第59期王位戦七番勝負第3局 Feed

2018年8月 2日 (木)

20180802l図は126手目△1九飛の局面。豊島棋聖が勝負勝負と攻める順を選びました。しかし、高見叡王や屋敷九段、中座七段の検討で、図から▲1八歩△1六歩▲同玉△2八銀不成に▲4一とから後手玉が詰んでいるのではないかといわれていました。手順は△2二玉▲2三金△同銀▲同香成△同玉▲2四銀△同玉▲3六桂△3三玉▲2五桂△3二玉▲4二と△同金▲2三銀(参考図)から後手玉を追い回すもの。ただ、長手数の詰みです。

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菅井王位は▲1八金。「これは怪しいのでは」という空気が流れています。菅井王位はうなったり、大きく息をついたりしています。

20180802_hikaesitu10_2 (18時50分ごろの控室)

20180802k図は118手目△3九銀まで。穴熊だった先手玉は危ない格好になりました。この手は△2八銀打▲1六玉△1八飛▲2五玉△1五飛成▲同玉△1四歩以下の詰めろです。
菅井王位は▲2九金と受けました。堅い守りですが、攻めるための戦力が減った意味もあります。先手玉に詰めろがかかりましたが、決着はまだ先になりそうです。
豊島棋聖は▲2九金に熟考、残り10分を切りました。

20180802_monitor1 (対局室を映すモニターから。菅井王位は羽織を脱いでいる)

20180802j18時15分ごろ、図は117手目▲2六香まで進みました。1筋周辺の攻防が続き、先手玉が穴熊から出てきました。残り時間は▲菅井28分、△豊島22分と、双方30分を切りました。
菅井王位は前期と今期の七番勝負で初めて残り30分を切りました。
図の▲2六香は攻防手。難解な局面が続いているようです。控室の検討でも形勢の判断がつきません。

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20180802h17時20分、中座七段が大盤解説会にゲスト出演しました。野月八段は「穴熊の先手側を持ってみたい」という見解でした。
野月八段と中座七段は一例として、96手目△1五香に▲4一と△同銀▲1四桂が示しました。以下△3二玉▲5二銀不成△同金(△同銀は▲2一竜△同玉▲2二金の筋があります)▲2二金△3三玉▲4一竜(参考図)と進むと先手勝ち筋のようです。

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20180802_ooban8 (中座七段がゲスト出演)

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20180802_ooban10 (およそ500人が来場。指し手が進まない間に解説者が形勢判断を聞く。野月八段が先手持ちで解説していたこともあってか、多くの方が菅井王位よしに手を挙げた)

20180802g図は16時55分ごろの局面。96手目△1五香まで。菅井王位は垂れ歩、豊島棋聖は端攻めで相手陣を攻めかかりました。少しずつ双方の駒が玉に近づいています。
終盤戦に入ろうとしています。

20180802_toyoshima4 (端攻めに出た豊島棋聖)

20180802f図は87手目▲4五香の局面。△4四歩ですぐに取られてしまう香打ちですが、それによって馬筋が止まって△3三馬と引けなくなりますし、△4七歩の攻めも消えます。
▲4五香と攻めることで、自陣の弱点を突かれにくくしているわけで「攻撃は最大の防御」という言葉を地でいくような指し方といえます。「実戦的な手順ですね」と屋敷九段。
図から△4四歩に▲5二歩と菅井王位は垂れ歩攻めに出ました。
形勢はまだ難しいようです。

20180802_sugai4 (2日目朝、駒台の位置を整える菅井王位)