第51期王位戦七番勝負第5局 Feed

2010年8月26日 (木)

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(左が千日手局の棋譜・右が千日手指し直し局の棋譜)

「千日手局の方は、一日目を終えたところでは、広瀬六段の方を持ちたいと
思っていました。印象に残った手は、103手目の▲6一とと、105手目の△
9七竜です。▲6一とのところでは▲5九歩と受けるものと思っていましたし、
△9七竜のところでは△3七桂成から攻めるのかと思っていました。どちらの
手も予想外でした。最後の千日手の方は、残り時間が少なかったこともあり、
打開するのは難しかったのかもしれません」
「指し直し局の方は、72手目の△3四歩が印象に残りました。すごく良いタイ
ミングの歩だったと思います。そして、その後の指し手も正確だったと思います。
千日手局と指し直し局、両局とも勉強になりました。次の第6局の方も、大熱戦
になるのは間違いなさそうですね」。

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(図は千日手指し直し局、72手目△3四歩)

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千日手局149手、千日手指し直し局120手、
本日は長時間のご観戦ありがとうございました。
広瀬がタイトル初挑戦で王位奪取なるか、
深浦が4連覇へ巻き返しを見せる、注目の第6
局もお楽しみに

(吟)

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千日手局について「朝から終盤戦のようで…。自分から勝ちにいくことが出来ない
ので、千日手は仕方がないと思いました」指し直し局について「かなり苦戦を意識
していました。ヤケクソ気味で勝負にいくつもりで△9六歩(62手目)~△9七歩
~△9六香と。最後の最後までわかりませんでしたが、▲6四香に△同金(116手目)
と取って勝ちを意識しました」(広瀬)

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千日手局について「△7八銀(48手目)があまり…。最後は寄せがあったのかもしれ
ないですね。千日手は仕方がなかったかな」指し直し局について「模様の取り方が難
しかった。攻めを呼び込んだのですが、うまく攻めを繋げられてしまった。駒得にはな
っていたのですが、勢いがなかったです。駒の勢いの差が出てしまいました」(深浦)

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本局は諸事情を踏まえ感想戦が行われず、主催紙へ感想を述べるにとどまった。
第6局は9月1日・2日に神奈川県秦野市「陣屋」で行われる

(吟)

第51期王位戦七番勝負第5局(千日手指し直し)は、120手まで広瀬六段の勝ちとなりました。これでシリーズ3勝2敗となり、初タイトルまであと1勝に迫りました。
終局は26日1時20分。消費時間は▲深浦7時間53分、△広瀬7時間57分。

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図は広瀬が△5二金上とした局面。控え室では「決め手だ」の声が
聞こえてきた。
「△5二金上は銀を取りにいったです。銀が手に入れば、9七に金
駒を打ち込んで詰みそうですね」(澤田四段)

(吟)