2018年7月31日 (火)

広瀬八段の揺さぶり

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図は▲3六歩と突いたところ。先手は銀冠に組めれば理想的ですが、この瞬間は玉のコビンが開いて怖いです。広瀬八段は△7二飛と揺さぶりました。

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桂頭を受けるには▲6六銀と戻るしかないですが、△6五歩が積極的でした。

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▲同銀は△7三桂で銀が捕まり、▲5七銀は△7五歩から桂頭が受かりません。本譜の▲6五同桂で桂を手順にさばけたようですが、△6四銀に手が難しいです。

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後手の狙いは△6二飛から△6五銀。▲8六歩から飛車をさばくのは遅く、後の△6四角が王手飛車のラインに入ることもあって間に合いません。▲6一角は△6二飛▲5二角成△同飛▲6三金。一見、両取りがかかっているようですが……。

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△5一飛▲6四金△8二角▲5五銀△5四歩、また△3二飛▲6四金△3五歩で、後手がいずれも指せそうです。

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いずれの順も、玉のコビンを角で狙うのがよい切り返しになります。このままリードを奪えば、△7二飛から△6五歩が、先手玉のコビンが開いたことに目をつけた好手順だったことになりそうです。

Dsc_2607(昼食休憩後の広瀬八段)