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2009年6月

2009年6月27日 (土)

ホテルフォレスタの皆さんと

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(検分後に行われた記念撮影。第4局は静岡県伊東市「わかつき別邸」にて)

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打ち上げ風景

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阿久津七段の総評(3)

9420090627_2 △8四香が敗着になりましたね。本譜は▲9三桂から上部を完全に押さえられてしまって、勝負どころを失いました。
代えて△8二香と下から打っておけば、同じように▲9三桂なら△9一飛で、▲8三銀成と成れません。また▲7二角のような手には、△9一飛▲9四歩のときに△3五歩と突く手があります。これなら飛車を取られていないので、本譜に比べると苦しいながらも勝負形でした。(阿久津七段談)

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阿久津七段の総評(2)

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この▲7五歩が受け師と言われる木村さんらしい、積極的な手でした。
ここを▲8六金ですと△4五歩▲同桂△1七角成と進み、次に△1六馬と引く手が香取りと△4九馬の両狙いで味良し。
▲7五歩は△4五歩~△1七角成に▲7四歩を用意するとともに、上部を手厚くする狙いがあります。自玉の近くで怖いところを「やってこい」というのが木村さんの持ち味なので、らしさが出た一手と言えます。(阿久津七段談)

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阿久津七段の総評(1)

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ここは△1三歩のほうが自然なのですが、▲1七飛と浮かれたときに後手が形を崩さずに待つ手が難しいとのことで、△1二歩でした。
具体的には△1三歩以下、▲1七飛△8一飛▲5五歩△同歩▲3五歩のような感じです。後手は8一飛型なので、銀を入手したあとに▲7二銀が厳しくなります。
羽生さんは△1二歩に▲1七飛なら、そこで△1三歩とパスするつもりだったそうです。形を乱さないためとはいえ、ちょっと考えづらい手ですね。
実戦は△1二歩を見ての▲5八飛が積極的な手でした。(阿久津七段談)

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解説場での感想

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「今日はお越しいただいてありがとうございます。序盤に羽生さんが△1二歩と打ったところで、少しポイントを挙げたのかなと思いました。終盤は色々とよれたんですかねぇ?いろんな弾が飛んできたので…ええ、苦労しました。最後▲3五桂と詰めろを掛けたところで、勝ちになったのかなと。また次も悔いの残らないように指したいです。是非、棋聖戦をご注目いただきたいと思います。」(木村八段)

「本当にたくさんの方々に来ていただいて、ありがとうございました。そうですね、△1二歩と下に打ってしまったのが後々まで祟りました。結局△1三歩と突かなければいけなくなったので…。あの一手の遅れが、ずっと響いてしまったような気がします。
今日は残念だったですけれども、また日を改めて頑張ります。」(羽生棋聖)

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大盤解説場へ

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(簡単なインタビューのあと、大盤解説会場に移動する)

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(両対局者が解説場に入ると、割れんばかりの拍手が起こった)

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終局直後(1)

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木村が勝って棋聖位に王手

15520090627 棋聖戦第3局は、155手まで木村八段の勝ちとなりました。
消費時間は木村3時間48分、羽生3時間57分。シリーズ2勝1敗とした木村八段は、初タイトルまであと1勝に迫りました。

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木村ワールド炸裂

11920090627 「▲8七歩が自然でしたが、飛車ですか。木村さんらしいというか、無人の荒野をゆくというか…羽生さんにダメージを与えたいのでしょうね」(島九段)

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終局間近の声

9520090627 島九段「これはいい手です。羽生さんは一点差ゲームに強いので、木村さんは離して勝とうという方針なのでしょうね。」
豊川七段「△9一飛に▲9二歩と打たれて…これは厳しい。▲9三桂は木村さんらしい手でした」
阿久津七段「(控え室に戻ってきて)あれ?▲9三桂!これは終局が早いかもしれませんよ」
島九段「ええ、投了もあり得るかもしれません。しかし羽生さんですからね、何かひねり出してくれるでしょう」
豊川七段「進みましたね。△9一飛に▲8三銀成!渋い!うーん、自分だったらもう△3五歩から動いちゃう」

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大盤解説(2)

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(豊川七段と室田女流初段の大盤解説)

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(一手指すごとに壇上をおりるのが豊川流)

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豊川「90手目△1三歩の局面なんですが、センス良く攻めたいですね」
室田「どういった手がセンスの良い手なんですか?」
豊川「僕が聞こうと思ってたのに(笑)。積極的に行くなら▲2四桂。以下△同歩▲同歩△同銀に▲2三歩と叩いてどうでしょう?形勢はきっと羽生さんが苦しいですね」

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豊川「おっ、次の一手指しましたよ!これは渋い。渋谷の将棋指しだ」
室田「千駄ヶ谷じゃないんですか?」
豊川「千駄ヶ谷は渋谷区なんですよ。そうだ、みなさんここで次の一手考えてみてください。わかったら挙手!僕が個人的に扇子を差し上げます」
観客「先生、モニターに盤面が映っていますけど…」
豊川「…そうか。どうやら僕の扇子が助かりました(笑)」

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羽生、苦戦を意識?

9020090627 「じっと△1三歩。うーん、これは苦戦を意識した手じゃないでしょうか。▲1四桂と打たれる傷を抱えたままでは戦えないという…ええ、粘りに出た手だと思います」(阿久津七段)

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三浦八段が控え室に

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(三浦八段が控え室に。おみやげにハーゲンダッツを持ってきてくれた)

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「アイスですからね。溶けないうちに頂きましょう」(島九段)

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「三浦先生いただきまっす!どれがいいかな…」(豊川七段)

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(三浦八段はここまでの棋譜を並べ返すのに夢中。アイスはどんどん捌けていく)

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16時過ぎの控え室

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大盤解説会(1)

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15時過ぎの控え室

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71手目▲7五歩まで。この手では▲1四歩(△1三歩~△1四歩の防ぎ)が有力と言われていましたが、△9五歩▲同歩△同香▲同香△6五桂▲同銀△9五角で先手難局のようです。

「先手良しかと思ったのですが、いやいやなかなか。当たり前ですが、羽生さんは頭がいいですね」(島九段)

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15時のおやつ

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(羽生棋聖はフルーツ盛り、ホットコーヒー)

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(木村八段は、ジャスミン茶と青リンゴのムース。ホットコーヒー)

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指導対局(2)

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指導対局(1)

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とよたふれあい将棋 フェスティバル

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(午前中は子供将棋大会)

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(ホテルのロビーには盤面を映すモニター)

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(大盤解説の申し込みに長蛇の列)

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対局再開

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おやつのメニュー表

おやつメニュー

【洋菓子】
◇シュークリーム
◇クレームブリュレ
◇フルーツの盛り合わせ(メロン、巨峰、チェリー)
◇ジャスミン茶と青りんごのムース(ヴァンヴェール)
◇パイナップルスープ、八角風味にイチジクのコンポート添え

【お飲み物】
◇ジュース(オレンジ、グレープフルーツ、トマト)
◇コーヒー(ホット又はアイス)
◇紅茶(ホット又はアイス、レモン又はミルク)
◇コーラ
◇ウーロン茶
◇ジンジャーエール
◇ミネラルウォーター

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休憩中

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(対局者名等が入っていないのは、予備の棋譜だからだろう)

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(羽生玉。竹風師作の駒)

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(木村玉。書体は巻菱湖)

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昼食休憩

4620090627_2 この局面で昼食休憩に入りました。消費時間は木村1時間22分、羽生1時間4分。

「▲2五歩か▲2五桂か。次の一手で一局の方針が決まりそうです」(阿久津七段)

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両者の昼食

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羽生棋聖は稲庭うどん、おにぎり、メロン、グレープフルーツジュース。

Kisei_406 木村八段は、寿司盛り、メロン、チョコレートでした。

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前例は2局

4620090627 この局面は過去に実戦例が2局(先手2勝)あり、次の一手はいずれも▲2五歩でした。

「この将棋は、先日私が解説を担当した大和証券杯▲渡辺竜王-△三浦八段戦と同じですね。あの将棋は後手がずいぶんと辛抱する展開だったのですが…」(阿久津七段)

※現在、Flash版の棋譜再生ページでは正しく消費時間を表示できていません。しばらくの間、Java版をご覧いただきますよう、お願い申し上げます。

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昼食のメニュー表

昼食メニュー

【和食】
一、肉うどん、おにぎり、メロン
一、稲庭うどん、おにぎり、メロン
一、天ぷらそば、おにぎり、メロン
一、にぎり寿司、吸い物、メロン
一、天丼、赤出汁、メロン

【洋食】
(A)牛フィレステーキ、カレーライス、季節のサラダ、フルーツ盛り合わせ
(B)大エビフライ、カレーライス、グリーンサラダ、フルーツ盛り合わせ
(C)飛騨牛ハンバーグステーキ、パンorライス、季節のサラダ、フルーツ盛り合わせ
(D)牛フィレステーキサンドウィッチ、フライドポテト、フルーツ盛り合わせ

【お飲み物】
◇ジュース(オレンジ、グレープフルーツ、トマト)
◇コーヒー(ホット又はアイス)
◇紅茶(ホット又はアイス、レモン又はミルク)
◇コーラ
◇ウーロン茶
◇ジンジャーエール
◇ミネラルウォーター

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午前のおやつ

Kisei_385_2 午前のおやつは、木村八段がシュークリームとホットコーヒー。羽生棋聖はホットレモンティ。

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対局開始(3)

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対局開始(2)

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対局開始(1)

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持久戦志向の△5二金

1820090627 「個人的には△5三銀右を見たかったですが…前日の挨拶はリップサービスでしたか(笑)。これは持久戦になります。ここから20手くらいは、このペースで進むでしょう」(阿久津七段)

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分岐点

17 「次の手に注目です。△5三銀右なら急戦、△5二金なら持久戦になります。前日の挨拶で羽生さんは『激しい将棋を指したい』とおっしゃっていたので、△5三銀右かもしれません」(阿久津七段)

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相矢倉に

12 「矢倉模様の出だしになりました。相矢倉は駒組みが楽しい戦型なんですね。例えば図の先手陣は▲6八銀が壁でひどいのですが、一手▲7八金と上がると好形になる。少しずつ出来上がっていく感じを楽しむことができます。え?元阿久津流(△5三銀右型急戦)になるかどうかですか?元…ははは、注目ですね」(ネット解説の阿久津七段)

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対局開始

4_3 オープニング4手目予想は、豊川七段が正解しました。
「対局者と世代が近いので当たりました」(豊川七段)

対局日の朝

おはようございます。新人の光と申します。
烏記者とともに第3局の模様をお届けします。よろしくお願いいたします。

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(現地は「雲ひとつない」快晴。緑が広がるフォレスタヒルズ内にあるホテルフォレスタ)

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朝食のメニュー表

朝食メニュー
【和食A】
一、小鉢 納豆、葱
一、焼物 鯵の干物、出し巻き玉子
一、煮物 大根のスープ煮、巻き湯葉、青菜
一、汁物 あさりの味噌汁
一、漬物 浅漬け
一、御飯 白御飯、またはお粥
一、水物 西瓜、オレンジ

【和食B】
一、小鉢 納豆、葱、なめ茸おろし
一、焼物 塩鮭、出し巻き玉子
一、煮物 揚げと高野豆腐、青味
一、汁物 シジミの味噌汁
一、漬物 浅漬け
一、御飯 白御飯、またはお粥
一、水物 リンゴ、キーウィ

