カテゴリ「第25期竜王戦挑決第1局」の記事 Feed

2012年8月16日 (木)

64▲3五歩△5五歩と進んで図の局面。3筋と5筋の歩は取った側が利かされになります。 必然、攻め合いになりそうです。

検討陣の見解は後手持ちに傾いてきました。
その理由のひとつが先手の2五飛の存在。現状は当たりの強い駒になっています。たとえば図で▲3四歩は△同銀が飛車取りで後手を引いてしまいます。


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5954手目△8四歩から▲9六歩△6六歩▲同歩△6五歩▲6八金上(図)と進みました。▲6八金上は55手目の予想手でしたが、このタイミングで指すと予想した検討陣はいませんでした。 難しい手順です。

高野六段と瀬川五段は図で△7三桂▲6五歩△8五歩を予想しています。「後手の駒に勢いが出てきた」という意見もあります。


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(午前に来訪した青野九段=左が再び控室へ)

※青野九段は43手目▲4五同桂に代えて▲7一角△7二飛▲2六角成とした変化を検討していました。

54 図で検討陣の予想手は▲6八金上。そこで後手の指す手が難しいようです。△1四歩は▲1六歩、△9四歩は▲9六歩です。

8一桂と4五桂の差も大きなポイントで、先手の駒のほうが働いています。駒の効率で追いつこうと△7三桂は▲7五歩が気になります。

瀬川五段は「先手の模様がいい」とみています。


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(瀬川五段は伊藤真吾四段と検討中)
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(伊藤真四段)

5220時5分ごろの局面。残り時間は▲丸山九段1時間7分、△山崎七段52分。


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(記録机中央の小さい紙は残り時間の早見表。この紙が山崎七段側に出た)
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(未使用の早見表。1から60までの数字が書いてあり、持ち時間を1分つかうごとに消していく)

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43手目▲4五同桂に対して、山崎七段は3三の銀を上に上がって逃げました。後手はできれば△2二銀と引いて△4四歩を見せたかったところ。△4四銀左は「仕方なく指した」という印象もあります。

しかし△2二銀は(1)▲2四歩△同歩▲4四歩△同銀▲7一角、あるいは(2)▲3七角△7三角に▲同角成△同桂▲3七角△6三金▲7五歩(参考図)が厳しかったようです。2筋が壁形の状態で攻められると後手陣はもちません。

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(山崎七段)

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18時10分、図の局面で山崎七段が20分使って夕食休憩に入りました。

消費時間は丸山3時間14分、山崎3時間45分(持ち時間、各5時間)。夕食の注文は丸山九段が唐揚げ定食(唐揚げ2個増量)、山崎七段はおでん定食(いずれもみろく庵)。対局は19時に再開します。



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(夕食の注文は丸山九段が唐揚げ定食 ※通常より唐揚げ2個増量)
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(山崎七段はおでん定食。いずれも「みろく庵」のもの)

41本格的な戦いが始まりました。
丸山九段は手順を尽くして▲4五歩を実現させましたが、後手陣も金銀4枚で自玉を固めています。


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(丸山九段)