本局は△3一玉から渡辺竜王の手のつけられない勢いを感じました。
強気強気の姿勢で堂々と指して、羽生さんをひるませました。危ない変化(34手目△3一玉に▲6五歩)を通してしまいました。
2筋の逆襲を見事に決め、羽生さんの最後の追撃も強気に受けて余しました。
渡辺さんのいいところが存分に出ましたね。羽生さんはペースをつかめませんでした。
最終局は総力戦ですね。死力を尽くした戦いになるでしょう。
羽生さんとしてもダメージを受けているでしょう。4局目の逆転負けを引きずっている気がします。
「いつも通り指していつも通り勝つ」のが羽生流。果たしてそれができるのか。
3連敗して渡辺さんは吹っ切れた感じです。自玉を堅くすることだけに固執していません。
渡辺さんにとって新しい指し方をしていますし、積極的に動いています。
ただ3連敗から3連勝して、逆に気の持ち方が難しいかもしれません。
予想は誰もできないでしょう。私もできません。一ファンとして楽しみたいと思います。
(本局を解説する鈴木八段)
△3一玉(図)が渡辺さんの新手で作戦だったようですね。対して▲6五歩とされると危険ではあったのですが、羽生さんは見送って▲2五歩。渡辺さんの気迫が上回ったというべきか、ここから渡辺さんがペースをつかみましたね。
進んで羽生さんが2筋を交換した手に△6二角がピッタリの反撃で、凝り形だった飛角銀が伸び伸びとしました。封じ手直前の大長考(1時間18分)は羽生さんの誤算を物語っているかもしれません。
△7七飛成を▲同桂のほうが中央の厚みの関係で難しかったとは思うのですが、やはり先手が少しずつ足りないようです。
渡辺さんの快勝譜と言っていいでしょう。
スコアも内容も渡辺さんに勢いがあります。将棋界では3連敗から4連勝は前例がないのでジンクスとも戦うことになります。
最終局は歴史的な一局となりました。みなさんもぜひご注目下さい。
(本局の立会人を務めた中村九段)
渡辺竜王は△2七歩▲同飛△2六歩の連打を狙っています。以下▲2八飛に△7七飛成▲同桂△2七銀と飛車を取りにいくのです。
▲5九銀は△2七歩▲同飛△2六歩▲2八飛△7五飛で△2五飛を見せられて先手イヤでしょう。
▲2二歩△同金▲2三歩は△1二金で先手歩切れになるのでうまくないでしょう。
▲4六角や▲6八角は真っ向受けて立つ指し方で、一大決戦になりそうです。
▲6八角△2七歩▲同飛△2六歩▲2八飛△7五飛▲3九銀の局面は意外に後手大変かもしれません。しかし▲3九銀は…将棋の手としていかがなものでしょうか。駒を引く手を羽生さんは好みませんし、この大きな一番で棋譜として残せるかどうか。
堂々と▲4六角と指されたときに後手が決めきれるかどうかもはっきりしません。いずれにせよ後手は△2六歩から△2七歩が狙いですがそのときに角の位置の違いがどう出るかですね。
(鈴木八段)
(桜木@龍言)
【1日目夕食の献立】
食前酒 山桃酒
先付 かきのもと霙和え、いくら、軸三つ葉
前菜 鯟親子漬、松葉黒豆、鱒寿司、子持ち昆布巻、白和え金柑釜、合鴨ロース煮、松笠くわい揚げ煮
造り 日本海のお造り
蓋物 鰤奉書巻、焼きがき、菜花、梅人参
焼物 越後もち豚炭火立焼き
台の物 海鮮鍋、ズワイ蟹、かき、海老、帆立、鱈、鮪コラーゲン
蒸し物 フカヒレ茶碗蒸し
強肴 魚沼牛の朴景味噌焼き
酢の物 タラバ蟹、ジュレ酢掛け、蛇腹胡瓜、若メ、ラレシ
食事 もずく麺、薬味
水菓子 リンゴムース、コンポート、苺
(烏@龍言)
