2018年7月の記事

2018年7月31日 (火)

Dsc_2651(猛烈に追い上げられたものの、広瀬八段は焦らずに踏み止まった)

Dsc_2655(後手の仕掛けは見慣れないものだった、と久保王将。戦いが始まってからは苦戦を意識していた)

本局の中継は以上で終了となります。ご観戦いただき、ありがとうございました。

挑戦者決定三番勝負は広瀬八段(1組優勝)-深浦九段(2組2位)で行われます。そちらもお楽しみに。

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局面は大詰めを迎えています。△4三歩は▲同角成なら△3二銀と当てて受けることができ、先手によい追い込みがなければ、△4八金▲同金△同馬▲3八金△3七銀▲同桂△同歩成▲同金△3六歩から先手玉が寄ります。中継室では「後手勝ち」といわれています。

Dsc_2606(昼の対局再開後の広瀬八段。初の決勝トーナメント進出から、そのまま挑戦者決定三番勝負に進むのか)

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△8四角打は、△4八角成を狙いながら△5七歩成の威力を高めています。久保王将は残り時間15分から10分使い、▲6六歩と指しました。

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△同角に▲5八金。

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▲6九飛から大駒を補充できるようにしたのが、大駒を近づけた意味でしょうか。▲5八金までの残り時間は▲久保5分、△広瀬17分です。

Dsc_2611(昼の対局再開後の久保王将。△8四角打に貴重な残り時間を割いた)

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▲2六銀の受けに、広瀬八段は△4六角▲同歩△3七銀を見送り、△2四歩と穴熊が弱体化するのを承知で桂にヒモをつけました。久保王将も▲5五歩と角道を遮り、手を渡します。

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ここから△9三角▲4三金△6三飛▲3二歩△4一金▲4四金△5六歩と進みました。

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先手は3二の歩を利かしましたが、後手は角を攻め、飛車を三段目に働かせて受けに使うことができました。そして、最後の△5六歩でと金攻めが着実です。

先手は受けが難しいので、久保王将は穴熊に襲いかかります。△5六歩に▲2五銀△同歩▲3四桂△3二金▲2二桂成△同金▲3三歩。

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桂を食いちぎり、その桂で穴熊の銀をはがして、▲3三歩とプレッシャーをかけました。△3三同桂は▲3四歩、放置すれば▲3一銀と食いつきます。先手は△5七歩成を間に合わせないように追い込まないといけません。

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図は△3六歩に▲2六銀と受けたところ。後手は歩切れを解消し、角のラインとあわせて3筋を攻めているので、調子よく見えるところです。穴熊の強みを生かして、△4六角▲同歩△3七銀から決まれば明快ですが、はたして。

広瀬八段が▲2六銀に手を止めて、20時30分に約30分が経過しました。残り時間は50分ほどです。久保王将は33分。

48_4久保王将がすさまじい辛抱を見せています。△8二角からのコビン攻めに▲5五銀。これは△5四歩で受けになっていないようですが……。

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▲7三桂成△同桂▲4六銀。

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なんと、桂を成り捨てて角の利きを止め、銀を撤退したのです。先手の頼みの綱は後手の歩切れで、金銀で後手の攻めを押さえ込まないといけません。

広瀬八段は△3五歩▲3七銀上△6一飛▲6四金△6五桂と、先手玉に味をつけながら、攻め駒を前進させています。

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軽いさばきだけでなく、粘り腰が持ち味の久保王将。しばらくは自陣を見る展開が続きそうです。

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(対局開始前の久保王将)

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18時、久保王将が17分使って夕食休憩に入りました。消費時間は▲久保3時間44分、△広瀬3時間6分。夕食の注文は、広瀬八段がうな重、赤だし(ふじもと)、久保王将が親子丼上(ほそ島や)。対局は18時40分に再開されます。

60109(親子丼上)

49088(うな重)