2015年2月11日 (水)

将棋まつり会場の外では、「天下一どうぶつしょうぎ武道会」が行われていました。とちおとめ25、トチノキッド、コマゾンボーイズ、一般代表の4チームによるリーグ戦です。対戦は3対3の団体戦方式。最後はとちおとめ25とトチノキッドが2敗同士でぶつかっていました。

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15時になり、対局室におやつが運ばれました。二人ともガトーショコラで、飲み物は渡辺棋王がアイスコーヒー、羽生名人がレモンティーです。

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(陽南荘玄関に掛けられている書。「鮫嶋重雄書」とある)

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午後になり、将棋まつりのステージには大内九段が登場。客席は立ち見の方も増え、人垣ができています。第1期棋王戦は三者によるリーグ戦で争われました。このときに棋界初の海外対局がハワイで行われたことでも有名です。そのときの対局者であり、第1期棋王が大内九段。海外対局の思い出を語り、当時の対局を大盤で振り返りました。

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本局は後手番の羽生名人が横歩取りに誘導しました。渡辺棋王は▲3四飛(図)と歩を取ってこれに応じます。序盤から後手が駒損する珍しい定跡ですが、先手はその代償に飛車の立て直しで手をかけることになるため、バランスはとれています。「自在流」で知られる内藤國雄九段が大舞台で用いたことから、プロ間で多く指されるようになりました。

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後手が中原囲いで低く構えると、先手はすばやく銀桂を繰り出します。先に仕掛けたのは羽生名人。△1五歩(図)と突いて戦端を開きました。以下▲同歩△1七歩▲同香△7七角成▲同金△7四飛と進行。

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羽生名人はじっと飛車を引いて手番を渡しました。先手陣は1筋にキズがあり、金銀もバラバラなので、まとめるのが難しいだろう、と言っているわけです。後手は歩の数が少ないのですが、陣形が安定しているのが強みです。先手は得た手番と、持ち歩の多さが頼みの綱。ここからの数手は勝敗を分ける急所になりそうです。

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(今週の『週刊将棋』。棋王戦五番勝負の特集が組まれている)

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とちぎ将棋まつりのステージで午前中に行われたイベントを紹介します。栃木のご当地アイドル「とちおとめ25」と、栃木のローカルヒーロー「精霊法士トチノキッド」のキャラクターがどうぶつしょうぎで対戦しました。解説は北尾女流二段。異色の対決に、会場は盛り上がっていました。

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渡辺棋王は12時53分、羽生名人は12時56分に対局室に戻りました。定刻の13時になり、対局再開。手番の羽生名人は険しい表情のまま盤面をにらんでいました。

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12時、図の局面で昼食休憩に入りました。消費時間は▲渡辺1時間16分、△羽生1時間19分。昼食は渡辺棋王が刺身膳セット、羽生名人が五目餡かけ焼きそばセット。対局は13時に再開されます。
対局室の長机には、棋譜用紙とストップウォッチが置かれていました。タブレット端末を使った記録でも、従来通り棋譜用紙への記入は行います。

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9時30分から始まったとちぎ将棋まつりは大盛況です。会場にはあふれんばかりの来場者。松尾七段の大盤解説に始まり、指導対局、谷川九段のトークショー、松尾七段と片上六段による席上対局とプログラムが進んでいます。
指導対局は最初の担当棋士が大内九段と北尾女流二段。大内九段は左手でピシピシとテンポよく進め、時折笑顔で話しかけます。北尾女流二段は子供を相手に優しく声をかけていました。席上対局の解説は栃木県在住の松本六段。聞き手の室谷女流初段は片上六段の同門です。

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対局場の宇都宮グランドホテルは、これまで何度もタイトル戦が行われてきた由緒あるホテルです。棋王戦では第36期五番勝負第1局の対局場となり、このとき初めてニコニコ生放送によるストリーミング解説が行われました。今回も七大タイトル戦で初めてタブレット端末による記録が導入されるなど、将棋界での新しい試みと縁のある場所です。
対局室のある「陽南荘」は、明治30年代に鹿児島県出身の陸軍大将、宇都宮第14師団初代団長の正三位勲一等鮫嶋重雄男爵の別邸として建てられたもの。広さ2万坪の庭園には男爵を偲ぶものが残されています。

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宇都宮市は栃木県の中南部に位置する市で、現在の県庁所在地です。平安時代の後半に宇都宮城の元になる館が築かれ、宇都宮氏の拠点として発展しました。江戸時代の宇都宮は奥州街道と日光街道の追分にあたり、宿場町としてにぎわった歴史があります。その後廃藩置県により宇都宮県が置かれ、1873年に栃木県に編入、1883年に県庁所在地となりました。
名物はなんといっても餃子。農産物では梨、トマト、洋ランが多く生産されています。宇都宮城址公園など史跡があるほか、花の名所として知られる八幡山公園など、観光スポットも多くあります。