【和食C】
一、小鉢 納豆、葱、新玉葱、若布酢
一、焼物 かます干物、出し巻き玉子
一、煮物 地鶏と信田巻き
一、汁物 あおさと麩の味噌汁
一、漬物 浅漬け
一、御飯 白御飯、またはお粥
一、水物 メロン、オレンジ

【洋食】
・ジュース各種 (オレンジ、グレープフルーツ、トマト)
・プレーンヨーグルト、シチューフルーツ添え
・卵料理各種(フライドエッグ、オムレツ、スクランブルエッグ)
・お肉料理各種(ハム、ベーコン、ソーセージ)
・季節のサラダ
・パン各種、(トースト、バターロール、クロワッサン)
・コーヒー又は紅茶又はミルク

洋食は()内から好きなものをお選び下さい。

(烏)

現地の大盤解説会

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(解説は島九段、豊川七段、杉本七段、阿久津七段。聞き手は室田女流初段、鈴木女流初段が交替でを務めます)

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第80期棋聖戦五番勝負(羽生棋聖-木村八段)第3局大盤解説会
時間
15時30分~終局まで
解説者
島朗九段、杉本昌隆七段、豊川孝弘七段
聞き手
鈴木環那女流初段、室田伊緒女流初段
参加費
2,000円(サイン入り扇子付き)
定員
150名(先着順) ※電話予約可能(参加費は当日受付けにてご精算)
お問合せ・お申込み
ホテルフォレスタ 0565-58-3500(代)

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両対局者の抱負

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「明日は豊田ふれあい将棋フェスティバルということで、多くのお子様、お客様にお越しいただけることと思います。皆様に『将棋って楽しいな、また来年も棋聖戦が来てくれないかな』と思っていただけるように頑張りたいです。棋聖戦も3局目になりました。幸いにもここまで1勝1敗と、1勝することができました。しかし挑戦者はもっと元気良くなきゃいけない、勢いというものを感じさせる将棋指したいのですが、まだ1局目、2局目とまだ足りないなと。これをどういう風に出していくかが、シリーズの課題だと思っております。明日は鼻血が出るくらい積極的に、一生懸命指します」

(木村八段)

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「見回してみると、どこかで見たことのある景色だなぁと。こういうことをデジャヴュなどと言うそうですが、私にも若干その…ええ、今週は一週間こちらに。大変皆様にお世話になっております(笑)。先ほど演奏していただいた太鼓に負けないよう、勢いのある将棋を指したいと思っております」
(羽生棋聖)

2009年6月26日 (金)

松平わ太鼓

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(アトラクションで和太鼓の響演が行われた。「松平わ太鼓」のHPはこちら。)

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オープニング4手予想(2)

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「最初は▲7六歩△3四歩▲2六歩に△9四歩かなと思っていたのですが、羽生さんの先ほどの挨拶を聞いて△8四歩に変えました。横歩取りになると思います」(大盤解説の杉本昌隆七段)

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「▲7六歩△3四歩▲2六歩△3二金から、一手損角換わりになると予想します」(鈴木女流初段)

「▲2六歩△3四歩▲7六歩に…△3三角で。後手向かい飛車と見ました」(室田伊緒女流初段)
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前夜祭参加棋士の横顔

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(2日前に名人位の防衛に成功。棋道師範の鬼頭孝生さんと談笑する羽生善治棋聖)

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(4日前に王位戦も挑戦者に名乗りを上げた棋聖戦挑戦者・木村一基八段)

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(立会人の島朗九段と、解説会聞き手・鈴木環那女流初段)

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(順位戦連続昇級の実力者、副立会人の豊川孝弘七段)

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(地元名古屋市在住の杉本昌隆七段。大盤解説役を務める)

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(地元の方と歓談する、明日のネット解説役・阿久津主税七段)

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(解説会の聞き手を務める愛知県在住の室田伊緒女流初段)

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(聞き手・鈴木環那女流初段と羽生棋聖。中央は名人戦第7局、棋聖戦第3局と連続開催に尽力されたフォレスタヒルズ・小野政秀社長)

(光)

両対局者の夕食

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(前夜祭後の食べ直しは、羽生棋聖は「冷やし麺味くらべ」。木村八段はレストラン「フォンターナ」で洋食コース)

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オープニング4手予想(1)

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「▲7六歩△3四歩▲2六歩に△5四歩。ゴキゲンで行きましょう。お二人にいい将棋を指していただいて、私たちはそれをうまく伝える役目を頑張ります」(立会の島九段)

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「急に聞かれると真っ白になりますね。僕は車を運転するんですが、将棋の符号が浮かぶと危ないんです(笑)。そうですね、▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩の相矢倉だと思います。」(副立会の豊川孝弘七段)

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「▲7六歩が85%、△3四歩が65%、次の▲2六歩が100%です。そこが難しいのですが、私は△8四歩から横歩取りになると予想します。ただ△8四歩は45%。他に△3二金が30%、△5四歩が20%、△3三角が5%といった感じでしょうか。名人戦の第7局で、もし羽生さんが後手番になっていたら何を用意していたか。それを見ることはできそうですね」(ネット解説の阿久津主税七段)

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前夜祭参加棋士

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(右から、大盤聞き手の鈴木環那女流初段、立会の島朗九段、副立会の豊川孝弘七段)

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(右は大盤解説の杉本昌隆七段、左はネット解説の阿久津主税七段)

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(右は記録係の牧野光則三段。左は大盤聞き手の室田伊緒女流初段)

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前夜祭の挨拶

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(立会人・島朗九段の挨拶)

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(吉田万佐敏・豊田市教育長の挨拶)

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(村端達也・トヨタ自動車総務部部長の挨拶)

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前夜祭の料理

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(光)

揮毫

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(棋道師範の鬼頭孝生氏の依頼で、盤に揮毫をする島朗九段)

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(続いて木村一基八段)

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(羽生善治棋聖)

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検分の様子

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(検分では盤駒や照明、室温などを確かめる。ひと通り終わって、また一礼)

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マイクロバスの中で

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(ネット解説の阿久津主税七段、大盤聞き手の鈴木環那女流初段)

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(車中で詰将棋)

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名古屋駅到着

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(羽生棋聖とは名古屋駅で合流。2台のマイクロバスでホテルフォレスタへ)

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東京駅

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(13時10分発のぞみ31号博多行きで名古屋駅へ)

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(東京駅での木村八段。羽生棋聖は名古屋駅で合流して、マイクロバスで対局場へ)

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2009年6月19日 (金)

終局後の大盤解説会インタビュー

終局後に大盤解説会に両対局者が登場したときのやりとりを紹介します。桐山九段が進行役でした。

桐山「ただいま棋聖戦第2局が終わり、挑戦者の木村八段の勝利となりました。お疲れの両対局者に、勝因と敗因をひとことずつ言っていただきたいと思います。
 それではまず待望の1勝をあげられた木村八段、勝因はどのあたりですか」

木村「最後、スレスレで詰まないので勝ちかなと思いました。途中は駒得しましたが、自陣に受けさせられる展開だったのでちょっとまずいかなと思っていました。最後の方は飛車取りあったあたりからいけるかなと…」

桐山「そこでだいたい行けるんじゃないかと…」

木村「そうですね、詰めろなので」

桐山「駒得をして、木村八段の良さが出ましたね」

木村「王を逃げられたり、どんどん怪しくなっているんじゃないかという気もしていましたので、全然楽観はしていませんでした」

桐山「では、残念ながら敗れた羽生棋聖もひとことお願いします」

羽生「お昼休みが明けて、△3六歩と垂らされたところがあるんですけれども、▲3八歩と受けてしまったのが…、この一手がちょっとまずかったという気がしますね。この2手の価値がすごく違って、そのあとはちょっとずつ苦しいという気がします」

桐山「それに代わる手は?」

羽生「▲3四銀のほうがまだよかったですかね。うまくいくかどうかわからないですが、局面としては銀を打つしかなかった」

桐山「ちょっとずつ足らないですか」

羽生「攻めていっても結局攻めにならなくて、あとの△8七歩とかが厳しかったのでまずかったですね」

桐山「両対局者には残り3番、全力でいい勝負を見せていただきたいと思います。今日はたくさん来ていただいてありがとうございました」

(翔)

棋譜用紙

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(棋譜用紙)

本日もご観戦ありがとうございました。

(翔)

感想戦:その他

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(関係者が感想戦を見守る)

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(対局室から見える風景)

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(西川四段も感想戦を見ていた)

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(羽生棋聖が立ち去ったあと、追加取材に応じる木村八段)

(翔)

感想戦:羽生善治棋聖

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(敗れた羽生善治棋聖。「いやーダメですね」)

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450

(翔)

感想戦:木村一基八段

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(1勝1敗のタイに戻した木村一基八段)

427

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(翔)

大盤解説会場を退場

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(大盤解説会場でのインタビューは5分ほど行われた)

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(羽生棋聖が子供に呼び止められる。このあと写真撮影に応じていた)

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(対局室に戻る木村八段と羽生棋聖)

(翔)

大盤解説会場にて

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(羽生棋聖が「▲3八歩がまずかった 」と述べるとなぜか会場から拍手が。実は桐山九段が解説時に「羽生さんが『▲3八歩がまずかった』と言ったら私は汚名返上です」と言っていた。桐山九段に対して贈られた拍手だった)

408
(14時からの大盤解説でほとんどの時間、出演していた村田智穂女流初段も見守っている)

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(立会人の桐山九段が司会進行役)

(翔)

両対局者、大盤解説会場へ

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(両対局者が大盤解説会場に登場)

389
(木村八段がしゃべる間、天を仰いでいた羽生棋聖)

394
(木村一基八段)

(翔)

対局室に残されたもの

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(盤上に残された投了の局面)

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(木村八段の残り時間は11分)

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(羽生棋聖の残り時間は12分)

敗れた羽生善治棋聖

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(敗れた羽生善治棋聖。▲3八歩(41手目)を猛省していた)

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(関係者に促され、大盤解説会場へ)

(翔)

木村一基八段、タイトル戦初勝利

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(終局直後)

381
(インタビューに答える木村一基八段)

387
(ついに呪縛から解き放たれた)

(翔)

棋聖戦第2局は木村が勝利

9820090619 洲本市「ホテルニューアワジ」で行われた第2局は、98手まで木村八段の勝ちとなりました。終局は18時32分、消費時間は羽生3時間48分、木村3時間49分。

(烏)

18時25分頃の控え室

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(控え室は終局を待つ雰囲気。検討の駒は動かされていない)

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西川四段(写真右)「△3三銀打(70手目)が好手でしたか」

(翔)

急展開(90手目△2七角)

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70手目あたりからバタバタと手が進み、あっという間に△2七角。控え室では後手勝勢と見られています。
ついに、木村八段は「着物での初勝利」となるのでしょうか!?

