第55期王位戦七番勝負第5局 Feed

2014年8月28日 (木)

羽生王位は飛車を取らせる間に後手玉を寄せに出ている。控室の継ぎ盤ではさまざまな順が並ぶが、いずれも後手が勝てない。形勢に差がついている。

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控室では、昼食休憩前に指された△7一飛がどうだったのかと言われている。というのも、本譜の進行で先手が大きなリードを奪ったからだ。羽生王位が▲3九香(図)と3筋に柱を据え、以下△3三金右▲3六馬△同銀▲同香△3七角▲3八飛と進行。

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先手は手に乗って攻めが続く格好になった。駒の利きが急所に集まっている。実戦は△1九角成▲3五歩△同歩▲3四歩と進んだ。

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3筋に歩を合わせたのも細心の手順で、清算したときの飛車の位置をずらしてさらなるよさを求めている。「先手は駒得で玉も堅いですからね」と、宮本四段が形勢判断の基本を持ち出す。千田四段は「歩が多いのも心強いです」とうなずいた。先手は自玉の危険や、攻めが切れる心配をすることなく寄せを考えることができる。羽生王位がはっきり優勢になった。木村八段は厳しい状況に追い込まれた。

Img_6630(検討中の船江恒平五段=右、宮本四段)

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控室で検討中の棋士に扇子を見せてもらった。千田四段は森内俊之名人(揮毫当時)の「厲志」。「志を厲(はげ)み常を守る」という言葉がある。香川女流王将が持っているのは羽生善治王位の「玲瓏」。玲瓏は羽生王位の好きな言葉で、音が澄んで響くさま、透き通った美しさを示す言葉だ。扇子は日本将棋連盟デジタルショップでも売られている。

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Img_6543001_2(中の坊瑞苑の庭園。小川が流れており涼しげだ)

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Img_6571■六甲山ロープウェイ
六甲山頂と有馬温泉を12分で結ぶロープウェイ。春は桜、夏は木々の緑、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の眺めを楽しめる。

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Img_6290001■ありまサイダー
かつて有馬温泉の炭酸泉に甘味を加えて飲まれたものが発祥と言われている。明治時代には「てっぽう水」の名前で売られていたが、製造中止になっていた。2002年に「ありまサイダー」として復活。レトロなデザイン、強めの炭酸と上品な甘みが特徴。

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