2017年1月

2017年1月24日 (火)

_81久保九段は残り時間37分の半分以上を費やして▲1七玉。「うお、上か、上のほうがいいのか」と盤面モニター前の面々から声が上がりました。代えて▲1八玉で先手優勢といわれていましたが、この▲1七玉も同様の狙いのようです。七番勝負第1局では、端玉に早逃げする妙手が水面下で存在しました。第2局でも端玉が勝敗を分かつポイントになりそうです。

Img_4330_z_kubo (久保九段が自玉の早逃げで、後手の攻めを許さない構えに)

【第66期王将戦七番勝負第1局 ▲郷田真隆王将-△久保利明九段戦】
http://mainichi.jp/oshosen-kifu/170108.html

Img_2429_k_ebisu01 (今月某日撮影)

通称「尼のえべっさん」。阪神尼崎駅から西へ徒歩3分ほどに位置します。
醍醐天皇時代以前の創建であると伝承されています。古代の当神社は海辺に近く、漁業航海を守る神様としてえびす様は祀られてきました。商業、工業が発展したいまでは商売繁盛の神様として崇拝されています。
http://www.amaebisu.com/

Img_2456_k_ebisu05 (大鳥居。駅前の街中で存在感を放っている)

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Img_2436_k_ebisu03 (見ざる、言わざる、聞かざる)

Img_2441_k_ebisu04 (願かけ馬 勝馬)

_79継ぎ盤の検討で有力視されていた手が出ました。▲3一金打は、▲3二金引から後手玉を寄せる狙いですが、△5八とが△3九飛成の強襲を見た一着。しかしそこで▲1八玉の早逃げで先手が優勢だといわれています。それでも△3九飛成▲同金△同竜と踏み込むと、飛車を渡したことで▲3二金引△同銀▲同金△同玉▲4三銀△2一玉▲3一飛△同玉▲4一角成から後手玉が詰みます。

Img_4507_hikae_azuma (夕方から姿を見せた東和男八段)

Img_4535_hikae_tida (千田翔太六段は記者に現局面の読みを伝えている)

Img_4521_hikae_kiriyama (まもなくして立会人の桐山九段が継ぎ盤の前を離れ、控室の出入り口付近に移動した)

_73図の局面で△8二竜は、以下▲3二銀成△同銀▲4二金△3一銀▲3二金△同銀▲4二金△3一金▲5三銀と先手が絡んでいけば千日手になるとのことです。実戦は△6八との着手があり、継ぎ盤周りから「これは千日手にならんなー」の声が聞こえました。

Img_4501_hikae_inoue (棋戦によって指し直しの規定は違う。井上九段が千日手について確認していた)

_67郷田王将の大長考に対し、久保九段は5八金を4七に逃げました。控室では代えて▲4八金左をメインに検討していたこともあり、井上九段から「えっ、こうかいな!はー、そうですかぁ!」と驚きの声が漏れています。
以下、互いに少考で71手目▲5二角まで進みました。残り時間はともに1時間ほどです。

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Img_4439_hikae1615 (16時10分、控室の継ぎ盤が2面に増えている)

Img_4407_hikae1510c (村田智穂女流二段が来訪。桐山九段とともに継ぎ盤に注目中)

Img_4414_hikae1510a (井上一門の師弟が継ぎ盤を挟んでいる)

_65_2検討では、変化のひとつとして△7六馬▲4八金左△7五馬▲同馬△同歩▲5三角△6九飛▲4四角成△4三歩に▲3三馬が調べられました。以下△同玉▲4五桂△4二玉▲5三金△3一玉▲3三桂成△同金▲4二銀△2二玉▲3三銀成△同玉▲4五桂△2二玉▲3三金△1二玉▲4三金左と一直線に攻めたとき、△2一桂(変化図)の受けがあるため「先手の攻めが細そう」だといわれています。

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Img_4353_1410oban01 (大盤解説会は盛況で、ほとんどの席が埋まっている)

15時、両対局者におやつが運ばれました。注文は、郷田王将が「フルーツの盛り合わせ」とアイスレモンティー、久保九段が「amaロール」とホットコーヒーでした。

Img_4389_goyatu01 (郷田王将の注文。久保九段が対局1日目の午前に頼んだフルーツの盛り合わせ)

Img_4395_goyatu02 (ボリューム満点)

Img_4399_goyatu03 (久保九段の注文。こちらは郷田王将が本日の午前中に頼んだものと同じだ)