2018年12月17日 (月)

20181217e正午、この局面で佐藤名人が13分考えて昼食休憩に入りました。ここまでの消費時間は▲広瀬47分、△佐藤52分。昼食の注文は佐藤名人が「うな重セット(肝吸、ご飯少なめ)」(ふじもと)、広瀬八段が「うな重・梅、赤だし」(ふじもと)。対局は12時40分に再開されます。

Dsc_70611 (うな重セット。日本将棋連盟用の特別メニューで、肝吸か赤だしがつくが、うなぎの量は梅より少なくなっている)

Dsc_70541 (うな重・梅と赤だし)

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(睡蓮)

20181217d図は11時30分頃の局面。後手の5四歩がいないことを生かし、先手の広瀬八段が▲5五銀と攻めの銀を五段目に進出しました。先手は好機に▲4五歩と突く筋を見ているようです。▲4五歩に(1)△4五同歩なら▲4四歩、(2)△4五同桂なら▲4六歩があります。

Dsc_70471 (控室には山口絵美菜女流1級の姿が。本日の順位戦A級の観戦記を担当するため、東京に滞在している)

(睡蓮)

11時10分頃、ニコニコ生放送の解説を担当している横山泰明六段が控室に姿を見せました。「5筋の歩を取らせるのは初めて見ました。解説者泣かせの将棋になりそうですね」と話しています。

Dsc_70431 (関係者と談笑する横山六段)

広瀬八段の本棋戦成績は34勝16敗(0.680)です。第36期(2010年度)と第37期(2011年度)には2期連続で挑戦者決定二番勝負に進出しましたが、第36期は渡辺明竜王(肩書は対局当時)、第37期は郷田真隆九段に敗れて挑戦には届きませんでした。果たして今期で三度目の正直となるでしょうか。

Dsc_69862 (広瀬八段)

(睡蓮)

佐藤名人の本棋戦成績は37勝17敗(0.685)です。第41期(2015年度)に挑戦者になって渡辺明棋王と五番勝負を戦いましたが、結果は1勝3敗でタイトル奪取はかないませんでした。今回の挑戦者決定二番勝負を制すれば、雪辱のための絶好の機会を得ることになります。

Dsc_70221 (佐藤名人)

(睡蓮)

20181217b

互いに飛車先を突き合っての角換わりになりそうな出だしでしたが、佐藤名人が△3四歩と角道を開ける手を保留し、別の将棋になりました。佐藤名人は、今月14日の第4期叡王戦本戦、対中村太地七段戦でも同様の指し方を用いています。上図の12手目△5四歩から▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲5四飛と進み、先手がいきなり5筋の歩を取って1歩得する見慣れない展開に。10時30分の時点で、下図の局面まで進んでいます。すでに同一の前例はありません。

20181217c(睡蓮)

Dsc_69721 (広瀬八段は9時40分過ぎに入室。新聞観戦記担当は鈴木宏彦さん)

Dsc_69801 (佐藤名人は9時46分に入室した)

Dsc_69931 (佐藤天彦名人)

Dsc_69961 (広瀬章人八段)

Dsc_70011 (佐藤名人の振り歩先で振り駒が行われる。結果はと金が3枚で、広瀬八段が先手番を得た)

Dsc_70141

(睡蓮)