(翔)

親子解説

318
(やはり親子がそろったら親子解説)

346
(西川慶二七段)

353
(西川和宏四段)

371
(18時を回り、指し手が早くなってきている)

(翔)

パラパラ写真

300
(63手目▲6九玉に対して…)

301
(△8七銀打をやってみましょう)

303
(▲8七同金△同銀成▲5四角)

306
(△5四同歩▲4四角△同歩▲5三銀。これが詰めろで先手が勝ちそうですが…)

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(△7八銀▲5九玉△8六角が王手銀取り! これは先手大失敗)

(翔)

大盤解説会(17時頃)

275
(大盤解説会には副立会人の安用寺孝功六段が登場)

297
(引き続き聞き手は村田智穂女流初段)

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(63手目は▲6九玉! 村田「ここが次の一手だったら正解はいませんでしたね」)

(翔)

羽生棋聖、長考

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(△8四飛まで、羽生棋聖が次の手を考えている。30分以上考えて残り1時間を切った模様。大盤解説会ではこの局面で「次の一手」を出題したため困惑しているらしい)

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(控え室)

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(検討でも正座を崩さない西川四段)

(翔)

16時頃の控え室

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(浦野七段・東七段が検討中)

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(控え室から見える風景)

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(検討の局面)

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(こちらは現局面)

(翔)

ちびっこvs西川親子

225
(大盤解説会場では、合計12人の子供たちが挑戦する指導対局が予定されている。現在は西川慶二七段・西川和宏四段の親子が登板している)

242
(西川慶二七段)

227
(西川和宏四段)

244
(さまざまな手合いで指されている)

(翔)

15時半頃、大盤解説会場にて

184
(大盤解説会場は徐々にお客さんが増えてきた)

187
(ネット解説の浦野七段が、大盤解説会にも登場)

195
浦野七段(▲5六角の局面の見解を問われ)「立会人だとあまり形勢がどうこうとは言いにくいんですが、今回はネット解説。むしろはっきり言ったほうがいい。で、私は下(先手)のほうが景気がいいと思います。(▲6五角と▲2三角成の)両方の狙いが受かりませんので」

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(翔)

15時頃の控え室

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(15時前後、ばたばたと指し手が進む)

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(ホテル前の海は、紀淡海峡あるいは友ヶ島水道と呼ばれるエリア。その名の通り、海の向こうにうっすらと見えるのは和歌山県の友ヶ島)

(翔)

15時のおやつ

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(羽生棋聖のおやつはフルーツ盛り合わせとホットレモンティ。フルーツは「ビワ以外」というリクエストがあったそうだ)

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(木村八段のおやつは和菓子2種類とホットコーヒー)

(翔)

西川和宏四段来訪

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(控え室に西川和宏四段が来訪。昨年10月にプロデビューしたばかりの若手で、西川慶二七段の子息でもある)

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慶二「あれ? 何しにきたの?」
和宏「はい、勉強です」
慶二「じゃあ仕事あげるよ。指導対局ね(笑)」

(翔)

対局場と周辺

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(対局場は「ホテルニューアワジ」。関西の方にはCMソングでおなじみの宿)

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(海を眺めながら泳げるプール)

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(大盤解説会場の入口)

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(フロントには巨大な芸術品)

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(ホテルの前には人工滝)

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(山を越えると洲本城がある)

(翔)

大盤解説会

14時から、ホテル内で大盤解説会が行われています。

141
(トップバッターは村田女流初段と桐山九段)

139
(桐山清澄九段)

180
(村田智穂女流初段)

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(桐山九段「次の手、わかる方いますか?」)

(翔)

今度は・・(41手目▲3八歩)

20090619_41 昼食休憩前に「▲3八歩はさすがに絶対に打たないと思います」と語っていた立会人・桐山九段。しかし羽生名人が指した41手目は▲3八歩でした。初手からの4手を的中させた桐山九段でしたが、ここでは大外れ。
対局室で▲3八歩を見届けた桐山九段は退室後40分ほどしてから控え室に戻ってきて、「雲隠れしていました」と苦笑い。

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(苦笑い、照れ笑い)

(翔)

木村八段

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(顔をしかめる木村八段)

106
(終始険しい表情)

(翔)

羽生棋聖

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(41手目を考える羽生棋聖)

115

(翔)

13時、対局再開

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(淡路アマチュア将棋連盟の方ら、地元の将棋ファンが観戦)

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(木村八段が入室)

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(羽生棋聖も入室)

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(13時、対局再開)

(翔)

昼食休憩の対局室

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(昼食休憩の対局室)

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(40手目△3六歩まで)

073
(ごおごお銀)

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(棋譜用紙)

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(対局室から海を見下ろす)

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(対局室に生けられた花)

(翔)

昼食休憩までの流れ

4020090619
「戦型は予想通り、木村さんは挑戦者決定戦でもこれで勝ったわけですからね。これに対して羽生さんの作戦が注目されたわけですが、33手目▲2四銀がやってみたかった手ということだと思います。
木村さんも本譜の順は想定内で、38手目△5五銀打はおそらく研究の一手でしょう。
現局面はひとつ間違えると、踏み込まれてひどいことになりますので、羽生さんが慎重に考えているところです。候補は▲5九角、▲2六飛。この△3六歩に対応しなければいけないですね。
▲5九角や▲2六飛は乱戦になる可能性があるので、手堅く指すなら▲3八歩ですが…これは指しにくい。先手の方針としては、局面を収めて銀冠、ですね。」(浦野七段)

(烏)

両対局者の昼食

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(羽生棋聖の昼食はてんぷらうどん&おにぎり2個)

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(木村八段の昼食は、牛肉入りのそば)

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(「多めで」のリクエストに応えてボリュームたっぷり)

(翔)

第80期棋聖戦記念扇子

羽生棋聖が「芳」、木村八段が「麗」と揮毫した棋聖戦記念扇子です。

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(扇子を持っていただいたのは…)

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(観戦記担当の東和男七段でした)

(翔)

桐山棋聖の扇子

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第48期~50期で棋聖戦三連覇を果たした桐山清澄九段の扇子。アマ強豪の中平貴将さんが持参したものです。手のモデルは村田智穂女流初段。

(烏)

乾杯と歓談

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Kisei_171 Kisei_189

(烏)

感謝状贈呈

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日本将棋連盟理事の西川七段から、洲本ライオンズクラブ会長の斉藤勝巳さん(左)、淡路アマチュア将棋連盟会長の島本安郎さんに、当地での普及活動に対する感謝状が贈られました。

(烏)

11時15分頃の局面

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(40手目△3六歩まで)

(翔)

10時50分頃の控え室

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(控え室の継ぎ盤は、熊澤さんが持参したもの)

上写真の盤駒について、熊澤さん「駒は25年くらい前に作った古いものです。盤は古いものを削って、自分で漆で線を引きました。駒作りに使う筆を使って…まぁ遊びですわ」

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(桐山九段、浦野七段ら。こちらの盤は、熊澤さんが開発した「将棋チェスト」。下部に駒台と駒を収納でき、卓上盤を載せることができる)

(翔)

「ごおごお銀!」(38手目△5五銀打)

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(村田女流初段、安用寺六段らが検討中。検討の局面は「△4四銀」)

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(離れた場所でモニターを見ていた浦野七段が「ごおごお銀!! ひょえー」。村田女流初段も驚いたようす)

20090619_38_2一手損角換わりとなった本局、途中(32手目△8二飛)までは挑戦者決定戦▲稲葉陽四段-△木村一基八段戦と同一でした。
控え室にどよめきが起こったのは左図。従来は△4四銀や△3三歩が指されていました。
▲5六歩なら△4四銀と引いておき、5七に空間ができます。
またこのまま5五に銀がいれば、△6五歩と伸ばす手が生じます。
(翔)

ネット解説は浦野真彦七段

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(ネット解説の浦野真彦七段。棋譜コメント欄で浦野節をご堪能ください)

(翔)

10時半のおやつ

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(羽生棋聖はコーヒーのみリクエスト)

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(木村八段のおやつは和菓子とコーヒー。和菓子は「手で食べられるもの」というリクエストがあったそうだ)

(翔)

対局開始

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(よろしくお願いします)

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(2手目が指された直後)

(翔)

木村一基八段

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(鋭い眼光)

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(羽生棋聖がめがねをふく間、じっと盤を見つめる木村八段)

浦野七段「背中がかっこよかったね~」

(翔)

対局開始を待つ 羽生善治棋聖

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(めがねをふく)

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(福間二段)

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(傍らのお盆を整える)

(翔)

駒を並べる

023
(羽生棋聖が王将を据える)

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(駒音高く玉将を置いた木村一基八段)

030

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(使用される駒は、熊澤良尊さん作の「古水無瀬」。熊澤さんは昨日から現地に入っている)

(翔)

両対局者、入室

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(先に木村八段が入室)

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(木村八段が席に着いた直後、羽生棋聖も入室。こっそり覗いていたかのようなタイミングだ)

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(ぐるっと回って席に着く)

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(礼をして、駒を並べ始める)

(翔)

対局室

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(対局室はホテルの最上階・11階)

(翔)

正副立会人と記録係

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(正立会人・桐山清澄九段)

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(副立会人・安用寺孝功六段)

015
(記録係・福間貴斗二段)

(翔)

4手予想正解は・・・

昨晩、対局場を訪れている棋士に出だし4手を予想していただきました。
実際の指し手は▲7六歩△3四歩▲2六歩△3二金。立会人の桐山九段の予想がぴたりと当たりました。

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(ズバリ的中にニッコリ、桐山九段)

(翔)

第2局開始

午前9時、対局が始まりました。

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(羽生善治棋聖の初手は▲7六歩)

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(挑戦者・木村一基八段の2手目は△3四歩)

(翔)

まもなく第2局開始

おはようございます。本日もよろしくお願いいたします。

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(午前6時頃)

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(午前7時頃)

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(波は穏やか)

(翔)

免状授与

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長い間、棋聖戦の担当記者を務めてこられた産経新聞の保坂勝吾さんに、将棋連盟から感謝を込めて四段免状が贈呈されました。

(烏)

2009年6月18日 (木)

出だし4手の予想

棋士の皆さんに出だし4手の予想をうかがいました。

桐山清澄九段(立会人)
「▲7六歩△3四歩▲2六歩△3二金から、一手損角換わりになると思います」

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安用寺孝功六段(副立会人)
「▲7六歩△3四歩までは100%。以下▲2六歩△8四歩から一手損角換わりになると思います」

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東和男七段(観戦記担当)
「▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩で普通の相矢倉になると予想します」

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浦野真彦七段(ネット中継解説)
「▲2六歩△3四歩▲7六歩△3二金で一手損角換わりでしょう」

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西川慶二七段(日本将棋連盟理事)
「▲7六歩△3四歩▲2六歩△8四歩で横歩取りではないでしょうか」

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村田智穂女流初段(大盤解説会聞き手)
「▲7六歩△8四歩▲6八銀△3四歩。予想というより、がっぷり四つの矢倉が見たいです!」

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(翔)

よろしくおねがいします

烏記者とともに第2局の模様をお届けします翔です。よろしくお願いいたします。

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(前夜祭の最後に両対局者が壇上に揃う)

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(司会の「両対局者に盛大な拍手をおねがいします」で一礼)

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(両対局者が退室)

(翔)

前夜祭の料理など

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(烏)

前夜祭挨拶

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「当地での開催は14年目ということで、私自身も最初に棋聖戦が行われた平成8年で対局者として来させていただきまして、今回で6回目になります。
今までは徳島まで飛行機で来ていたのですが、今回は初めて神戸に出て明石海峡大橋を渡ってきました。バスで移動しながら、改めて淡路島の広さを実感しました。」(羽生棋聖)

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「こちらに来たのは初めてなのですが、海が綺麗で感激しました。なんとなくですが、明日は良い将棋が指せそうなだなぁという気もします。あのー、棋聖戦は今回が2局目で、1局目は残念ながら負けてしまいました。ですから個人的には、なんとしても、どうしても、絶対っ!勝ちたいと思っています。」(木村八段)

(烏)

検分(2)

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(右、立会の桐山清澄九段。左、記録係の福間貴斗二段)

桐山九段「福間君、駒が見当たらへんのやけど、あっちかいな」

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福間二段「この下でしょうか?」
桐山九段「そうかそうか…ってこんなとこにはあらへんやろ(笑)」

(烏)

検分(1)

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(烏)

淡路サービスエリアにて

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(左・淡路サービスエリア名物の観覧車)

Kisei_059_5 (右・石碑の前で。「修学旅行みたいですね」といわれて苦笑する両雄)