龍言の庭園の大きな池には40羽ほどの自然の鴨がいます。彼らの鳴き声がガーガーとうるさく、対局者の集中を妨げるということで昼食休憩中に対策が採られました。鴨を追いかけたり、エサでおびき寄せたりして対局室から反対側の端に追いやり、ネットで仕切りをして戻れないようにするというものです。
(龍言のスタッフが池に入りバシャバシャと鴨を追う)
(逃げまどう鴨。緑の頭がオス、茶色がメス。鳴くのはメスだそうだ)
(追い込んだらネットで仕切りをする)
鴨は空を飛べるため土壇場で脱出されたり苦戦しましたが、かなり効果があったようで、昼休過ぎからは静かになりました。過去のタイトル戦でも何度かこの作戦が使われたようです。
(桜木@龍言)
9時から衛星放送の竜王戦中継がはじまっています。解説・野月浩貴七段、聞き手・本田小百合女流二段というコンビ。司会はNHKの比留間亮司アナウンサーです。放送予定は12月10日が9時~10時、17時~18時。11日が9時~10時、16時~18時。ダイジェストは12日0時45分~1時となっています。
(控え室のモニター。左が衛星放送の竜王戦中継。右が対局室)
(司会・比留間亮司アナウンサー、聞き手・本田女流二段、解説・野月七段)
衛星放送に出演した立会人の中村九段は「龍言での立ち会いは、渡辺さんが竜王位を獲得した一局。今年度の王座戦第3局で羽生さんが防衛した一局。両者にとって縁起のよい立会人です」と笑顔で話しました。また「渡辺さんは将棋界の代表としての責任感を強く持っています。マスコミにも協力的ですし、自分の胸中をすべてさらけ出しています。立派ですよ。頑張っています」と語りました。
(桜木@龍言)
第6局は変化手順付きの棋譜plusで盤面中継を行います。
1日目から2日目午後までは変化手順を主に、終盤に入りましたら更新優先する予定です。
状況を見て優先順位が変わることもあると思いますが、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
(烏@龍言)
本局は前夜祭はなく関係者のみの夕食会でした。2時間弱の夕食会の後、両対局者は自室に戻りました。
両対局者に出される昼食のメニューは以下の通りです。
・てんぷらうどん
・かつ丼
・天丼
・カツカレーライス
(桜木@六日町)
食前酒 山葡萄酒
先付 松茸の菊花和え
前菜 いが栗、エシャレット醪揚げ、丸十茶巾、松葉銀杏、秋刀魚麹重ね、穴子棒寿司
蒸し物 松茸の土瓶蒸し
造り 日本海のお造り
蓋物 蕪釜吹き寄せ、ズワイ蟹
焼物 岩魚炭火立焼
鍋物 魚沼きのこと地鶏つみれ鍋
強肴 魚沼牛の朴景焼き
酢の物 紅芯大根の蟹サラダ
御椀 魚沼けんちん汁
食事 南魚沼産コシヒカリ
水菓子 メロン、コールマン、洋梨ムース
(烏@龍言)
対局場検分の後、両対局者に衛星放送のインタビューが行われました。
渡辺竜王「出だしはよくなかった。4局目は幸運でしたが、5局目は自分としてははじめてまともな将棋が指せました。星の上ではまだ苦しい戦いです。龍言は2回勝っている(第17期竜王戦最終第7局対森内戦、第19期竜王戦最終第7局対佐藤康戦)対局場なので縁起のよさの力を借りたいところです。何とか勝って最終局にいけるように頑張りたいです」
羽生名人「シリーズが煮詰まって来ていますが、進行がはやいと感じます。(3連勝からの連敗ですが、に)竜王戦は大きな舞台で、簡単にはいかないことは分かっています。自分の力を出し切ることに尽きます。大きな一局ですが深く考えすぎず、自然体で望めたらと思います」
(桜木@六日町)