。▲6五飛も先手が1手勝ちを目指せそう。駒得を生かして▲6八銀も手厚く、森内竜王らしい手と評判です。

2_83森内竜王は駒台の歩を5三に打ちました。先手は▲6四角と王手で金を取れましたが、▲5三歩△同金▲5七金でと金を消すのが手堅く、これでも先手が銀得です。

「2勝2敗になる可能性が高くなってきました。森内竜王は残り時間が少ないですが、これは間違えにくい将棋です」と飯島七段。


Dsc_0490(15時26分、対局室モニターの映像)

2_75森内竜王は▲3五飛を選択。決戦に応じました。控室の評価は先手よし。ただ、森内竜王は残り時間が少ないのが気がかりです。


Dsc_0467(控室で対局室モニターを見つめる山口女流初段)

Dsc_0457 (継ぎ盤。山口女流は後手陣に向かって攻めの手をビシビシと放つ)

2_74対局再開から一気に手が進みました。成駒ができそうな局面まできています。先手が勝ちにいくなら(1)▲3五飛△5七歩成▲6二歩が考えられます。それが無理なら(2)▲5六同銀△4四角▲3三歩成△同角▲6八金が一例。
森内竜王は残り1時間を切ろうとしてますが、長考に入りました。決戦を▲3五飛で挑むのかどうか。本局の勝敗を左右する一手になるかもしれません。飯島七段は「▲3五飛で先手いけそうです」と話しています。


Dsc_0413(2日目対局再開直前、対局室に向かう森内竜王)

休憩に入り、最初に対局室を出たのは糸谷七段。最後に自室に戻ったのも糸谷七段でした。対局室から自室まで30メートルほど外を歩くのですが、糸谷七段はその距離をゆっくりと3分ほどかけて歩き、途中で立ち止まって物思いにふけっていました。

Dsc_0393 (帰り道の途中で立ち止まる糸谷七段)

Dsc_0395 (視線の先には森の闇しかない。そのまま1分ほど動かなかった)

Dsc_0396 (やがて歩きだした。その間に竜王は糸谷七段を追い抜いて自室に戻った)

Dsc_0404 (休憩中の対局室。上座の向こうは林が広がる)

2_51_62

封じ手の51手目▲7八金から62手目△3五歩までの流れを検討陣に聞きました。封じ手の局面は先手が指せるという評価でしたが、そこから後手が少しずつ盛り返してきたとの評判です。

「▲7八金の局面は先手が指せると思っていましたが、以降は先手が指し手に苦労している印象です。現在は先手よしとも言えなくなってきました」(飯塚七段)

「52手目△5四飛から、△6四金、△6三金、△5三銀で後手の飛車が軽い形になりました。途中の△6五歩も地味にいい手で、先手の攻め(▲6六金)を消しています。先手は57手目▲8五歩がどうだったか。玉頭戦に強くなりますが、隙をつくってしまった可能性もあります」(飯島七段)