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(左・微妙な距離感で歩く)

(烏)

新神戸駅

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(13時58分、新神戸駅着)

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(ここからはバスに乗って「ホテルニューアワジ」へ)

(烏)

東京駅

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(東京駅11時10分発の、のぞみ23号で新神戸まで)

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(棋聖戦第2局は、ネット解説に浦野真彦七段。棋譜コメントとブログは烏、翔記者が担当いたします。よろしくお願いいたします)

(烏)

2009年6月 9日 (火)

打ち上げ

緊迫の対局とはうって変わって和やかな雰囲気の打ち上げ。
立会い人の藤井九段を挟んで、それぞれ談笑する両対局者。

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(吟)

【梅田望夫観戦記】 (9) 一致していた両対局者の大局観

 午後5時半に対局室に入ったときは、木村さんが97手目▲9四歩を指したところだった。

 そこから約2時間後の午後7時29分、木村さんは一分将棋まで頑張り続け、最後に50秒、1-2-3まで読まれたところで、駒台に手を置いた。

 終局後、いちばん興味があったのは、控え室で大きく割れた大局観について、対局者二人がどう考えていたかであった。

 羽生、木村、二人の大局観は、先手有利でぴったりと一致していた。

 勝者・羽生棋聖の感想第一声は、

 「駒が偏り過ぎて、攻め味がなくなって、作戦負けだった。仕掛けられてダメでしょう。先手の銀二枚のおかげで動けなくなってしまった。」

 だった。

 敗者・木村挑戦者のほうは、

 「▲6八角で十分やれそうだと思ったし、序盤もまずまずだったのに、そのあと乱れてしまった。相手の端攻めはそこしかないと思ったけれど、意外にうるさ かった。王さまがのこのこ出て行って、結局はダメだったけれど、そのときは良かったと思ったんだから、仕方ありません。▲9三歩成が悪かったような気がし ます」

 と語った。

 羽生棋聖は、「やる手がなくなってしまって、囲いに行くのではだめですね」と、穴熊は不本意という様子だった。このことについて、大局観をやや異にする深 浦王位は、「穴熊にすることについてはそこまで悪いと思わない、その直後の△8四飛が△8二飛なら穴熊の陣形も堂々として十分だったと思う」と語った。

 「ねじり合い」の入り口となった▲6八角の時点では、木村さんの感想通り、先手が少しよく、その直後の▲4五銀(79手目)が緩手で、▲9三歩成(103手目)が悪手で、そこから先は形勢が大きく傾いたというのが、難解な感想戦のエッセンスのようであった。

 木村さんで印象的だったのは、体調も少し悪いうえに敗戦直後だったにもかかわらず、大盤解説会でもじつに快活にファンと接し、感想戦では観戦記者への気配りを見せ続けていたことだ。

 親友の野月さんが言う「繊細、気配り、優しさ」に溢れた素晴らしい振る舞いだった。

 そして午後9時、感想戦が終わり、羽生棋聖が席を立った直後、一人残った木村さんは、朝から12時間休むことなく記録をとった天野三段のほうを向いて、「本当にお疲れ様でした」と、微笑みながら、じつにやさしく声をかけた。その顔がなんとも言えずよかった。

 その顔を見て、昔読んだ、先崎学八段の木村評

 「盤の前では鬼のような男だが、盤を離れるとちょっぴり人がよすぎる。 (中略) 木村君は涙もろいのである。勝って泣き、負けて泣く。人のお祝いでも泣く。だから仲間に好かれ、ファンに好かれるのだ。」(「将棋世界」2006年2月号)

 こんな言葉を思い出したのだった。

深浦王位のコメント(2)

7920090609
感想戦を聞いて追加します。
木村八段の攻めは、79手目▲4五銀(上図)に代えて、▲2五桂△2四銀上▲1三桂成△同銀▲4五銀という藤井九段の指摘があり、両対局者とも納得していました。

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受けに関しては102手目△5五銀に対して、▲同銀直△同角▲8六歩と受けておけば、先手玉に寄せが難しかったようです。その2点が大きな分かれ目となりました。

(烏)

感想戦2

木村八段は咳がひどいため、マスクを着用しての感想戦となった。

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                                                    (吟)

深浦王位のコメント

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序盤は羽生棋聖の急戦矢倉に対して、木村八段が5筋と6筋に位を張る将棋になりました。以降は羽生棋聖が穴熊に組み直して、先手の厚み対後手の堅さという図式に。

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両者の持ち味が出た序中盤が進み、71手目の▲3五歩が積極的な手でした。ここは先手がやや作戦勝ちかと思います。
そこから木村八段が攻めまくるのかと見ていましたが、行かずに引く手(77手目▲6八角)が木村ワールド。一転して羽生の攻め、木村の受けという展開になりました。

木村さんの局後に「受け間違ったようです」と話していました。これは玉が四段目に行ってからのことだと思いますが、羽生棋聖が優勢から勝勢へと持って行く流れはさすがでしたね。

第2局は、やはり相居飛車戦になるとは思います。木村八段が待望の1勝を挙げるには、もうひと工夫が必要なのかもしれません。

(烏)

感想戦

感想戦はまだ続いている。

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(吟)

対局者、大盤解説会場へ

感想戦が行われる前に、大盤解説会場へ姿を見せた両対局者。
まだ興奮冷めやらぬうちの対局者の登場にファンは大喜び。

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みなさん、携帯電話を手に思わず撮影

(吟)

羽生棋聖、開幕戦を制す

19時29分、142手で羽生棋聖が勝利を収めた。
138手目「△4四銀とぶつけて良いかと思った」と羽生棋聖。
一方の木村八段は「序盤はまずまずだったが、乱れてしまった」と語った。

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終局直後の羽生棋聖、激闘のあとがうかがえる。

(吟)

第1局は羽生棋聖が勝利

14220090609 五番勝負第1局は、羽生棋聖が勝利を収めました。消費時間は木村3時間59分、羽生3時間57分。

「投了図は△7五馬の詰めろなのですが、▲同金は△同角成で必至。7六歩も△6七馬▲同金△9六金で詰み。▲7七香も△同角成▲同金上△7五馬まで。一手一手の寄りとなります」(深浦王位)

第2局は6月19日(金)に兵庫県「ホテルニューアワジ」で行われます。

(烏)

粘る木村八段

控え室では終局は近いと立ち上がって見守っているが、
「千駄ヶ谷の受け師」の異名はダテではない。懸命の粘
りに出て簡単には土俵を割らない。

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(吟)

決め手か

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図の「△9五角が決め手か」と控え室。しかし次の▲同角が控え室でも読んでいない手。
▲9五同角はダメそうと思われていた。ただ木村八段も持ち前の粘りをみせるが、以下
△9三香▲7三角打△8三飛▲8五桂△6六銀▲同金に△9二香が後手の用意の一手
で羽生勝ちの結論が出た。

(吟)

解説会場の深浦王位

深浦王位と藤井九段との解説から。
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「図の▲5六銀に対して△5五銀▲同銀直△同角▲同銀△8五銀
▲9七玉△9六歩▲9八玉△8六歩で後手としては角は切ったも
のの、先手玉を下に落として有力な1つの手順です。」と深浦王位。

(吟)

佳境に入る

控え室の検討でも、みなが前のめりで読み始める。
99手目▲9六玉に「木村さん、居直ったか」「これは木村ワールドだったか」
「簡単には寄らないぞ」の声がとぶ。

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(吟)

17時、再び解説会場

17時、こんどは深浦王位の登場、そして藤井九段との豪華なダブル解説。
60名ほどの将棋ファンが現地へ駆けつけ、解説を堪能。
また次の一手クイズで78手目、羽生棋聖の△2二金上を当てた12
名の方が、深浦王位や藤井九段の直筆色紙をプレゼントされた。

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(吟)

【梅田望夫観戦記】 (8) 「ねじり合い」の入り口

 午後4時、控え室での30分の真摯な検討内容をだいたい頭に入れて対局室に入った。71手目▲3五歩に対して、羽生棋聖が長考に入っているところだった。 そこから77手目▲6八角が指された(激しい▲3五角ではなく)ところで、控え室に戻った。「攻める木村の誕生だ」と盛り上がっていた検討陣は、▲6八角を見て、「やはり木村さんは木村さんだった」と総括していた。

 「▲3五歩から▲6八角までの指し手は木村さんにしか指せない手でしょう。これで「ねじり合い」の入り口に入ったと言えるでしょうね」とは深浦王位。

 「とにかく『▲3五歩から▲6八角』という一連の手順は、控え室では少なくとも候補に挙がらない手でした。僕のイメージしている『ねじり合い』というのは、一つのイメージですけど、お互いせめぎあってる感じ、どろどろした感じ。力と力の比べ合いというか。木村さんがどこまで意図的かわかりませんけど、簡単には攻めつぶせない羽生陣に対して、少しちょっかいを出して、角を引いたわけですよね。これは、相手の読みを簡単にさせないというか。ちょっかいを出して一歩引いたというのが、木村さんらしい、ねじれた現象というか。戦っていて、ふっと引いて、間合いをはかる。「ねじり合い」というのは、トップギアではないと言えるかもしれませんね。トップギアではなくてセカンドギアなんだけれど、あとを考えるのがより難しくなるのが「ねじり合い」ということかなと思い ます。たとえば▲3五角だとすれば、谷川先生の『光速の寄せ』的なのですが、そのあとを考えるのは『ねじり合い』よりも簡単になります。」

 と、深浦王位は、いかにも言葉にするのが難しいという様子だった。

 「先ほど、控室のプロ棋士の皆さんでの検討、大局観が大きく割れたあたりというのは」と尋ねると、「駒の効率、対、堅さ。どれを重く見るかですね。堅さをみたのが僕と渡辺君、厚みとか駒効率を重く見たのが、藤井さんや飯塚さんでしたね。いずれにせよ、『木村流でねじり合いの入り口に入った』と言えると思います。」

 こう話して深浦王位は、「僕の頭もねじれてきたような気がするなあ」、とつぶやきながら大盤解説会場に向かった。

奮闘する立会人

控え室では立会い人の藤井九段の軽妙な解説が
ポンポンと飛び出している。詳細は棋譜中継の方
でお楽しみ下さい。

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(吟)

のど飴

朝から時折、木村八段の咳がきこえる。少し前からなかなか咳が止まりにくい
との事だが、盤の横にはお茶とともに2つののど飴が。早く直し、万全の体調
で2局目以降に臨んでもらいたいと思う。

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(吟)

中庭

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中庭に出ると見事な竹林が広がっている。

竹林の右奥に見える窓が対局室

(吟)

手を渡す

ここで▲8七歩△8四飛で先手に手番が渡ったが、ここでの指し手が悩ましいようだ。
控え室の検討も熱を帯びてきた。

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(吟)

【梅田望夫観戦記】 (7) 揺れ動く局面、割れる大局観、そして膠着状態か

 藤井九段と飯塚六段は大盤解説で「先手の模様がいい」と断言して控え室に戻ってきた。

 ここまでここで報告してきた、深浦王位と、自宅からメール参加の渡辺竜王の後手良しという大局観と真っ向からぶつかっている。「勝敗は置いておくとして、模様だけなら先手がいいですね。でも、穴熊は勝敗にこだわる戦型だからね」「渡辺君は穴熊が本当に好きなんだねえ」「羽生さんはここは難しいと思ってました、ってあとで絶対に言うよ」とは、藤井九段。

 そして、「後手がいいって、具体的に何がいいのか言ってくださいよ」と藤井九段が言い、深浦王位、青野九段を交えて、羽生棋聖が穴熊を完成させた64手目の局面から、検討に熱が入ってきた。


