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2014年4月

2014年4月30日 (水)

五番勝負日程

羽生善治棋聖に森内俊之竜王・名人が挑戦する第85期棋聖戦五番勝負の日程は以下の通りです。

第1局 6月2日(月)「ホテルニューアワジ」(兵庫県洲本市)
第2局 6月21日(土)「ホテルフォレスタ」(愛知県豊田市)
第3局 7月5日(土)「沼津倶楽部」(静岡県沼津市)
第4局 7月15日(火)「高島屋」(新潟県新潟市)
第5局 7月30日(水)「東京・将棋会館」(東京都渋谷区)

Img_0531(本局の棋譜)

(八雲)

感想戦

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(八雲)

終局直後の様子

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(終局直後の様子)

Img_0434(インタビューを受ける森内竜王・名人)

【森内竜王・名人インタビュー】

―― 今日の将棋は珍しく角道を止めて向かい飛車にされました。
「そうですね。まあ、そういう展開だったということもありました」

―― このところ流行形ではなく、力将棋が多い感じがしますが、そうした方向を心がけているのでしょうか。
「心がけているというわけではありませんが、この将棋も序盤から前例がなく一手一手難しい将棋になったので、考えながらやってみようと思っていました」

―― どのあたりで優勢を意識されましたか。
「最後△6九銀とかけて、こちらの玉が寄らなそうなのでいけるかなと」

―― 棋聖戦挑戦が決まりました。名人戦とは立場を換えて羽生棋聖に挑まれるわけですが、前回の挑戦は75期で10年ぶりの挑戦となります。
「久しぶりですし、前回は1番も勝てなかったので――、今回は頑張りたいです」

―― 名人戦との同時進行になりますが、何か気を付けることなどはありますか。
「持ち時間が異なりますから、切り替えをうまくやっていければと思います」

Img_0446(村山七段はタイトル初挑戦はならなかった)

【村山七段インタビュー】

―― 今日の対局についてお聞きします。69手目に▲6一飛成と踏み込みましたがその辺りはいかがでしたか。
「そうですね。ちょっとゆっくりした展開になると苦しいかなと、勝負手気味にいったのですが、成算はそんなになかったですね」

―― どこがまずかったか、というのはいまわかりますか。
「終盤も難しいかと思っていたのですが、▲4二香成(101手目)のところはいろいろ組み合わせがあって分からなかったです」

―― 初めての挑戦はかないませんでした。
「残念ですが、一所懸命やったのでしょうがないかなと」

(八雲)

森内竜王・名人が挑戦権を獲得

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羽生善治棋聖への挑戦を目指す第85期棋聖戦挑戦者決定戦は19時53分、126手で森内竜王・名人の勝ちとなりました。この結果、森内竜王・名人が挑戦権を得ました。第75期以来2回目の五番勝負登場になります。消費時間は▲村山3時間59分、△森内3時間53分。
五番勝負第1局は6月2日(月)兵庫県洲本市「ホテルニューアワジ」で行われます。

△9四歩が生きて、後手良し

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図は19時25分頃の局面。先手が必死に攻めていますが、後手玉は序盤に突いた△9四歩で懐が広く、先手の攻めが一手足りない模様。「端歩が生きる展開になるとは……」と控室で驚きの声が挙がっています。まだ難しいところはありますが、検討陣の見解は後手良しではっきりしてきました。

(八雲)

再び後手持ちへ

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18時45分、▲4六香までで残り時間は▲村山26分、△森内31分。
▲6五桂の好手で先手が盛り返し、控室の評判はむしろ先手持ちの声が多くなっていましたが、図の2手前に打たれた▲1八角の評判が良くありません。

「先手の攻めが細くなった感じで、自信がありません。▲1八角のところでは▲6五金が有力と見ていたのですが……」(戸辺六段)

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(八雲)

先手、盛り返す

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図の△6四桂打は控室でも有力と見られていた手。対して▲6五香の返し技が考えられていましたが、△同桂▲同銀に△6七香と攻め合いの方針に転じて後手良し。▲6五香が利かないのでは先手が苦しい、そう思われていたところで村山七段は▲6五桂と跳ねました。

▲6五桂自体は▲9八玉と寄ったときからの狙いですが、先手は5六銀が要の駒なので、これを取らせる手は考えにくく控室では盲点になっていました。▲6五桂に△5六桂が自然ですが、▲7三桂成△同玉▲5六歩(参考図)の局面は、玉が7三に寄っているため後手を持って自信がないようです。

控室で盲点になっていた▲6五桂は好手と評判。形勢は互角から、やや先手持ちの雰囲気まで出て来ています。

(八雲)

控室は後手持ち

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17時過ぎの局面。▲7一馬の銀取りに、検討されたのは△6二銀、△5二玉、△2一飛の3種類。△6二銀は▲8一馬で次に▲6四香の狙いが受けにくい。△5二玉は▲4五香が厳しいとされ、現在は△2一飛が最有力と言われています。この手は永瀬六段が指摘していました。
△2一飛で難解ながらも、後手がしのげそうと言われており、控室は後手持ちで見解が一致しています。

Img_0411(17時半過ぎの控室。佐々木慎六段、戸辺誠六段、阿部健治郎五段らが来訪)

(八雲)

村山七段、踏み込む

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17時過ぎ、村山七段がズバッと飛車を切る最強の順に踏み込みました。局面は後戻りの利かない展開へ。先手が攻め切るか、後手がしのぐかの勝負です。
控室では△6一同銀▲7四桂△7二玉▲6四歩△9二飛に、先手が攻めを続ける手段を探していますが、いまのところ明快な順は見つかっていません。

Img_0402(広瀬章人八段と伊藤能六段が検討している)

Img_0407(永瀬拓矢六段も参戦した)

(八雲)

タンドリーで難解

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図は16時30分頃の局面。控室では桂を取る前に▲3五歩が予想されていましたが、村山七段は単に桂を取りました。

「あ、タンドリー」
「タンドリーですか」

控室では次々に声が挙がります。「タンドリー」とは、「単に取る=単取り」と「タンドリーチキン」を掛けた、いわゆるおやじギャグです。将棋界では豊川孝弘七段がおやじギャグの第一人者として知られていますが、先日テレビ番組で取り上げられて大好評を得ました。以来、将棋界ではおやじギャグがすっかり市民権を得ています。

さて、局面のほうは難解です。
図から△3三同角に、最初に検討されたのは▲6五銀。次に▲7四桂の狙いですが、これには△5五桂で「打たれてみると困りますか」と言われて却下。次いで▲6四飛が発見され△同竜▲同角は次に▲7四桂を狙って有力。そこで▲6四飛に△3六竜でどうか、と言われています。

Img_0400(控室には遠山雄亮五段(左)が来訪。振り飛車党の視点から検討している)

(八雲)

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