第56期王位戦七番勝負は羽生王位が連勝スタートを決め、対戦成績を2勝0敗としました。本局は北海道新聞・東京新聞・中日新聞・神戸新聞・徳島新聞・西日本新聞の各紙上において、原田史郎さんによる観戦記が8月28日より掲載されます。詳しくはそちらも合わせてご覧ください。第3局は8月5・6日(水・木)、北海道釧路市「六園荘」にて行われます。
]]>インタビューの模様です。
――まず、分かれはいかがでしたか?
羽生 (54手目)△1一玉と引かれたらもうやるしかないと思っていましたが、あとは一直線に負けになるかもしれなかったので、ちょっと怖かったです。他の手が見当たらなかったので、これでどうなるか、という感じで指していました。
――金が出てきて73手目▲4四金と寄った辺りでは?
羽生 端(76手目△9五歩)を突かれて、やはり容易じゃない気がしましたね。△9五歩が想像以上に厳しかったので、はっきりしないと思いながら指していました。
――終盤が長く続きましたが、終盤を振り返っていかがですか?
羽生 ▲4四歩(103手目)の瞬間はあまり成算がなかったのですが、他の代わる手もよく分からなかったので、思い切って行きました。
――自玉が詰む、詰まないで危ない変化もあったと思うのですが?
羽生 そうですね。歩が成って(111手目▲4三歩成)、詰まなければちょっと残っているんじゃないかなと思っていました。
――最後はどの辺りで勝ちを意識されましたか?
羽生 (113手目)▲7七金で、最後は勝ちかなと思いました。
――この勝ち星で、通算1320勝で(現役最多勝の)加藤一二三九段の記録に並びました。その記録について一言いただければと思います。
羽生 そうですね。これを励みに次を目指していくというところですかね。
――ありがとうございます。
――次に広瀬八段にお願いします。後半、受ける展開になったのですが、あの辺りはいかがでしたか?
広瀬 作戦でもありましたし、この展開ではしょうがないところもあったと思います。途中から消去法で手を選んでいったような感じで、終始自信はなかったですね。
――終盤は長かったのですが、際どい変化もあったと思います。いかがだったでしょうか?
広瀬 やはり駒が少しずつ足りないかなという……。
――ありがとうございました。
]]>第56期王位戦七番勝負の第2局は18時55分、117手で羽生善治王位が勝ちました。消費時間は▲羽生7時間48分、△広瀬7時間58分(持ち時間は各8時間)。シリーズ成績は羽生王位の2勝0敗。通算勝数は1320勝で現役1位の加藤一二三九段と並びました(歴代2位タイ)。
広瀬八段は112手目△6三角に39分考え、残り時間が5分になりました。△6三角は△8七桂成以下の詰めろですが、冷静に▲7七金と逃げられて後手が足りないと見られています。実際、羽生王位は▲7七金と指しました。
]]>内藤九段が検討に加わりました。検討中に先手玉が詰む方向に逃げた際、複数の詰み筋が発見されて「余詰め」といった言葉も飛び交いました。余詰めとは詰め将棋において作意手順と異なる手順でも詰む不備のことで、その詰め将棋は不完全作となります。内藤九段は詰め将棋作家としても大家ですが、船江五段も詰め将棋作家として既に実績を挙げています。そのうち船江五段がきっぱりと「詰まないので先手勝ちだと思います」と発しました。
]]>