 羽生さんの言葉

 『でも、将棋の局面というのは、つねに揺れ動き続けているようなものなんですよ。或るプロ棋士に訊いてこっちが良いと言っても、違うプロ棋士は自信がない、と言う。タイトル戦に限らず、大部分の対局は、その微妙なギリギリのところで、ずっとずっと揺れ動き続けているものです。』(「シリコンバレーから将棋を観る」第七章)

 が頭によみがえってくる。


 「しかしここまで大局観が割れることも珍しいなあ」とは、「将棋世界」観戦記担当の小暮さん。

 そして羽生棋聖は一手パスのような手を指し、指し手が70手目までの現段階で、局面は膠着状態に入ったのだろうか。

 対局者二人は果たしてどんな大局観を持っていることだろう。


 検討を進める藤井九段は、先手に絶対の自信を持っているようだ。「勝ちはもう三種類出た」と断言している。渡辺竜王と電話で話そうというような冗談まで出ている。

 深浦王位は、まったく納得していない。



(追記)

 藤井九段の構想通りの▲3五歩を木村挑戦者が指したのを見て、「新しい木村の誕生だ、攻める木村だ!」と、藤井九段。

(追記の追記)
 30分の真摯な検討の末、藤井「互角だ……バランスがとれている」。

控え室にも

Kisei_092 (控え室にもケーキが。ありがとうございます)

(烏)

本局の使用駒

本局に使用されている駒は地元、愛棋家の方が所有している物。竹風作菱湖書の柾目が入った一品。

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(吟)

15時のおやつ

15時のおやつは両対局者とも洋梨のケーキにコーヒー。

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(吟)

大盤解説会、始まる

現地では大盤解説会が始まった。まずは藤井九段と飯塚六段のユニークな解説からスタート。この後、深浦王位も登場予定。どのような解説がとびだすのか楽しみである。

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(吟)

【梅田望夫観戦記】 (6) 急戦矢倉の新しい地平について深浦王位に聞く

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梅田 お伺いしたいのは、急戦矢倉の歴史観です。深浦さんの「最前線物語」シリーズの最新補足版のようなお話を伺いたいのです。羽生さんの「変わりゆく現代将棋」連載が終わったあとしばらくして、急戦矢倉はあまり指されませんでした。しかし、先日の竜王戦の第6局、第7局、久しぶりに渡辺さんの新手が出ましたね。△3一玉と、△3三銀。この二つの新手は、後手から急戦矢倉にしたけれど、ふっと玉を囲う、あるいは守るという手だったように見えました。そこから急戦矢倉の新しい流れが出たというふうに考えていいのでしょうか。今日も、後手番の羽生さんは、△2二玉、△4二金右と、急戦矢倉に誘導しながら、なおかつ玉を堅くしていますね。これは過去からの歴史で観たときに、ものすごく新しい進化の流れなのでしょうか?


深浦 そうですね、本局の現局面から言えば、羽生さんとしては理想的な手順を指していると言えるでしょうね。それにしても竜王戦の羽生‐渡辺戦の意味は大きい。後手の羽生さんには不満のない展開だと思います。後手が急戦矢倉をやる。5五歩交換して、△7三角と転換するという形は、先手も▲2五歩と飛車先を突いて、先手2筋の交換は後手として「許すしかない」という考え方だったんですね、昔は。後手の△3三銀が欲張った手で、角のさばきも成立していますし、先手の飛車先の歩も交換させない。この「欲張った手が成立しそう」というのが竜王戦7局目の渡辺さんの勝利に繋がった。そこは急戦矢倉における新しい地平だと思います。


梅田 今回は、さらに羽生さんが玉を固めていますね。


深浦 それができたのも、△3三銀と2筋の歩を交換させない効果で。もし交換させていながら本譜の順を選ぶと、さほど堅くない形になって、先手も二歩持っているということになって、そんなに後手も作戦勝ちが望めないでしょうね。


梅田 羽生さんは理想的とおっしゃいましたが、そうすると、木村さんのほうはどんな意図で?


深浦 これはそうですね、ある意味、木村さんって鈍感なところがあって(笑)、「力が出しやすい形であれば、いい」というのに近いと思うんです。現在、決定的に悪いというのでもないですし、厚みが存分に活かせる形はあるんですけど、ただ、渡辺世代からいえば、圧倒的に後手を持ちたい人が多いでしょうね。


梅田 そうすると、いま中継をご覧になっている渡辺さんは、後手よしと思いながら観ているであろうと。


深浦 そう観てますでしょうねぇ、間違いなく。僕も後手がよさそうに思います。研究会とかで渡辺世代の人とやることも多くなりましたけど、やはり後手を持って、攻めの態勢でどんどんいきたい感じですね。


梅田 そうすると、五段向け解説で▲5五歩がいい手で、先手の厚みがずっとあるとおっしゃっていたことは……


深浦 そういう指し方を貫くしか、先手はやりようがない。今までの流れを活かせないと思うんですね。やはり6五歩の位を早めに取って、2枚の銀が盛り上がってきたので、それを活かすためには。


梅田 「△3三銀という欲張った手が成立しそうで、そうなると後手よしかもしれない」という仮説がもし成立しそうであるならば、先手はその前に何かしないといけないわけですが、どこで何をすればいいんでしょうか。


深浦 そうですね。渡辺さんと羽生さんが最近の王位リーグで示したのは、5五歩を交換させない、というやり方ですね。


梅田 それがさっき渡辺さんがブログで書いていらっしゃった「いきなり▲5七銀右」と中央に備える指し手の意味なんですね。だから渡辺さんは、現在の局面は後手がいいと思っている。それがイヤだから▲5七銀右としたということですか。


深浦 僕としては、5五歩交換させても先手が悪いとは思えないので、▲6五歩以外の手を考えていきたいところですね。一つは自然に▲7九角と引いて、矢倉囲いの駒組みを完成させる。あとは、▲5六金、△7三角、▲6五金と形を崩して、後手の角を圧迫する指し方ですね。△5五歩、▲同歩、△同角、▲2五歩、△3三銀、それから▲5六金ということですね。そういった指し方を考える必要があるかなと。▲6五歩は棋風にもよりますが、僕は現局面では先手はちょっと不安に思うので……。


梅田 羽生さんは、そこに誘導したということですか。木村さんなら▲6五歩とするんじゃないかと。


深浦 そうですね。ただ、木村さんも悲観もしてないと思いますね。局面が「負けにくい形なら、いい」というのでやっているような気がします。


梅田 あっ、羽生さんが穴熊に囲った!


深浦 ……渡辺竜王の影が見えますね、今日の羽生さんの指し方には。


対局室には

新潟県出身の原田泰夫九段。書家としても有名である。
対局室にもみごとな「明鏡止水」の書が飾られてある。

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(吟)

深浦王位と梅田望夫氏

昼食もそこそこに深浦王位に解説を受ける梅田望夫氏。
初級・中級・上級とさまざまな指し手を検討している。

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(吟)

【梅田望夫観戦記】 (5) 深浦王位による5級向け、初段向け、五段向け解説

以下、深浦王位のインタビューです。

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 今、昼食休憩時、木村さんが▲4六角と指した局面ですね。羽生さんの次の一手は、△7三角か△9二飛の二択だと思います。おそらく△7三角だと思うので、そこを中心にやっていきたいと思います。

【5級】
 △7三角ですと、5級だと▲同角成とやりたくなりますね。△同桂、で一歩ありますので▲7五歩と突きたくなります。△同歩ならば▲7四歩で、一歩が活きて先手よしですね。 ただ、▲7五歩には△8六歩がいいカウンターで、▲同歩、△同飛、▲87歩、で△6六飛、▲同金、△3九角、▲6八飛、△5七銀、これは後手が大成功になりますね。5級の人はこういうカウンターがあるということを理解してください。▲7三同角成と行ってはいけないのです。

【初段】
 これから一つレベルアップして、初段向けの解説です。△7三角に対して、ちょっとできる人になると、ここで角交換が駄目だとわかります。後手が角を引いたことによって、飛車道が通りますよね。▲6八角というのはちょっと大人の指し方というか(笑)、一回出ておいて引くから、角一つ上がっただけになりますけど、将来の▲7九玉からの入城と、あと▲7五歩という手が、角を引かせたことによって成り立ちますね。▲6八角の局面で△4四銀右の手が、次の△5五歩を狙うわけですね。銀を殺そうと。そしてここで、やわらかく▲4六歩と受けるような形になりますけど、△5四歩から後手が銀をぶつけていけば、後手玉の堅さが生きるわけですね。実際は▲6八角だとこんなふうに少し後手がよくなります。これが初段向けの解説という感じですね。

【五段】
 五段の人ですと、△7三角で、そこで▲5五歩という手が見えるはずです。初段向けで説明した後手の△5四歩から△5五銀を防ぐ意味があります。非常に重厚ながら、また木村八段らしいかなと。次に▲7五歩、△同歩、▲同銀と△7三角を圧迫する狙いがあります。
 ▲5五歩の後の展開は、▲7五歩の狙い、ゆっくりすれば3六歩から3七桂、このあたりの厚みが非常にいい。重厚にやるのが五段の指し方かなと。
 ▲5五歩に対してこうなってくると右桂もさばけてくるので、何か、後手が▲5五歩のときに動いていくと思うのです。

 

昼食休憩後、再開

昼食休憩までの盤面(下が木村八段)

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休憩後、小刻みに体を前後させ、読み耽る羽生棋聖

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(吟)

昼食時点での深浦王位の見解

3920090609 「後手の羽生さんは先手の6筋の位に直接触らず、玉の囲いを優先しました。しっかりと固めてから総攻撃を開始するのでしょう。木村八段は、この▲4六角によって後手の攻撃陣を牽制していく構想です。お互い棋風通りの進展といえるでしょう。」(深浦王位)

ここまでの消費時間は、両者とも1時間18分で並んでいる。

(烏)

昼食休憩に入る

昼食のメニュー

木村八段 (温かいそばと天ぷら)

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羽生棋聖 (冷たいそばと天ぷらと梅おにぎりを1個)

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(吟)

藤井九段の見解2

「この局面から(左図)△7三桂▲7九角△4四歩▲4六角△5四銀▲3六歩(想定図)と進んだとします。先手の角銀銀が非常にいい形。さすが木村八段です」(藤井九段)

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【梅田望夫観戦記】 (4) 必見、新たなる急戦矢倉の展開

 対局室から戻ってきたら、渡辺竜王のブログが珍しく午前中に更新されているではないか。

 『……将棋のほうは9時32分現在18手目△5三銀右まで。例の急戦矢倉スタートの局面です。
 以下は補足情報。5月29日の王位リーグ▲渡辺-△羽生名人では△5三銀右に▲5七銀右と指しました。この手は前例が10ほどあって新手ではないのですが、僕が竜王戦で新手を指してからの、新たな急戦矢倉の歴史としては新研究のつもりでした。……』 (渡辺明ブログ「本日棋聖戦第1局、明日対局。」

 ちょっと控え室で休もうと思っていたところなのであるが、これを紹介しないわけにはいかない。

 今日の羽生さんは、竜王戦第七局の渡辺側を持って30手まで指していたが、木村さんが31手目で、竜王戦で先手を持っていた羽生さんが指した▲7九角ではなく▲5七銀上と指して、竜王戦第七局から別れを告げた。さっきは羽生さんが何だか嬉しそうにしていたが、ブログの向こうにあの将棋を思い出している渡辺さんの嬉しそうな顔が目に浮かぶ。二人にとってあの一局は、勝者・敗者の別などなく、「生涯の幸福な一局」の一つなのに違いない。

