2017年12月 4日 (月)

1日目を振り返る

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第5局、ここまでの進行について佐藤和六段に聞きました。戦型は角換わり。佐藤和六段は「直近のA級でも指されていて、渡辺竜王が変化するかと思っていたので意外でした」と話します。

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「ただ、お互いに細かい工夫をしたことで、新しい将棋になりました。羽生棋聖の▲5六銀(19手目)は、早繰り銀を牽制した動きだったのかもしれません」(佐藤和六段)

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「△3一玉(34手目)と引いた手は、少し珍しいと感じます。最近は4二玉型で攻撃的な態勢を整えるイメージがありましたから。このあたりが渡辺竜王の工夫だったのではないでしょうか」(佐藤和六段)

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羽生棋聖が▲4五銀(37手目)とぶつけて戦いが起こりました。
「▲4五銀は部分的にはいくらでもありそうですが、△5五銀と出られてしまうので、先手としては成否がわかりづらいところがあります。羽生棋聖の用意だったのか、長考でぶつけると考えていたのか。いずれにせよ、決断の一手でした。結果として先手が攻勢を取れたので、主張は通ったかなと思います」(佐藤和六段)

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「封じ手ですが、▲4六飛△同銀▲3四銀は先手がやれそうな気がします。後手は1手で引き締まることができない格好ですから。そこで渡辺竜王がどうまとめるのか、という点に注目です。羽生棋聖の攻めに対して、渡辺竜王がいなしていくのか、それとも早い段階で攻め合いに出るのか。2日目は早くから激しい展開が予想されます」(佐藤和六段)