カテゴリ「第23期竜王戦七番勝負第2局」の記事 Feed

2010年10月27日 (水)

15時、午後のおやつが対局室に運ばれる。注文は、渡辺竜王が「チョコレートケーキ、ホットコーヒー」。羽生名人が「いちごのショートケーキ、レモンティー」。

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(渡辺竜王の注文したチョコレートケーキ)

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(羽生名人の注文したショートケーキ)

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14時40分頃、大盤解説会場では島九段と森下九段が本局を初手から解説中。森下九段が弟子の増田康宏1級と指した将棋(本局と同じ相矢倉)の話をし、弟子の指し回しを絶賛する。島九段は「増田くんは羽生さんの後継者ですから」と笑顔で応え、会場を沸かせていた。

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(14時30分頃の対局室。羽生名人が棋譜用紙を記録係に手渡す。渡辺竜王は席を外している)

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(14時過ぎの大盤解説会場。すでに立ち見の来場者が出ている状況)

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図は渡辺竜王が△8四桂と攻めた局面。昼食休憩前の△9八歩から一連の手順で端の香をつり上げ、その香に狙いを定めた。普通に受けるとすれば▲8五馬だが、ここで羽生名人の指した手は▲8四同馬!
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控え室ではしばらくの沈黙ののち、「えー」「はいぃー?」と驚きの声が漏れる。この▲8四同馬は、駒の価値がまるで違う馬と桂を交換する、「常識的に考えればありえない」と表現してもよさそうな手。後手が△8四同飛と取り返せば、瞬間的には先手の銀損。損をしない順も選べただけに、「いったいどういうことなのか」と疑問がぐるぐると渦を巻く。

「▲8四同馬がどのような手なのか、私も勝負手という感じにしか発想が浮かびません。私も混乱しています」(飯島栄治七段)

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(▲8四同馬着手の直後。渡辺竜王が身を乗り出す)

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(さすがにこの手は予期していなかっただろう。渡辺竜王は気を鎮めるためか、缶コーヒーを口へ運ぶ)

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