2012年8月11日 (土)

91手目、▲5五角の変化

※感想戦コメントより

91藤井「いやーひどかったねー」

▲1五桂が敗着となった。▲1五桂は▲5五角とセットの手で、角のラインとのコンビで穴熊を攻略する狙い。▲5五角と▲1五桂、どちらを先に打つか迷った末に「より穴熊を攻めている感じのする」(藤井)桂打ちを選んでしまった。この違いが大きな違いだった。


Photo▲5五角(変化図)が違う点は、受けに利いている点。▲5五角△3八成香▲同角成△同銀成▲同金△5七金▲4八香△同飛成▲同金△同金▲3九銀△同金▲4一飛(途中図)と詰めろをかけた局面で、▲5五角が自玉の詰めろを消しているのだ。先手玉は狭い上に後手の駒台には角金金銀香歩とあるのだが、この玉はなんと耐えている。


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Photo_4▲4一飛以下、△2八金▲同玉に(1)△2九金は▲同玉△5六角▲3八桂△同角成▲同玉(A図)。角がいて△4六桂と打てない。△4六桂が打てれば▲4八玉△4七香▲同玉△5六銀以下の詰み。

また、(2)△3八金の捨て駒の筋も▲同玉△5六角に▲4七桂(B図)の合駒が利いて詰みなし。桂がないと合駒が悪く、例えば▲4七金は△同角成▲同玉△4五香以下詰む。桂を手持ちにしているのも大きいのだ。他の変化も5五角の利きと桂合いの用意で全てぴったり受かっている。

藤井「△4八香成(90手目)でちょっとパニックになっちゃってね(記者注: 藤井は89手目▲1八玉から1分将棋)。次に△3八成香が詰めろにならないと思ったんだ。どうせ打つんだから先に▲1五桂でも変わらないかと思ったんだけどひどい差だったね」


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(若葉)