 棋士たちを見ていていつも思う。

 彼らは、手元に本などの読むものを持っていなくても、パソコンや携帯などを持っていなくても、自らの豊穣な記憶の中を遊びながら、いくらでも充実した時間を過ごすことができる。

 本当にうらやましい。

岩室温泉、源泉に行く

入浴する人達を心地良い気分にさせてくれる岩室温泉。源泉を訪ねてみた。

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ちなみに筆者は今朝6時30分頃に木村八段とお風呂場の前ですれ違った。
木村八段はすでに入浴を終えており、気持ちもリフレッシュしたことであろう。
しかし早起きだな~

(吟)

藤井九段の見解

「ちょっと相振り飛車だと思って左右入れ替えてみましょう」(藤井九段)

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「なんだこりゃ。角の位置がひどすぎる。投了間近じゃないですか。先手は作戦として成立していないまである」(藤井九段)

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「(しばらくして…)先手の作戦が成立してないって書いちゃったんですか?冗談だって伝わるかな?僕は公正な立会人なのに。では次は木村さんの肩を持ったコメントをします(笑)」(藤井九段)

(烏)

岩室温泉「高島屋」

本局が行われている「高島屋」はタイトル戦でおなじみの宿。
落ち着いた佇まいで癒してくれる。
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(吟)

出るか木村八段の研究

将棋世界誌に矢倉の講座を執筆している木村八段だが、ここからどのような構想を練っているのだろうか。木村八段の趣向に注目したい。

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「先手の狙いが▲7五歩△同歩▲同銀の盛り上がりなので後手は△8四角と受けることになると思います。先手としては6五の位が大きな位になるのか、後手からの目標になるのかが中盤の焦点となりそうです」(深浦王位)

(吟)

【梅田望夫観戦記】 (3) 木村八段はなぜ着物で勝てないのか?

 午前9時40分、急戦矢倉と決まって、私は再び対局室に入った。

 羽生棋聖の手は早く、木村挑戦者は小刻みに時間を使っている。羽生さんは何だか嬉しそうににこにこしている。何かを思い出して楽しんでいるようにも見える。今の段階でこの将棋は、昨年12月の永世竜王を賭けた竜王戦第七局の激闘の、渡辺竜王の側を羽生さんが持っているのだ。ひょっとすると羽生さんは、竜王戦第七局での渡辺竜王との激闘を思い出して、嬉しそうにいるのかもしれない。

 午前10時、おやつ(フルーツ盛り合わせとコーヒー)の時間が来た。木村さんは丁寧に、仲居さんに「ありがとうございます」と御礼を言った。盤面に没頭している対局者は、おやつが届いたって、別に見向きなんてしなくたっていい。木村さんは気配りのいい人だなあと思うと同時に、親友・野月七段の一昨日の言葉を思い出した。私は、日本に着いた翌日(一昨日)、木村さんについての話を聞くために、野月さんとずっと話をしていたのだ。

 『木村は、和服で十連敗か十一連敗しているでしょう。木村っていう男は、練習将棋でもいつも真剣そのもので、ハンカチを口に突っ込んで、それをギュッと噛みしめながら考え、しばらくしてそれをぽとっと床に落としたりする。無意識のうちに立て膝になったりね。そういうことをタイトル戦でもやればいいんだけど、まわりに気を遣いすぎるんだ。木村は、タイトル戦ではすごく委縮していますよ。自分さえよければいい、ってそういう気持ちでやればいいんだ。でもそうしないから大一番で勝てない。タイトル戦や大舞台で勝てないのは、繊細さが裏目に出てるからではないでしょうか? 子供の頃から大一番は本来の強さが出せないんです。でもね、それも含めて、人間くささが木村のいいところなんです!』

 通算勝率が七割近い常勝の木村八段が、タイトル戦でまだ一勝もしたことがない(加えて大勝負だからと着物を着た対局でも勝ったことがない)というのは、将棋界の七不思議の一つである。たしかに、タイトル戦の現場に身をおいてみると、対局者にいい将棋を指してもらうために、本当に大勢の人が二人に尽くすものだ。そういう環境の中にいても、気を遣いすぎず、「俺にそれだけ尽くすのは当たり前だろう」と自然にふるまう図太さが、トッププロにも求められる資質かもしれない。

午前のおやつ

10時になり、対局室におやつが運ばれた。

フルーツ(マンゴーとサクランボ)とコーヒー

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(吟)

10時頃の控え室

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(烏)

矢倉となる

どうやら相矢倉が濃厚な局面である。

対局前の両対局者の様子。
羽生棋聖は眼鏡を丁寧に拭いて、木村八段はじっと目を閉じて対局開始を待つ。

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(吟)

【梅田望夫観戦記】 (2) 羽生棋聖の急戦矢倉か?

 午前8時47分、着物姿の木村挑戦者が先に入室。明るく大きな声で「おはようございます」。そしてすぐに瞑想に入った。2分後に羽生棋聖が入室して、3分ほどかけて駒を並べ終わった。記録係・天野貴元三段の振り駒でと金が三枚出て、木村挑戦者の先手が決まった。立会人・藤井猛九段の発声で、対局開始。木村挑戦者の▲7六歩に対して、羽生棋聖少考で△8四歩、そして木村挑戦者の▲6八銀で、すらすらと矢倉戦に向けての駒組みが進んでいる。

 深浦王位は言う。

 「羽生さんは先週の名人戦第五局のストレスを抱えていると思うんです。あんな将棋を二局続けてはやりたくない、という気持ちが強いと思います。昨日の羽生さんの「面白い迫力のある将棋を指したい」という言葉は、ああいう将棋にはしたくない、という意味だと思いますよ。だから羽生さんは、今日は主導権を握るべく積極的にいく決意でいると思います。羽生後手で矢倉戦ですから、昨年の竜王戦第六局、第七局のような急戦矢倉もあると思いますよ。」

 木村挑戦者には「千駄ヶ谷の受け師」という異名がある。深浦さんの予想通りであれば、羽生の攻め、木村の受けという展開になるのかもしれないが、木村挑戦者の子供時代からの親友・野月浩貴七段は、「千駄ヶ谷の受け師」という言葉に異をとなえる。彼から届いたメールの一部を転載するが、

 『木村ですが、繊細、気配り、優しさ、気の強さ、意地っ張り、を持ち合わせた性格です。受けが持ち味のように書かれていますが、あれは見る目のない人達が作り上げたイメージで、戯言です(笑)本質は攻めの厳しいタイプで、切れ味も鋭さも一流です。受けているように見えるのは、相手をからかって応対しているか、相手の攻め駒を攻めているのです。』

 野月七段は「木村の本質は攻めですよ」と言う。

 さて、今9時21分。14手まで矢倉戦ですらすら進んでいる。まもなく、羽生棋聖が急戦矢倉を選択するかどうかがわかる。

 

 (追記) 果たして深浦王位の予想通り、羽生棋聖誘導での急戦矢倉の展開となった(9時33分)。

五番勝負開幕

まず木村八段が入室、しばらくして羽生棋聖が入室した。記録係の天野貴元三段が振り駒を行い、と金が3枚出て、木村八段の先手となり、初手▲7六歩が指された。

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(吟)

朝食

両対局者は自室にて和食

メニュー

岩室産大豆使用   汲み上げ豆腐
高島屋特製      鮭 味噌漬
名物具なし茶碗蒸  
季節のおひたし
自家製飛竜子と越後名物車麩季節の青菜炊き合せ
香乃物 梅星、大根味噌漬 季節の野菜浅漬
蜆、浅利などの味噌汁
岩室産 こしひかり米

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(吟)

花束贈呈

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(前夜祭は終始、和やかな雰囲気だった)

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戦型予想など

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藤井「そういえば飯塚さん。今期棋聖戦の予選で私たち激突しましたよね?」

飯塚「ええ、負けました。根に持っておりますので(笑)」

藤井「そこで私が勝ったので、今日は私が正立会人です」

飯塚「そんな重要な一局だったんですね!」

藤井「さて戦型予想ですが、木村さんが先手だった場合は、だいたい居飛車。」

飯塚「羽生さんは七つの戦型を持つ男と言われていますが…」

藤井「実はですね。昨年も立会人をやらせていただいていまして、そのときになんと羽生さんは四間飛車だったのですよ。」

飯塚「それは藤井さんが立会人だからということで?」

藤井「ええ、ええ、おそらく…いや、もちろんそうです。」

飯塚「それを踏まえまして、私は矢倉を予想します。藤井さんは最近、矢倉の大家なので。」

藤井「やはり四間飛車ですよ。私は四間飛車だと思います」

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青野「タイトル戦を通じて、地域の活性、親子のふれ合い。将棋をそういったものに活用してほしいと思っています。と、ここまでは理事としての話です」

深浦「あ、ここからが本番ですね(笑)」

青野「ええ、そうです(笑)。戦型ですが、羽生棋聖が先手という仮定であれば、相矢倉か、木村八段の後手番一手損角換わりになると思います」

深浦「(関係者からの終局予想の質問に)…少なくとも手数に関しては、木村八段は粘り強いので棋譜用紙を何枚も用意していただいたほうがよさそうです」

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【梅田望夫観戦記】 (1) 将棋界は「これからの10年」抜群に面白くなる

 ただいま午前3時45分。寝静まった新潟岩室温泉高島屋の控え室である。

 昨日午後1時、上越新幹線ホーム集合で、対局者、観戦者とともに、棋聖戦第一局の開催地・新潟にやってきた。羽生善治棋聖対木村一基挑戦者という現代将棋最高カードの五番勝負が、まもなく幕をあける。

 羽生さんはいま四冠(棋聖、名人、王座、王将)を保持している。2008年度はすべてのタイトル戦に出場したうえ、名人戦の激闘と並行しての棋聖戦開幕である。

 羽生さんは今年度に入ってから、11戦4勝7敗(0.364)、名人戦も郷田挑戦者に2勝3敗とカド番に追い込まれ、珍しく羽生不調説がささやかれている。

 私は、この観戦記を書くために、先週土曜日にシリコンバレーから日本にやってきた。「羽生さんは元気なんだろうか」、どんなに凄い人だって、ときには疲れだって出るわけだしと、じつはずっと心配していたのだ。

 しかし昨日新幹線ホームに現れた羽生さんは、元気いっぱいでじつに快活であった。そして、約二時間の東京から燕三条までの新幹線のなかでは、隣に坐った副立会人の飯塚祐紀六段を相手に、ぶっ通しで四方山話にあれこれと花を咲かせ、心から楽しそうににこやかに笑い続けていた。過密スケジュールで疲労困憊のときは、移動のときくらいは休みたいので寡黙になるのが普通だ。マイクロバスで高島屋について、関係者が諸準備を進めるなか、スタッフの誰ともなく「羽生さん、電車のなかで、ずっとしゃべっていましたよね」と言った。みな口に出さなかったけれど、同じことを思って、ほっとしていたのだ。

 しかしその矢先、傍らにいた挑戦者の木村さんがこう言った。

 「羽生さんがしゃべりつづけているから、対抗して僕ももっと大きな声で話をしてやろうと思ったんだ。でも隣の藤井さん(立会人の藤井猛九段)が寝ていたから話せなくて(爆笑)」

 ああ、やっぱり木村さんも気にしていたんだなあ。

 そう思うと同時に、二人の勝負は新幹線の中からもう始まっていたのだと改めて思った。そうか、勝負がもう始まっているのなら、僕も観戦記を書き始めよう。そんなわけで、こんな朝早くから起きて、パソコンに向かっているのである。

