2016年1月

2016年1月25日 (月)

この結果、七番勝負は1勝1敗のタイになりました。続く第3局は2月4日(木)、5日(金)に栃木県大田原市「ホテル花月」で行われます。

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(第2局の棋譜)

以上で第65期王将戦七番勝負第2局の中継を終了いたします。ご観戦ありがとうございました。

共同インタビューを終えた両対局者は、立会人の森下九段とともに大盤解説会場の「安来節演芸館」へ移動しました。

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(両対局者が感想を述べて、最後は深々と一礼し、解説会は終了となった)

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(終局直後の様子)

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◆羽生善治名人へのインタビュー◆

── 1日目が終わった辺りは、どのように感じていましたか?
羽生 こちらから仕掛けたのですが、攻められる展開になって、どれぐらいしのげるかという感じに考えていました。歩の突き捨てとか、細かいところがよく分からなかったです。

── 2日目のお昼頃(△4七歩成の辺り)は、どのように感じていましたか?
羽生 何をやられるか分からなかったので、難しい勝負だと思っていました。

── どの辺りで優勢を意識しましたか?
羽生 と金作って、▲6三銀不成(93手目)で、壁銀の反対側から攻める展開になったところは、少しよくなったかなと思いました。

── 1局を振り返って、どのような印象ですか?
羽生 駒がぶつかって、しばらくの折衝は、お互いに勝負所だった思います。詳しくは調べてみないと分かりません。

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◆郷田真隆王将へのインタビュー◆

── 1日目が終わった辺りは、どのように感じていましたか?
郷田 細かいところが分からなかったですね。ちょっとした違いで、すべて変わってくるので、考えた結果、よく分からなかったです。

── △8六歩▲同銀△6五歩と攻めた辺りは、どのように感じていましたか?
郷田 あの辺りは「何とかなるかな」という感触だったのですが、手が浮かばなかったですね。

── 中盤は壁銀ながら、控室では「いい勝負」と見られていましたが?
郷田 ▲4四飛(67手目)と浮かれて困りましたね。もう少し攻め合う順になればと思ったのですが……△4三歩を打ってしまうと飛車を(△4一飛と)活用できませんし、底歩も利かなくなるので。

── 敗因はどの辺りですか?

郷田 2日目の封じ手のあと▲4八飛(47手目)に、△8六歩▲同銀△6五歩でしたが、あそこは△6五歩▲同歩△8六歩との二択で、本譜の展開を思えば、そちらの方がよかったかもしれません。

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第65期王将戦七番勝負第2局は、17時23分、99手で羽生名人の勝ちとなりました。消費時間は▲羽生6時間45分、△郷田7時間42分。これでシリーズ成績は1勝1敗のタイとなりました。第3局は2月4・5日(木・金)に、栃木県大田原市「ホテル花月」で行われます。

94手目△8五歩まで進んだ局面で、控室の森下九段は「▲5二と~▲5一馬の攻めが厳しく、必至級です」と先手勝勢の見解を示しています。

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(写真左はスポーツニッポン観戦記担当の加藤昌彦指導棋士六段)

16時50分、局面は88手目△6七歩成まで進みました。互いに6筋に歩を打っての攻め合いに突入しています。両者の残り時間は▲羽生名人1時間29分、△郷田王将32分です。

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時刻は16時を回り、76手目△5九馬まで進みました。現局面、駒割りは後手の桂得ですが、森下九段は2二の壁銀を考慮し「先手持ち」との見解。Twitter解説の畠山鎮七段も「先手有利」と見ているようです。

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(外は少しずつ雪の勢いが弱まり、西の空が明るくなり始めている)

実戦は▲6六角から、△3三銀▲3五歩に△3一玉▲3四歩△2二銀と進みました。この△3一玉~△2二銀の受けに、控室の森下九段は「さすが王将といった感じで、この手は指せない手です。凄まじい辛抱ですね」と驚きを隠せない様子です。

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(モニターを見ながら意見を交わす森下九段と阿久津八段)