カテゴリ「第24期竜王戦挑決第1局」の記事 Feed

2011年8月16日 (火)

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時刻は21時20分を回った。
丸山は△4三玉~△3四玉とし、上部に厚みを築いて先手陣を圧迫していく。
全軍で押し寄せる後手陣の波。


33_畠山七段
「△3四玉から、△1五歩▲同歩△1六歩となれば後手がいいですね。どう見ても淡路先生は後手を持ちたいやろうなぁ。
久保さんのほうが圧迫感があることは間違いないでしょうね。どこか1点を破れるかどうか。
私は棋風が違うのですが、丸山さんのほうを持って指したいという棋士が多いと思います。私は勝っても負けても向こう(先手)を持っていることが多いです」
(棋譜コメントより)

久保の残り時間は30分を切った。


(若葉)

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3階の棋士室でも本局の検討が行われている。
継盤を囲むのは対局を終えた淡路仁茂九段、牧野光則四段や奨励会員たちだ。
久保二冠側(先手)を1人の奨励会員が、丸山九段側(後手)を奨励会員と淡路九段、牧野四段が持っている。

「淡路先生は昔から久保さん側に座りませんね。久保さん側を悲観的に見ることで、勝ったときの喜びが倍増しているのではないかと(棋譜コメントより)」と語るのは控室の畠山七段。
しかし、変化を進めていくと先手良しになってしまうことがあり、「淡路先生、実は久保先生の応援をしてるんとちゃいますか」と突っ込まれて一同が盛り上がる場面も。
ご存知のように、淡路九段は久保の師匠である。


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(自身の対局を終えた後に弟子の対局を見届ける淡路九段)


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(夜から棋士室を訪れた牧野四段)


(若葉)

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時刻は21時を回った。
中盤戦に入り渋い指し手の応酬となったが、徐々に先手に思わしい手段がなくなってきているようだ。
3階の棋士室、4階の控室ともに「後手良し」の声が聞かれるようになってきた。


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(夜のなにわ筋)


(若葉)


30_55時刻は20時を回っている。
角を追われ自陣へと退却させた久保だが、▲4七角(図)とさらに一歩引いた。
受け身のように見えるが、遠く9筋をにらんでいる。

30_控室では当初△7一飛が検討されていたが、以下▲9五歩△7二角▲9四歩△同歩▲6七銀(A図)と進むと次の▲9二歩(香取り)が受けづらい。飛車を引いた手がマイナスになっている。


そこで丸山は△4五歩としたが、検討では▲9五歩△8三角▲6七銀(B図)と角交換を挑まれたときの後手の対応が悩ましいようだ。
だが、まだどちらの形勢が良いかという声は聞こえてこない。


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(若葉)

19時を回り、中継班は棋士室から4階に設けられた取材本部に移動。
こちらでは新聞解説の畠山鎮七段の他に、豊島将之六段や奨励会員が検討している。
(棋譜コメントより)


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(畠山七段。本局の新聞解説を務めている)


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(豊島六段)


(若葉)

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図は19時40分頃の局面。
攻める久保、守る丸山、というお互いの持ち味が発揮された戦いになっている。
盤上に角を放った両者。この角が働くかどうかが勝負の分かれ道だ。


(若葉)

夜戦に入り、畠山七段が再び棋士室へ。
お菓子の差し入れを抱えての登場だった。


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(畠山七段。早速携帯で棋譜をチェック)


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(畠山七段の差し入れ「天使のふわふわほっぺ」。粉雪のような柔らかさで、口に入れるととろけるように消えてしまう)


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(検討陣も栄養補給。「指すほうの手を使って食べちゃダメだよ」と畠山七段)


(若葉)

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(夕食休憩時の対局室。西日が射し込んできている)


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(茜色に染まる5階の廊下)


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(午後は丸山九段の長考が目立った。対する久保二冠は小刻みに時間を使っていた)


(若葉)

夕食の注文は、丸山は天ざる・ニシンの煮付け・カロリーメイト(チョコ味)4本入り、水500mlを3本、ウーロン茶500mlを1本、パイナップルの詰め合わせ。久保は無しだった。
(棋譜コメントより)


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(丸山九段が注文したものと同じ天ざる。関西将棋会館向かいの「やまがそば」にて賞味できる)


(若葉)

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19時となり、対局が再開された。
すぐに指されたのは一度力を溜める▲5六銀だった。
棋士室では▲5六角や▲3六銀などが予想されていたが、本譜は挙げられていなかった。


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(関西将棋会館の3階から望む夕焼け)


(若葉)