 『調子が悪いときは、手が浮かぶスピードもにぶいし、方向性もずれています。しかも、指してみないと分りませんから、対策の立てようがないんです。コンディションがいいかどうかはその日になってみれば分かりますけど、調子がいいかどうかは分かりません。天気と一緒です。雨が降っているからといって、雨を止めるわけにはいかないでしょう。「今日は雨だ」と思うしかありません。そんなものです。(将棋世界2008年9月号インタビュー)』

 これは、羽生さんが「調子」をめぐって語っている数少ない言葉の一つだが、どうも羽生さんのコンディションはよさそうだ。彼の「今日の調子の天気」は果たして快晴だろうか、それとも雨だろうか。

 今日は、そんなわけで、対局が始まる前に一本、原稿を書いてアップしようと思う。テーマは何にしようかと、昨夜前夜祭のときに考えていたのだが、僕が最近「将棋界はこれからの10年、抜群に面白い時代に入る」と確信するに至った四つの理由について書いてみようと思う。


 第一の理由は、棋士同士の戦いが間違いなく「戦国時代」に入るということである。

 「四つの世代」のせめぎ合いという視点でこれからの「戦国時代」をとらえると、将棋に詳しくない方にも、将棋界を俯瞰した視点が持てるのではないかと思う。

 「四つの世代」とは、この十五年、将棋界を制覇してきた「羽生世代」(1969年から71年生まれ)。そしてその「ちょっと下の世代」(1972年から1975年生まれ)。さらに、二十代半ばの「渡辺竜王を中心とする世代」(1980年から1985年生まれ)。そしてそれよりも「もっと若い世代」。

 この「四つの世代」が、これからの十年、激烈な争いを繰り広げることになるのだ。

 なぜ「これからの十年」なのかと言えば、圧倒的に強かった羽生世代がこれから40代に差し掛かり、年齢とともに押し寄せてくる衰えの中で、誰にも大きなチャンスが訪れるからだ。

 たとえば将棋世界最新号で中原十六世名人が

 『私も大山先生もそうでしたが、40歳を超えると、外からは同じようにタイトルを防衛しているように見えても、実はふうふう苦労するようになります』

 と語っていたが、尋常でない精進を続けながら切磋琢磨してきた羽生世代は、果たしてこの「40歳限界説」を覆し、これからの十年も棋界を制覇し続けられるだろうか。これが第一の大きな興味である。

 昨日からこの棋聖戦第一局に、将棋連盟の渉外担当理事として同行している青野照市九段にこんな文章がある。2001年暮れに書かれたものだ。

 『羽生世代の先頭集団は、羽生のほかは佐藤康光、森内、郷田真隆であった。この四人はちょっと別格と思っていたら、後からやってきた丸山、藤井も追いつき、そして追い越す勢いで昇ってきた。これもやはり、同世代のライバルたちが強すぎたお陰であろう。これに対し、次世代の若手はもう一つ、羽生世代に頭を押さえられている。次の世代にも深浦康市や久保利明、鈴木大介、木村一基、行方尚史といった勝率七割に近いような逸材が何人も控えているが、いまのところタイトル獲得まで手が届いたのは三浦弘行が羽生から棋聖を奪ったにすぎない。(平成13年12月)(「第一線棋士!」(青野照市著 清流出版) 所収)』

 青野九段が7年半前にこう書き記した「頭を押さえられてい」た「次世代」の6人は、みなほどなくしてA級に上がった。中でも、深浦さんは35歳にして2007年に王位に、久保さんは33歳にして2009年に棋王に就いた。そしてこのたび棋聖位に挑戦する木村さんが35歳。棋聖戦期間中に36歳になる。

 じつはここ2-3年、「頭を押さえられてい」た「次世代」の台頭が目覚ましいのである。とりあえず「ちょっと下の世代」とここでは呼びながら話を進めたい。

 2007年度以降のタイトル戦は、この棋聖戦も含めて16ある。なんとこの16のタイトル戦のうち半分の8つまでが、「羽生世代」対「ちょっと下の世代」の対決になっていたことを、皆さんはご存じだろうか。

 昨夜の前夜祭で隣に座った、まさに当事者である深浦康市王位にその話をしたら、「えっ、そうなんですか」と、全然そういう見方をしていなかった。

 2007年度は、羽生久保戦(第57期王将戦)、羽生久保戦(第55期王座戦)、羽生深浦戦(第48期王位戦)の3つ、2008年度は、羽生深浦戦(第58期王将戦)、佐藤久保戦(第34期棋王戦)、羽生深浦戦(第49期王位戦)、羽生木村戦(第56期王座戦)の4つ、そして2009年度はこのたびの羽生木村戦(第80期棋聖戦)。

 少し前までタイトル戦と言えば「羽生世代」同士の戦いと相場が決まっていたが、これだけ「羽生世代」対「ちょっと下の世代」の対決が続いているのである。

 そしてこの夏の王位戦で、深浦王位への挑戦権を賭けた挑決に木村八段が名乗りを上げているから、もし王位戦が深浦木村戦となるならば、初めての「ちょっと下の世代」同士の対決がタイトル戦で行われるのだ。目立たない形でなのかもしれないが「ちょっと下の世代」の存在感が日に日に高まっているのである。

 しかも米長会長は「40歳を過ぎても弱くならないのは深浦と木村でしょう」と予言していたことがある。「これからの十年」の特に最初の数年は、40代に差し掛かる「羽生世代」対「ちょっと下の世代」の対決が最高に面白くなる。今日の羽生木村戦は、そのことを象徴する戦いと言っていいのである。

 そしてそれから「渡辺竜王を中心とする世代」と、棋聖戦挑決に進出した稲葉四段らを中心とする「もっと若い世代」がそれに続き、当然のことながら日に日に強くなってくる。

 羽生さんは、新著「勝ち続ける力」(柳瀬尚紀との共著)の中で、渡辺さん以降の世代について、こんな面白いことを話している。

 『渡辺さんの世代は、その(将棋の)体系化がかなり具体的に形になった時代に育ってきた第一世代です。ですから、将棋が学術的な形で学んでいける環境の中で、成果を吸収したり分析したりして強くなってきています。(中略) 渡辺さんの世代は、一つの形を見て、将来性があるかどうか、とても鋭い判断力を持っているんですよ。(中略) あの世代は、余計な情報、今の段階では使えないような知識はいっさい持ちません。どんな歴史があったとしても、ぱっと先入観なく、分け隔てなく切り捨てることができるんです。ですから、この形はすごく未来が描けそうだとか、この形にはほとんど将来性がない、という見極めはとてもシビアで、はっきり見えています。(p213-214)』

 激しい時代の流れの中で、時代環境の異なった養分を吸いながら育ったそれぞれの世代が「戦国時代」にどんな戦いを見せるか、本当に興味が尽きない。


 「これからの十年」が面白い第二の理由は、現代将棋の進化のスピードがますます上がり、将棋とは何ぞやということについての研究がものすごい勢いで加速していることだ。その過程で、昨年は後手勝率が五割を超えたりと(後手の1176勝1164敗、今期も5/24まで後手の123勝120敗)、これまでの「将棋は先手有利のゲームなのだろう」という常識を覆す事象が見られるようになった。

 『あの……何と言えばいいのか、今の私たちがやっていることって、ある種、学術的な感じもするときがあるんです。棋士の人たち、ゲノムかなんかの解析をやってるんじゃないか、と思うときもあります。(中略) なんか、ある手について「よし、ここは解析終了した」とやっているような(笑)。(「シリコンバレーから将棋を観る」第七章)

 とは羽生さんの言葉だが、本当にこの先、現代将棋にどんな進化が見えてくるのか。本当に面白い。


 そして第三の理由は、コンピュータ将棋がとにかく強くなってきたことだ。ついに人間対コンピュータの最高峰の戦いが、いよいよ射程に入ってきたのである。そしてそれには2009年1月28日の事件が深く関係している。

 事件とは、最強ソフトの一つ「ボナンザ」のソースコードが公開されたことである。ソースコードが公開されると、世界中の誰もが自由に「ボナンザ」の思考の中身を学び、そこに改良を加えてその成果を世に問うことができる。結果として、開発の切磋琢磨が激しくなって、進歩が加速されていくのだ。その証拠に、ソースコード公開からわずか三か月後に行われた第19回世界コンピュータ将棋選手権(5月)では、ボナンザに学んだボナンザ・チルドレン(コンピュータ将棋に詳しい勝又六段の言葉)が、上位を占めてしまった。そして今も、日進月歩のスピードで強くなっているのだという。

 第二の理由で述べた棋士たちの現代将棋を究める営みの成果をも、着々とコンピュータも学んで日に日に強くなっている。もう間違いなく「これからの10年」のうちに、人間の最高峰対コンピュータの戦いがあるだろう。将棋ソフトの開発者の鼻息もかなり荒くなってきた。

 第19回世界コンピュータ将棋選手権で準優勝した大槻将棋の大槻知史さんは、自戦記でこう書いている。

 『あくまで直感に過ぎないが、来年の選手権では、とてつもないものを見られそうな気がする。おそらく棚瀬さん、鶴岡さん、山下さん達がとんでもないソフトを投入してきそうな予感がするのである。そして、おそらく優勝ソフトの実力は、遂に完全なるプロレベルに到達する、と予想しておく。X-dayは静かに、そして確実に近づいている。』

 X-dayを迎えるとき、人間たる棋士たちの「四つの世代」のどの世代の誰が、最強コンピュータソフトを迎え撃つことになるのか。そしてその勝負のゆくえは? そして長い目で見た時に、トッププロ棋士とコンピュータはどういう関係を築いていけばいいのだろうか。知的興味は尽きない。

 ところで私は、自分が書いた本のウェブ上での感想をすべて読んでいるのだが、「シリコンバレーから将棋を観る」への面白い感想のひとつに、「将来、将棋でもコンピュータが名人に勝つ日が来るだろう。そのときには、その棋譜を多少なりとも理解したい」と書き、だからこれから将棋の勉強を始めるのだ、と宣言していた方がいたが、世の中には本当に色々なきっかけで将棋への情熱に目覚める人がいるのだなあと思った。


 そして第四の理由は、そういう諸々のプロセスが、ネットをフル活用して、将棋ファンの誰もが、観戦・観察・鑑賞できる時代になったということである。技術的にはもう何年も前からできるようにはなっていたが、将棋連盟、主催者の理解が進んだことが大きい。

 ちなみに今日は、将棋連盟と産経新聞社がネット中継を共催することになった記念すべき第一局である。とても贅沢なことに、深浦王位がネット中継の解説だけのために将棋連盟からここ新潟に派遣されているのだ。

 しかも、棋譜中継のコメント入力は「烏」こと後藤元気(ごとげん)さん。後藤さんは観戦記者でもあり、「高勝率者同士の対決」という羽生木村戦の観戦記も過去に書かれている。興味のある方はグーグル検索して読んでみるといいと思う。控え室には青野九段、藤井九段、飯塚六段、深浦王位が揃い、彼らの情勢判断や手の意味の解説や「次の一手」予想などは、後藤さんがリアルタイムで棋譜コメントとして入力していってくれる。

 後藤さんとは、彼のブログのコメント欄で、以前こんなやり取りをしたが、

 『6月9日新潟で (梅田望夫)2009-05-15 10:28:32
昨日、連盟に行きました。棋聖戦第一局新潟でご一緒できそうだと知りました。よろしくお願いします。お会いできるのが楽しみです。』

『Unknown (ごとげん)2009-05-15 12:23:14
梅田さん、見る側も伝える側も最高に楽しい一日にしたいですね。こちらこそよろしくお願いします。』

