2018年11月の記事

2018年11月25日 (日)

感想戦

広瀬八段

羽生竜王

広瀬八段

羽生竜王

福知山城

以上で竜王戦七番勝負第4局の中継を終了いたします。次回、第5局は12月4、5日(火、水)に石川県七尾市「和倉温泉 加賀屋」で行われますのでお楽しみに。本日はご観戦ありがとうございました。

終局直後
(終局直後)

広瀬八段

■勝った広瀬章人八段へのインタビュー

── 2勝2敗に戻しました。いまのお気持ちは?
広瀬 やっぱり先行されていたので、追いつけてホッとしたところです。

── 封じ手の辺りはどのように感じてましたか?
広瀬 前例がある将棋からすぐに離れて、桂得は確定しているのですが、歩がないのと自玉が不安定なので、いい勝負であればいいかなと思っていました。

── 終盤に入った辺りは?
広瀬 中盤で大きな見落としがあって、はっきり悪くしてしまったので、終盤は開き直り気味に指すしかないかなと思っていました。

── 大きな見落としとは?
広瀬 ▲5三銀不成(89手目)~▲6二角(91手目)と打ったのですが、△5五銀(92手目)と打たれる手を完全に見落としていました。

── どの辺りで逆転したと思いますか?
広瀬 具体的にどこで逆転したのか分からないのですが、自玉がなかなか捕まらなくなったぐらいから難しくなったかなと。勝ちになったと思ったのは最後の最後です。

── 第5局以降への抱負をお願いします。
広瀬 スコアで追いついて改めて三番勝負になったので、追いついた側の勢いが続けばいいかなと思います。

羽生竜王

■敗れた羽生善治竜王へのインタビュー

── 一局を振り返っての感想は?
羽生 難しいと思って指していたのですが、ちょっと終盤で攻め急いでしまったかもしれないですね。もう少し面倒見たほうがよかったと思います。

── 第5局への抱負をお願いします。
羽生 そうですね、第5局までに態勢を整えて、気持ちを新たに次に臨みたいと思います。

△8五歩

時刻はもうすぐ18時30分になります。局面は120手目△8五歩まで進み、羽生竜王は残り5分になりました(広瀬八段は残り38分)。かなり際どい1手違いの勝負になっています。

谷川九段
(どちらが競り勝つのか。継ぎ盤前の谷川九段も口数が少なく、考え込んでいる)

△6九角

17時50分、前記事の△8六桂以下▲同歩△同歩▲8四桂△7六歩▲6八銀△8七歩成▲同玉△6九角と進みました。

途中の△7六歩以下の手順は控室でも意表を突いたようです。通常は「玉は下段に落とせ」という格言があり、上から押さえるように迫るのが寄せのセオリーです。しかし本譜は下から玉を追っており、手番は取り続けられるものの、入玉されやすいリスクがあります。

果たして羽生竜王は、このあと広瀬玉を捕まえられるでしょうか。残り時間は▲広瀬八段50分、△羽生竜王21分です。

控室
(控室の検討がまったく当たらず、稲葉八段は苦笑い)

△8六桂

時刻は17時を回り、102手目△8六桂まで進みました。この歩頭桂の攻めが厳しく、控室では「終局が近そう」という声が出ています。広瀬八段は5分考え、▲同歩と応じました。

広瀬八段
(厳しい局面が続く広瀬八段は流れを変えられるか)

福知山城
(すでに外は暗くなっており、福知山城はライトアップされている)

△5七角成

16時22分、局面は94手目△5七角成まで進んでおり、ここまでの消費時間は▲広瀬八段6時間32分、△羽生竜王7時間0分。羽生竜王は残り1時間になりました。

控室では、羽生竜王がやや指せそうだという声が多いですが、まだはっきり優勢と断言できる差ではないようです。

羽生竜王