自宅解説棋士の封じ手予想
【飯塚祐紀七段】
指してみたいのは▲1二歩ですが、強く△同玉のときに攻めきれないような気がします。
攻めに厚みを加える意味で▲5六金を予想手として挙げます。△7六歩が気になりますが、もともと攻めがむずかしい局面なのだと思います。▲5六金以下は捻り合いになりそうです。
先手は右桂を活用出来ず、また銀も5段目まで出て行けないので、調子が良いようでも簡単には攻め切れません。
【佐藤天彦五段】
まず有力なのは▲1二歩。直接の狙いは▲1三角成~▲1四飛ですが、何かの時に▲1一歩成で玉を下段に落とす手が生じます。
単に▲1三角成として、△同桂▲1四飛△1二歩は先手の継続の攻めが難しい。以下▲1八飛△3一玉▲1四歩△2五桂▲1三歩成△同歩▲同飛成△2二銀が一例。これも難しそうですし、途中▲1八飛と引いた時になんとなく良い予感がしないです。
▲5六金△7六歩▲6八銀はこの場合はあるかもしれません。普通は△7六歩の超大型拠点を0手で打たれるので有り得ない指し方ですが、
・歩が入る
・次の▲6五金が大きな手
・先手中央の厚みに対し、後手の△6二銀が出遅れている
とメリットもあります。ただ、「こんなところに歩を打たせる人はいなかったよ」と感想戦でぼやく羽目になる可能性も高く、やっぱりやりづらい。という訳で、最有力は▲1二歩だと思います。たぶん皆の第一感です。違ったらすみません。
【吉田正和四段】
▲7六銀だと思います。
▲1八飛と△5六歩の2手は先手が得していると見ています。
(烏)












図の62手目△5六歩の局面で42分考えていた渡辺竜王が封じ手の意思表示をして、1日目が終了しました。1日目の消費時間は渡辺4時間18分、森内3時間11分。対局は29日9時に再開されます。
「▲1三角成と行くのは単調なのでやりにくいですね。後手としては、いつでもある筋なので神経を使いますが。先手の右辺は動かす駒がないので、行かないなら左辺の駒を動かすのでしょうが…よくわかりません。後手から催促する手がないので、先手は得な手を指したいです」(吉田四段)

図は55手目▲1四歩まで。角頭に手をつけた渡辺竜王は一転して1筋を狙いました。控え室では先手乗りの見解です。
橋本七段は「後手は同じ形にすることで、▲6八角△4二角▲2四歩と先手が2筋の歩を交換してくれば、後手も後で△8六歩から8筋を交換してお互い様です。一方的に主張を通さないようにしています。この将棋のように進むのなら自分もやってみたいなと思います。トップ棋士が指すと流行るんですけど、僕がやると流行らないんですよね(苦笑)。シビアというか、恐ろしいというか。今日は中盤のいいところまで進んで、明日は壮絶な攻め合いになると思います」と解説していました。
図の△7三角から▲7五歩が検討されています。以下△8四飛▲7四歩△同飛▲7六銀が一例です。

図は52手目△7三角まで。「脇システム」に合流してからは実戦例のある進行でしたが、図の△7三角が新手。森内九段が先に新手を出しました。渡辺竜王は熟考しています。

郷田九段はA▲5五歩が80%と解説。B▲6五歩は△7三角▲7五歩△同歩▲7四歩△8四角▲5七銀△3七歩成▲4六角(参考図)という変化をスラスラと並べていました。
角が向かい合った後、渡辺竜王は1筋を伸ばしていきます。図の▲1五歩では▲9六歩△1四歩▲6四角△同銀▲2六銀…と進む実戦例が多く、その進行の代表的な将棋に、第15期竜王戦第7局▲阿部隆七段-△羽生善治竜王(肩書は当時)戦があります。

昼食休憩後、渡辺竜王は▲4六角と角をぶつけました。それに対し、森内九段が△7三銀と上がったことで先後同型の形となりました。脇謙二・八段が得意にしていることから「脇システム」と呼ばれる形です。近年では三浦弘行八段も多用されています。





図の36手目△2二玉の局面で昼食休憩に入りました。消費時間は渡辺1時間31分、森内1時間40分。対局は13時30分に再開されます。




図は29手目▲6六歩の局面。渡辺竜王が21手目に▲7七銀と上がり、乱戦になる変化を回避したことによって局面は穏やかな流れになりました。変則的な矢倉戦です。





16手目△8五歩から▲6九玉△4三金右と進みました。図の△4三金右を見て「挑発的な手ですね」と橋本七段。△4三金右に▲6八角△4二角▲2四歩と攻められると乱戦になるからです。以下、一例として並べた順は△2四同歩▲同角△8六歩▲同歩△同飛▲4二角成△同玉▲8五歩△同飛▲9六角△8二飛▲6三角成(参考図)。しかし、参考図は「先手が怖い。馬が消されてしまうと持ち歩の差が大きくなります」と橋本七段の解説です。実戦は渡辺竜王が▲2四歩と仕掛けず▲7七銀と自重しました。
本局の自宅解説を担当する飯塚祐紀六段が、昨日の対局(棋聖戦)に勝ち、七段に昇段いたしました。
渡辺竜王は10手目△5二金に▲5六歩を選択し、第18期竜王戦第3局とは違う展開に進みました。図は16手目△8五歩まで。互いに飛先の歩を突き越す比較的珍しい序盤戦となりました。






現在、10手目△5二金まで進んでいます。
1手損角換わり模様の出だしでしたが、森内九段が△4四歩と角道を止めました。事前の戦型予想とは異なる形に進みそうです。

