激辛流 図は20時過ぎの局面。△6五歩や△8六歩の攻めもみえるところでしたが、丸山九段は相手の攻めの拠点の3四歩を取りにいく△4五銀と打ちました。丸山九段らしい一手に深浦九段はどう対応するか。勝負どころです。 図の一手前、▲6六歩までの消費時間は▲深浦3時間37分、△丸山3時間58分。丸山九段は△4五銀に20分少々使っており、残り時間は40分ほどになっている計算です。 残り1時間を切った丸山九段側に残り時間早見表が出されている。
本格的な戦いへ 夕食休憩明け、△4三金右と玉を固めた後手に対して、深浦九段は▲3四銀(左図)と力強く打ち込みました。そこから△同銀▲同歩△3九角(右図)と進んでいます。間合いを計りあっていた両者ですが、いよいよ本格的な戦いに突入しました。 19時前、西の空は茜色に染まっている。
夕食休憩 18時10分、図の局面で丸山九段が39分使って夕食休憩に入りました。夕食休憩までの消費時間は▲深浦3時間6分、△丸山3時間53分。対局は19時に再開します。 夕食休憩に入る少し前に、中継室に飯塚祐紀七段が来訪しました。「難解ながら先手の模様が良さそうです。後手は攻めても切れてしまいそうなところが悩みです。△7五歩▲同歩△3九角はあるのですが▲3八飛から▲3四歩の突き出しが気になります」とのこと。 飯塚祐紀七段
間合いを計る 17時を回りました。先手陣には△3九角が、後手陣には▲5四歩△同歩▲3四歩△同銀▲7一角の筋があり、互いに馬を作ろうと思えば可能です。しかし両者ともその筋を受けずに「馬を作るならどうぞ」の姿勢で駒組みを進めています。先に攻めると反動が厳しいため、間合いを計っているようです。 △3一玉までの消費時間は▲深浦2時間15分、△丸山3時間14分。 △3一玉をみた深浦九段は時間を使っている(写真は朝撮影)。
蝉時雨 将棋会館隣の鳩森神社は、雨があがるとセミが一斉に鳴きだし、蝉時雨となっていました。 ジージー、ミンミン、ツクツクホーシなど様々な鳴き声が降り注いでくる。 こちらは少し珍しい小型のセミ。ニイニイゼミだろうか。
味わい深い一手 一触即発の緊張感漂う局面で、丸山九段が指した一手はじっと端歩突きでした。△1四歩までの消費時間は▲深浦1時間47分、△丸山3時間。 ―以下棋譜コメントより―「40分以上使って△1四歩。何とも味わい深い手だ。▲5四歩には△8六歩で反撃する意図だろうか」 鳩森神社の黒竹。深い味わいの色味を持っている。
激しさを増す 局面は激しさを増してきました。先手の指した▲5五歩は、次に▲5四歩△同歩▲3四歩△同銀▲7一角の狙いがあります。後手は受けるのか、攻め合うのか。決断のしどころです。 勝負どころを迎えた丸山九段(朝の表情)。