 今日、僕がこれから書くウェブ観戦記は、棋譜中継の彼のコメント欄の充実と一緒になって一つの成果になる、そんな性質のものと思っていただきたい。

 そんな中、特に今日の僕の仕事は、解説役の深浦さんの将棋知性を、広く一般にわかる形で何とかまとめていく努力をすることだろうと思う。「次の一手」を考える以外に、将棋をもう少し俯瞰して眺める楽しさについて、深浦さんと一緒に追い求めてみたい。

 たとえば、木村挑戦者は、週刊将棋2009/6/10号で、

 『私はねじり合いが好きなのですが、羽生名人はもっと好きみたいです。いつもそれで飲み込まれてしまっているのかもしれません。』

 と語り、五番勝負の見どころはと問われて、

 『やはりねじり合いでしょうか。一直線には終わらない迫力ある攻防をご覧いただきたい。』

 と語っていた。羽生さんも昨日、高島屋に着いた直後のインタビューに答えて、

 『面白い迫力のある将棋を指したい』

 と語ったが、同じ意味のことのように思える。どうも「ねじり合い」ということが、この第80期棋聖戦の大きなテーマのようだ。でも、「ねじり合い」っていったい何なのか。ちゃんと「指さない将棋ファン」にもわかる言葉で、実際の将棋を見ながら、これがねじるということなんですよ・・・というような解説は、あまり聞いたことがない。「深浦さん、明日はそんなこともよろしくお願いしますね」と昨日頼んだら、前夜祭のスピーチで「これから、ねじり合いをどう説明するか、一晩、考えます」と、深浦さんは宣言してくれた。

 将棋というのは、難解で奥が深い。だから面白い、というのは事実だ。でも、皆が力を合わせて、何とか一人でも多くの人にその本質をわかってもらおうと一生懸命努力すれば、もっともっと広く普及できるものだ。僕はそう心から信じているのだ。

2009年6月 8日 (月)

前夜祭挨拶

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「どうもこんばんは。本当に地元の皆様には、毎回盛大に暖かく歓迎をしていただいて、まことにありがとうございます。また棋聖戦を主催してくださっている産経新聞社様にも、長年にわたってお世話になっております。
ちょうど80期という節目の年に、対局者として参加できること。とても嬉しく思っています。
(将棋についての)詳しいことは対局者の2人がいなくなったところで、関係者の皆様から忌憚の無い話を聞いていただけたらと思います(笑)。

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「こんばんは。皆様の前で挨拶をするなら、もう少しお酒を控えればよかったかなと(笑)
いま一番充実している羽生棋聖と対局できることは、大変幸せなことです。またこのように立派な場所で対局できること、将棋指しとして誇りに思います。
明日は持てる力を十分に出し切れるように。現地で大盤解説会もありますので、熱い戦いをしたいと思います。よろしくお願いします。」

(烏)

お料理

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(吟)

前夜祭にて

前夜祭会場に入室する羽生棋聖と木村八段。

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立会い人の藤井九段を挟んで席に着いた
両対局者

(吟)

盤駒を検分する

対局に使用する盤や駒を確認し、対局場の明るさなどをチェックする両対局者。
スムーズに進み、問題なく終了した。

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(吟)

抱負を語る!

束の間の休息のあと、囲碁・将棋ジャーナルのインタビューを受ける両対局者

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(吟)

前夜祭を待つ間

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(ロビーで女の子のサインに応じる羽生善治棋聖。)

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(控え室で週刊将棋を見る木村八段。「あ、写真撮るなら…」)

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(「品良く、背筋を伸ばして。ピッとね」)

(烏)

新潟市「高島屋」到着

対局者と関係者一行が高島屋へ到着。和菓子とお茶で旅の疲れを癒しました。

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立会い人の藤井九段・副立会い人の飯塚六段交えて談笑する羽生棋聖と木村八段

(吟)

東京駅にて

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一行は13時12分発の新幹線で新潟県に向かいました。

(烏)

2009年6月 4日 (木)

挑戦者 木村一基八段にインタビュー!

 羽生善治棋聖への挑戦権を獲得した木村一基八段。今回でタイトル戦挑戦が三度目。そして、昨年の王座戦、竜王戦挑戦者決定三番勝負と、羽生棋聖との大舞台での決戦も三度目となる。
 五番勝負第1局の開幕を間近にひかえた6月3日、木村八段に挑戦者決定戦の将棋、そして今の心境、タイトル戦への意気込みを語ってもらった。
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今期、6勝3敗と相変わらずの高い勝率。そして、角換わり系の将棋が多いですね。
挑戦者決定戦でも稲葉四段と角換わりの将棋でしたが、振り駒で後手となった時、ある程度想定はしていた?
(木村八段:以下木村)
実は、先手番が欲しかったんです。矢倉をやりたかったのですが、と金が(3枚)出て後手となってしまいました。後手だと矢倉は消極的な展開となりそうでしたので、それは避けたかった。それで、積極的にいける角換わりという選択をしました。
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稲葉四段とは、将棋世界の企画で対戦していましたね。公式戦では、初手合でしたが、その時の印象と挑決の時とで稲葉四段の将棋に対してどう感じましたか?
(木村)
しっかりした将棋だな、という印象を受けました。また、年齢も若いので全力投球でくると想像していたので、こちらもそのつもりで対局に挑みました。
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将棋世界企画で対局し、そこで、稲葉四段に勝っていますよね。挑決の時は、そういった意味で少し余裕が持てたのでは?
Dsc_0029 (木村)
そうですね、むしろ勝った負けたではなく、そこで1回戦っているので、何をやってくるか分からないような「得体の知れなさ」みたいなものはありませんでした。だから、雰囲気はつかめていました。もっとも、それは、お互い様かもしれないけれど・・・。
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挑決の将棋ですが、△40手目の6二飛~4四銀の一連の手は、控え室で木村八段らしい雰囲気が出ている手、との評でした。
(木村)
そうですか。実は、▲7七角からの手順は、何かありそうだな、と以前から考えていたことがあるんです。稲葉四段が実際にやってきたので、研究してきただろうことは分かりました。実際▲7七角は指しにくい手ですからね。ただ、(43手目のコメントで紹介されたように)△2三歩と打ったら▲8二金で悪いかもと、いった前提で組み立てなくてはいけなかった。そういう条件で考えた結果、消去法で(42手目に)△4四銀となったわけです。
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特に△6二飛では、皆△5二飛を予想していたようです。この△6二飛の時、形勢についてどう判断してましたでしょうか?
(木村)
あそこ(△6二飛)では、ある程度の自信はありました。昼休前に指しても良かったのですが、慎重に読みを重ね、結局は昼休明けに着手することにしました。もちろん△5二飛もあり読みには入れていたのですが、むしろ、受け切れないと判断したら△5二飛としていたでしょう。そういう意味でも△6二飛~△4四銀で自信はありました。
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先ほども言ってましたように、稲葉四段の▲7七角から▲8三歩まで研究手順であろうことは、感じていたとのことですが、一方で木村八段にとっても研究範囲でもあったということになりますね?
(木村)
そうですね。「やられたかな?」という感じではありませんでしたね。
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ということは、相手の研究範疇に敢えて踏み込んでゆくことに対して恐怖心みたいなものはなかったということですね?
(木村)
そうです。もっとも、相手の研究手順に嵌ったら「その時はその時で仕方がないか。」と諦めるしかないのですが、そういった感じは持っていませんでした。
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しかし、その後、途中でわからなくなった、と感想戦でも言っていましたが・・・。
(木村)
そうなんですね、実は▲5九角が「土下座をするような手」、つまり開き直った手でなんです。こちらがもっと簡単に良くなるかと思ったんですが、その後の▲4六金から▲3六金など、なかなか指しにくい手ですが、粘り強い手で「流石にしぶといな」と思いました。その後の(67手目の)▲5六銀も、また良い手でしたね。こちらとしては、△4四銀のところでリードしたと感じていたので、それを勝ちに結びつける具体的な手順を考えていたんです。が、なかなか大変だったようです。
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ところで、控え室では、木村八段の指し手は、当てにくかったようです。独特の感性があるとのことです。そして、木村八段は、「千駄ヶ谷の受師」という命名されていますが、この呼び名に対しては、どう感じていますか?
(木村)
けなし言葉ではなさそうなので、悪くは思っていません。あまり、その名前自体を考えた事も無いので・・・。ただ、自分の将棋の個性が認められて付けられたものと思いますし、周りの人が自分の将棋について一言で書きやすくなるので、むしろプラスなことだと思います。
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最近の棋士には、そういう呼び名が少なくなってきています。そういった意味では、「千駄ヶ谷の受師」という呼び名は、木村八段の将棋が特徴的で個性的であることの証明とも言えますね。
(木村)
そうですね(笑)
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今回、タイトル戦は3度目の挑戦となりますね。前回の挑戦でも、相手が羽生名人で、昨年の王座戦でタイトル戦を戦っています。その時の印象は?
(木村)
私の印象ですと、竜王戦挑決と王座戦で羽生さんと番勝負を戦ってみて、風貌は爽やかなんですけど、実は、終盤のねじり合いや乱戦を得意としているように感じてます。自分もねじり合いの将棋が好きなので、ある意味楽しみにしています。
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今回、何か作戦は用意しますか?
Dsc_0032 (木村)
まだ、考えていません。羽生さんは、どんな戦法でも指しこなし、作戦をたてるにしても、とらえどころが無いとも言えます。作戦を立てにくいんですね。もちろん、研究はしていますが、具体的なところは、まぁ、直前になってから考えてゆこうかなと。また、持ち時間も短めなので、瞬発力も必要とされますし、日ごろの研究の下地がモノを言うと思います。対局までに、そういう面を整えていきたいと考えています。
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挑決終局後のインタビューでは、1勝をしたい、と控えめなコメントでしたが、木村ファンに対して一言お願いします。
(木村)
タイトル戦でまだ勝利したことがないので、まずは、1勝することです。そういうとやる気がないのか?と言われそうですが、まず1つ勝って、そこから次へのステップが見えてくるのかと考えています。一つ一つの勝ちを重ねて最終的に3勝したい、と思っています。
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私生活では、お二人目のお子さんが生まれ、1年がたち、家は、だいぶ賑やかじゃないですか?やはり、子供は将棋や勝負に対してに影響や変化を与えるものでしょうか?
(木村)
賑やかというよりは、うるさい時もありますよ(笑)。でも、そんな中でも挑戦権を獲得できたので、よかったと思います。そして、早起きするようになったんです。
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早起きですか?
(木村)
そうです。だいぶ以前、中原十六世名人から言われたことがあったんです。「タイトル戦に出るようになったら、9時から将棋を考える事が出来るよう、早起きを心掛けた方が良い。」と。タイトル戦は、いつもの対局開始時間(10時)より1時間早いわけです。対局開始の時から頭が冴えていないといけないので、そういった環境づくりも大切と思いました。
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なるほど。数々のタイトル戦を経験してきた中原十六世名人ならではの言葉だけに真理をついていますね。
(木村)
そうだと思います。
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対局中の食事は、将棋会館での対局の時は食べない事が多いようですね。王座戦五番勝負のときは、うどんを注文していましたね
(木村)
棋聖戦五番勝負では注文しようか)迷っています。普段は、甘いものだけを取るようにしています。食べると眠くなってしまうんですよ。ただ長いですし、お腹もへっちゃうんですね(笑)。
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さて、この五番勝負もインターネット中継がされますが。
(木村)
そうですね、できれば、写真を沢山載せて欲しいかな、と思います。その点は遠慮なく沢山撮ってもらって、皆さんに楽しんで頂ければ、いいかなと思います。
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