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2019年7月

2019年7月 9日 (火)

検討陣は先手持ちに

2019070970図は17時5分頃の局面。
「後手の7九銀が重い駒になっていますね。ちょっと後手が苦しくなった感じです」(田中寅九段)
「うん。これは重いね。重いよ」(石田和九段)

Img_5452 高島屋ロビーに併設されている駐蹕(ちゅうひつ)の間。明治天皇が立ち寄って休まれた場所だという。

(八雲)

渡辺二冠の長考手

2019070958図は16時15分頃の局面。
渡辺二冠は55分の大長考で△8八銀と打ちました。「ここは△8八とか△8八銀かの二択でした。検討しましたが、どちらがいいのかはちょっと結論が出なかった」と石田和九段。図から▲6八玉△7八とと進んで下図。

2019070960△6八とに、先手は▲同玉、▲同金のどちらも考えられます。今度は先手が二択を迫られています。

Img_5445 高島屋のロビー。有形登録文化財を構成する一部だ。

(八雲)

岩室観光施設

Img_5334 高島屋から徒歩7分ほどのところに観光施設「いわむろや」があります。

Img_5336 ワラで作れた巨大なイノシシがお出迎え。

Img_5338 地元の農産物を販売している。

Img_5341 こちらは地元の名酒「宝山」。

Img_5332 周辺は風光明媚な景色が広がっている。

Img_5328

(八雲)

さらに踏み込む

2019070957図は15時20分頃の局面。
豊島棋聖は控室の予想を上回る激しさで▲7三歩成と踏み込みました。「これはノーガード戦法のようだけど、検討してみると後手の指し手がわからない。油断するとすぐ悪くなっちゃうんだ。いやあ、この踏み込みで先手がやれるとしたら凄いね」(田中寅九段)

Img_5481 15時過ぎ、大盤解説会場にはメイン解説者の佐々木勇七段が登場。

Img_5471 相方は森下卓九段が務めている。

(八雲)

最強の踏み込み

2019070955

図は15時過ぎの局面。
豊島棋聖は△8六歩に手抜きで▲7四歩と踏み込みました。△8七歩成と飛車先を突破させる大胆な方針で、局面は一気に激しくなっています。
「これはどちらかが倒れる変化になるな。いや、凄いね」(石田和九段)

Img_5203 やや模様がいいと見られている渡辺二冠。先手の踏み込みをどう見ているのか。

(八雲)

午後のおやつ

15時を回り対局者におやつが運ばれました。注文は豊島棋聖が「フルーツ盛り合わせ(メロン、ぶどう)」と「リンゴジュース」、渡辺二冠が「イチゴのショートケーキ」と「アイスコーヒー」です。

Img_5466 フルーツ盛り合わせとリンゴジュース。

Img_5465 イチゴのショートケーキとアイスコーヒー。

(八雲)

石田和雄九段来訪

14時45分頃、控室に石田和雄九段が来訪しました。本局の副立会と大盤解説者を務める佐々木勇七段の師匠です。

Img_5460 「これは先手の難局に見えるねえ」と石田九段。

Img_5462 佐々木勇七段が師匠の質問に答える。

Img_5458 師匠と弟子の検討が続く。

(八雲)

散歩とジェラート

午前中に、佐々木勇七段、貞升女流初段と対局場近くの牧場「フジタファーム」が直営するジェラート屋さんを訪ねました。

Img_5279 ぶらぶらと歩いて行くと、道すがらにヤギの親子を発見。

Img_5287 「ヤギって草しか食べないんですか、草だけでいいんだ、ふーん」と佐々木勇七段。

Img_5325 近くを流れる矢川。

Img_5297 10分ほど歩いて、ジェラート店の「ジェラテリア・レガーロ」に到着。

Img_5293 佐々木勇七段は3分ほどの長考で「牧場ミルク(人気No.1)とバナナ・イチゴ・ラズベリーシャーベット」、貞升女流初段は最後まで決められず、店員さんにお勧めを聞いて「牧場ミルク(人気No.1)と森の木の実のプラリネ」をチョイス。

Img_5291_2 牧場ミルクとラズベリーシャーベット。

Img_5300 「これは美味しい! ミルクの味が濃い!」と佐々木勇七段。

Img_5316 帰り道、食事を終えたヤギの親子はお昼寝中でした。

(八雲)

大盤解説会プレオープン

Img_5417 現地大盤解説会は14時30分開始予定ですが、多くのお客様が来場し、局面も進んでいるということで、ゲスト出演予定だった田中寅九段が、「それなら自分がちょっと早めに始めましょうか」といって、14時頃に解説会をプレオープンしました。

Img_5426 田中寅九段は序盤の注目手として▲6六角(27手目)を挙げていた。「新手と言っていいかもしれない。今度自分もやってみようかな」とのことだ。

Img_5431 貞升女流初段も14時から登場している。

Img_5438

(八雲)

岩室温泉と高島屋

対局地の新潟市は新潟県の県庁所在地で、人口80万人を超す政令指定都市です。日本有数の米の産地として知られており、対局場のある西蒲区にも多くの水田があります。

Img_5321 西蒲区には田園が広がっている。

Img_5344 対局が行われているのは新潟市の奥座敷と呼ばれる岩室温泉の「高志の宿 高島屋」。目の前の道は歴史ある北国街道です。

Img_5273 こちらが「高志の宿 高島屋」の本館。
「高志」は「こうし」と読むと一般的に「高くすぐれた志」を表す言葉となりますが、「こし」と読む場合は「高志国」=「越国」を表す意味となります。高志国は、現在の新潟県や、その周辺を含む、越前、越中、越後、能登、加賀などの国が属する地域を総称する呼称で、古事記では高志、日本書紀では越の字で表記されているといいます。

Img_5268 高島屋の建物(本館)は築260年の庄屋屋敷で国の有形登録文化財です。岩室温泉はもちろんのこと、「泊まれる料亭」のキャッチフレーズの通り、素晴らしい和食や新潟の名酒を堪能できます。
高島屋は昭和の時代から幾度も本棋戦の五番勝負の舞台となっており、平成は昨年度まで18回の開催がありました。今期は令和となって初の開催で、高島屋での棋聖戦の歴史に新たな1ページが加わります。

(八雲)

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