第64期王将戦七番勝負第5局 Feed

2015年3月13日 (金)

20150312_80図の80手目△4五馬の局面で渡辺王将が45分使って夕食休憩に入りました。休憩は30分。対局は18時30分に再開します。王将戦七番勝負での夕食休憩は、1992年の第41期以来23年ぶりです。残り時間は▲渡辺1時間55分、△郷田22分。

20150312_69図は69手目▲8二飛の局面。控室では△2五桂と△4八角成が予想されていました。実戦は郷田九段が△4八角成と指しました。予想されていた手ですが、先手に角を渡すため、リスクもあります。
「怖いところですが、郷田九段が踏み込みました」と飯塚七段が評します。局面は激しくなりました。


Dsc_5190 (両津港ターミナルビル内の売店)

Dsc_5191 (佐渡の特産品がたくさん売っている。こちらは海産物。冷蔵庫にはエビやブリも売られていた)

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Dsc_5192 (いか徳利。ここに酒を入れて飲み、最後はあぶって食べるそうだ)

Dsc_5076_2 (佐渡は酒蔵が多く、海外にも輸出されている。昨夜の会食でも振る舞われた)

Dsc_5196_2 (食堂では利き酒セットを楽しむことができる)

20150313awatanabegouda67渡辺王将は50分以上考えて▲2六桂と放ちました。

当初、控室ではこの桂の味がいいので先手ペースと判断されていました。しかし、検討が進むにつれて、△4三金直で難しいと結論が変わっています。

20150313a1547ここで(1)▲1五歩は△2五桂。桂跳ねで△3三玉の逃げ道ができており、端攻めがぼけています。

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(2)▲3五歩は△4五角成。この馬の位置が絶好で、△4八角成▲同金△7八馬から一気に寄せる手を含みにしています。

20150313awatanabegouda1542△4五角成に▲3四桂△同金▲同歩△同馬で金桂交換しても、のちの△7六桂や△6六桂が厳しい反撃になりそうです。渡辺王将はどういう寄せの構図を描くでしょうか。

Dsc_5103 (対局室の畳縁にはトキ)

Dsc_5171 (渡辺王将は西三川リンゴジュースとチーズケーキ。リンゴは佐渡市西三川地区で生産されたものを使っている)

Dsc_5178 (郷田九段は抹茶と沢根団子。沢根団子はコシヒカリを使った一口サイズの団子)

Dsc_5122 (こちらは控え室に差し入れられたシュークリーム)

Dsc_5166 (佐渡汽船観光(株)の隅田未紗子さん)

「対局者や関係者は昨日来られ、王将と九段に花束を贈呈しました。とてもありがたい機会でした。明日から北陸新幹線が開通しますが、直江津から佐渡へのカーフェリーが4月に出航します。
佐渡は自然に恵まれていて、トキとの共存を目指しています。私たちが安全に暮らしていけるように環境に優しい農法でつくられた米を認証米として出しています。ながもは海の納豆とも呼ばれています。米、お酒、海の幸とより取り見取りです。
冬はもちろん、夏場でもブリはおすすめで、ご当地グルメとしてブリカツ丼を作りました。認証米の他に、あごだしのしょうゆをベースにしたタレを用いて、こだわりのあるブリのカツ丼です」

Dsc_5169(田中寅九段) 

「立会人として、対局が行われてよかったと思います。対局は強情と強情がぶつかっていますね。後手は2七角がどうなるかが心配です」

(書き起こし=銀杏、写真=紋蛇)

20150313awatanabegouda63渡辺王将は角を逃げずに▲9二銀不成と飛車を取りました。郷田九段も△5五銀と角を取ります。▲8一銀成で郷田九段が手を止めました。

20150313awatanabegouda65局面は終盤戦です。先手は▲2六桂が楽しみ。後手は早い寄せか攻防手を繰り出したいところです。