2010年5月

2010年5月28日 (金)

20100528_99
▲羽生△丸山戦は羽生の勝ち。これで羽生は挑戦者決定戦へ大きな一歩を踏み出した。同じ白組の▲戸辺△橋本戦の結果を待つことになる。

117
(終局後、両対局者はすぐに別室に移動。隣では▲広瀬△渡辺戦がまだ行われている)

128

123

(文)

20100528_97_kogif
▲木村△大石戦は97手で木村八段の勝ち。終局時刻は18時53分。図の後手玉は▲4一金からの詰めろで、先手玉は詰まない。また受けても一手一手のため、投了もやむを得ない。

114
(リーグ戦を2勝3敗で終えた木村八段)

115
(敗れた大石四段。リーグ戦成績は1勝4敗と厳しい結果に。トッププロとの力の差を見せられたか)

(文)

大きな変化があったのは▲戸辺△橋本戦。

110
20100528_92_th
戸辺六段が「かなりいい」との評判だったが、銀冠を崩され玉が危険な状態になっている。駒割は先手の金得なのだが、図の△8八竜が厳しい手。次に△6八竜▲同銀△4六馬がほとんど必死クラスのため、先手は何か受けを講じなければいけない。形勢は揺れ動いている。

20100528_82_hm
一時は後手どうしようもない、とささやかれていた▲羽生△丸山戦。ところが図で形勢は接近しているようだ。控え室では「こう進むのは意外だった」との評価。

(文)

18時すぎに、ほぼすべての対局者の持ち時間が1時間を切った。一斉対局も、いよいよ佳境を迎える。
控え室には瀬川晶司四段、矢内理絵子女流四段、中村真梨花女流二段、山口恵梨子女流初段が訪れた。女流棋士三人は研究会を終えての来訪。

105
(瀬川晶司四段)

109

107
(山口恵梨子女流初段)

(文)

▲羽生△丸山戦……羽生よし
▲広瀬△渡辺戦……広瀬よし
▲松尾△佐藤戦……松尾よし
▲戸辺△橋本戦……戸辺よし
▲三浦△高崎戦……高崎よし
▲木村△大石戦……木村ややよし

▲広瀬△渡辺戦
20100528_71_hwgif
佐藤和五段に上の局面を解説してもらった。「後手は大駒の働きが悪く、とくに7二の飛車が致命的です。陣形も、後手は金銀四枚がくっついているのですが堅くありません。逆に、金銀二枚ながら馬が守りに利いている先手陣の方が堅いと言えます。次に▲7五馬からと金で金銀をはがす展開になりそうで、先手がだいぶいいと思います」

▲松尾△佐藤戦
20100528_66_ms
横山五段に局面を解説してもらった。「後手の飛車を押さえ込んでいて、先手がよさそうですね。後手は行動を起こすためには盛り上がっていきたいのですが、その手段が見当たりません。先手の5五銀が大きい存在です」

▲三浦△高崎戦
20100528_78_mt
村山五段に局面を解説してもらった。「振り飛車(後手)がいいですね。得した香を8七に成り込んでいます。先手も歩がたくさんあれば、後手の玉頭に手をつけることができますが……。現状ではそれすらできないので、先手が相当苦しいと思います」。佐藤天五段は「後手の持ち歩が全部先手の駒台にあっても後手優勢です」と、検討した結果を教えてくれた。

▲木村△大石戦
20100528_59_ko
再び村山五段に解説を仰ぐ。「先手がいいです。後手は攻めていますが、なかなか攻めを続けるのが難しい局面です。6五の桂が負担になっていて、忙しいです。ただ先手も△6七歩成で金銀が離れて薄くなるので、まだまだ大変かもしれません」とのこと。

(文)

098
▲羽生△丸山戦。先手の四歩得で、伊藤四段曰く「八歩得(歩の枚数差は8枚なので)」。歩以外の戦力は互角なのだが、片上六段によるとすでに「後手がいつ投げてもおかしくない」局面とのこと。長岡四段が解説をしてくれた。「後手は攻める手段が全くない。先手の陣形が手厚すぎるんです。先手からは▲3四歩と桂を攻める手がいつでもある。先手は好き放題に攻めることができて、後手陣は固くないので、一瞬でつぶれてしまってもおかしくない」。盤を囲む棋士の間には先手勝ち、という雰囲気が漂う。「後手の心が折れなければ(指し続けるだろうけど)……」と、早い終局を予感させる声も。

101

(文)