2010年11月の記事

2010年11月26日 (金)

Photo_54 <勝った羽生名人のコメント>

「ずっとあまり自信なくやっていました。終盤は勝ちと思ってはやっていなかったですね。▲6四金(121手目)あたりで上が厚くなって初めて良くなったと思いました。封じ手は▲4六同角じゃつまらなかったですね。もう一工夫必要だった気がします。また頑張ります」


Photo_55<敗れた渡辺竜王のコメント>

「持ち駒が増えたので寄せにいっちゃいましたが、もう少し粘り強く指さないといけませんでした。序中盤は途中でこう指されていたら、というのがあったのでわかりません。2勝2敗ですが改めて頑張りたいと思います」


(若葉)

こんばんは。第2局の棋譜入力を担当した銀杏です。本日18時より、新橋SL広場にて大内延介九段による大盤解説会が行われました。その様子を写真でレポートいたします。
注目度の高い対局とあって、多くの人が大盤に見入っていました。
次回の新橋SL広場の大盤解説は、第6局2日目の12月15日(水)18時に行われます(第5局の大盤解説会は行わないとのことです)。

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(大内九段の大盤解説会は新橋駅前のSL広場で行われている)
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(SLは新橋駅のシンボルとなっている。クリスマスらしく電飾されている)
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(SLの運転手はサンタクロース)
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(新橋駅のホームから撮影。仕事帰りのサラリーマンを中心に多くの人が大盤に見入っていた。女性ファンの姿も。また、出張で新橋を訪れた人が「あっ! 将棋の解説をやっているんだ」と驚きの声を上げていた)
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(解説は大内九段。「(80手目)△3五銀打は手厚い良い手ですね」「(88手目)△3四玉では△7一角が第一感でしたが、△3四玉は一番強い指し方。自信の表れでしょう」「(120手目)△7八銀打に▲6九金は△8七銀成から詰んでしまいますが、▲6四金で羽生勝ちになったのではないか」など歯切れ良く解説していた)
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(聞き手は藤森奈津子女流四段(LPSA所属)。大盤操作は藤森哲也三段が務めた。奈津子女流四段は大内門下、哲也三段は大内九段の孫弟子に当たる)

(銀杏)

139手目▲8四銀を見て、渡辺竜王が駒を投げた。

勝った羽生名人は今期七番勝負の対戦成績を2勝2敗の五分とし、石川県加賀市あらや滔々庵で行われる第5局に望む。第5局は12月1・2日(水・木)の日程で行われる。

第23期竜王戦七番勝負の日程はこちら

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(感想戦の様子)

(若葉)

本局もいよいよ最終盤。モニターからは記録係の船江恒平四段が秒を読む声が聞こえる。渡辺竜王はすでに秒読み、羽生名人も残り7分だ。

控え室も固唾を呑んで対局を見守っている状態で、関係者は立ってモニターを食い入るように観ている。

Hikaesitu

(若葉)

104手目、後手の渡辺竜王は△5七とを指した。上部を広げ、先手玉の寄せもみた攻防の手だ。

Photo_40 ここで△2二歩(変化図)と竜の筋を遮断する手も見える。控え室ではその変化が入念に検討された。


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稲葉四段らの検討陣によると、変化図から▲2七桂△3七歩成と進み(途中図)、


Photo_42 ここで▲4一竜なら△4三歩▲3一竜△2七と▲2五金△3二金(変化1図)で先手が攻めきるのは容易ではないが、


Photo △5三銀▲3三玉△1一竜と補充して、△2四玉には▲2六香△2五桂▲1五金△同歩▲同竜△3三玉▲3五歩(変化2図)で後手玉が危険ということだ。


渡辺竜王の104手目△5七とは、この変化を避けた手順のようだ。

この後局面はバタバタッと進んだが、控え室の形勢判断は後手渡辺竜王の勝勢とのこと。先手が攻めをつなげるのは容易ではないようだ。

(若葉)

対局が中盤の難所からいよいよ終盤に差しかかり、検討も以前にも増して盛んになってきた。控え室にある盤2面の両方で本局が検討されており、盤上では詰むや詰まざるやの変化が現れては消えていく。

A

上写真の検討陣は、有吉九段、久保二冠、村田六段、稲葉四段、菅井四段、村田智穂女流初段ら。こちらは若手の稲葉・菅井両四段が中心。有吉九段は立った状態で盤面を覗きながら、上方から色んな意見を投げかけている。久保二冠は黙して動かず。急所で意見を述べる。

下写真の検討陣は、井上八段、西川慶二七段、村田顕弘四段、永瀬四段ら。

B

(若葉)